妄想アマガエル日記(31)-10月15日(日)晴れ
「ちゃんと食べれたかい?」
与助が小太郎に聞いた。
「あ~まぁ、それなりにな。」
「でも、どうやって一緒に冬を越すのを回避するのか考えていたから、何を食べたのかあまり記憶にないんだよ。たぶん、なんか小さなハエみたいなのを食べたと思うんだけどな。」
小太郎が困ったように言った。
「君もか~ 実は俺もいろいろ考え過ぎて、何をどうやって食べたのかあまり覚えていないんだよ。。」
そして、待ち合わせの石の前に2人は来てしまった。2人でいろいろと相談したが、逃げるアイデアが何も思いつかなかったのである。
すると、石の下の穴の中から日出夫と銀次郎が一緒に出てきた。
「銀次郎、君は中に入ったんだ!」
与助が少し驚いて聞いた。
「あ~そうなんだよ。僕はもう朝は食べていたし、待っている間 時間があったし、ひでおちゃんも朝はもう食べたって言うからさ~」
銀次郎が日出夫を見ながら言った。
「でも、この中すごく広くて快適だったんだよ~。驚いたよ。この石の下がこんなに広くて快適だったなんて!!!」
「これなら4人どころか、10人くらい冬を越すことができそうだったよ!!」
銀次郎が嬉しそうに言った。
「そっかぁ。。。。まぁ、とりあえず、見てみるか。」
与助が小太郎を見ながら言った。
「そうだな。。とりあえず、見るだけ見てみよう。。。」
小太郎がいやいやそうに返事した。
銀次郎たちが住んでいる朽ち木の前にある幹の細い木の下に、スイカ大の石があって、その石を取り囲むように朽ち木が積み重ねられ、石に直接雨や風が当たらないようになっている。その石の下にちょうど日出夫が1匹入れるくらいの拳大の穴が下に向けて開いていて、その入り口の穴の手前には土の山が出来ていて穴に雨が入らないようになっているのである。おそらく、この穴は何かの動物が掘った穴であるようで、その穴を掘った時の土が入り口に積み上げられているのであった。
「じゃ、中に入りましょうか♡」
日出夫が先頭で穴に入っていった。
その後に、銀次郎が嬉しそうについて行って、与助と小太郎がしぶしぶ付いていった。
穴に入ると外とは違い少し暖かくて、外の温度とは少し違うことがわかった。
「どう?いいでしょ?」
銀次郎が振り返って2人に聞いた。
「いやいや、まだ入ったばっかりだろ。」
与助が答えた。
そのまま奥に進むと、広い空間が広がっていた。そこは日出夫が5匹は入れるほどの広い空間だった。
「ほほ~~、これは、なかなかいい空間だな~」
与助が見まわしながら感心した。
「でしょ~。あそこから小さな光が差し込むから真っ暗にもならないんだよ!!!」
銀次郎が光の先を指差しながら言った。
「ほぉほ~~。。いいね~~すごいね~~」
与助が感心して言った。
さらに、その奥に進むと。小さなトンネルにつながっていた。たぶん、それはモグラのトンネルのようだったが、今は使われていないもののようだった。トンネルを少し進むと泥が湿っていて、小さなミミズが這い出てきた。
「どう?ここは餌にも困らないんだよ!!!!」
銀次郎がさらに嬉しそうに言った。
「ほぉほっ~~。。これは素晴らしいね~~」
与助がさらに感心して言った。
「おいおい、お前。何そんなに感心してんだよ。」
小太郎が後ろから与助に小声で言った。
「あっ!そうか。すまんすまん。あまりに素晴らしすぎて、忘れていたよ。」
与助が我に返って、少し反省しながら言った。
「さらに、このトンネルは朽ち木の隙間からこの大きな石の上に出れるトンネルがあって、この石の上からの景色は絶景なんだよ!!!!!!」
銀次郎が案内しながら、嬉しそうに説明した。
その景色を見た与助は
「いやぁ~~。これは素晴らしいですね~。本当に素晴らしいですね~。」
と感心して言った。
小太郎は与助を見ながら思った。
たぶん、皆で一緒にここで冬を越すことになりそうだな。。。
まぁ、仕方ないか、、、なかなかよさそうなところだしな。。
どうにか日出夫から離れる方法を考えるとしよう。
それよりも、、、与助 こいつ、、、、
建もの探訪の時の渡邊篤史みたいだな。。。最後の方なんか自分から渡邊篤史に寄せにいっていたしな。。。
やっぱり、面白い奴だ。
つづく。