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妄想アマガエル日記(11)-8月2日(水)晴れ~アマガエル与助編~

なかなかこの隙間は居心地がいい。
涼しい風が通るし、眺めもなかなかいい。

そんなことを思いながら、ゴロンと寝転んで天井を見ていても、ここに来た時に見つけた日記がどうしても気になってしまう。。。

「俺は人の日記を無断で見るなんてダサいことはしたくない!」
「どこにでもいる緑色のアマガエルとは違って、俺は青色をしたアマガエルだ。そんな俺が無断で日記を見るなんてありえない!」

壁に立てかけた日記にチラッと目をやったがすぐに天井を見上げた。

「さて、今夜あたりどっかに行ってみるか、、その計画でも考えることにしよう」日記のことを忘れるために、違うことを考えることにした。

「そういえば、これまで色々ことがあったな~。ここに来るまでもレンガの大地もあったし、水路もあった。大きな茶色のアマガエルにも会った。他のカエルも色々な経験をしているのかな~?」
そんなことをふと考えていると、また日記のことを思い出してしまった。そして、チラッと日記に目をやった。

「いかんいかん、、俺は無断で日記を見るなんてダサいカエルではないじゃないか!」勝手に頭が日記のことを考えてしまうことにがっかりしてしまった。

「そうだ、じっとしているからいけないのだ。少し動いてみよう。」
この隙間の中をもう少し詳しく見てみることにした。

すると、隙間の奥までは歩いて5歩くらいはあろうかという奥行があって、その奥は少し腐っていて、湿っぽくなっていた。壁には黄色い粘菌が一部覆っていて、それが文字のように見えた。

粘菌というのは、文字のように見えるんだな~としばらく見ていると、ふと「あの日記はどんな奴が書いたんだろうな~。中をちゃんと見ていないけど、どんな風に書いているんだろうな~」とまたまた日記のことを考えてしまった。

「困ったものだ、、」

「ただ、俺は他のカエルのことを知るために、あの水たまりから移動してきたんじゃないか!少しくらい他のカエルのことを知るためにも日記を見てもいいかもしれない。。。いや、見ないとわからないじゃないか!」

「どんな風に書いているか自分も参考にするためにも、見てもいいのではないか。。。いやいや、見ないといけないじゃないか!」
と自分に言い聞かせるように、いろいろな理由が思いついた。

「まったく、困ったもんだ。本当は読みたくなんてないんだ!」
「でも、仕方がないか。。」

そこで、そろ~と壁に手を伸ばして、立てかけていた日記を手に取った。

そして、周りに誰もいないのを確認してから、ゆっくりページをめくって読んでみることにした。





「字が汚すぎて、、、何んて書いてあるか読めんやないか~い」

つづく