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 赤ちゃんを見ると、「そんな小さな鼻の穴で、、、どうやって鼻くそをほじるんだ?」と思います。でも、そんな小さな鼻の穴に入る小さな人指し指をしているから、問題なくほじることができるのです。また、自分の手の長さも、これ以上長いと邪魔だし、これ以上短いとトイレの時に困るな~と、トイレに行く度に思います。
 
 生物は、体の「長さ」が丁度よくできているのだと日々の生活の中でつくづく思います。
 
 それは、昆虫やエビ、ムカデやクモなどを見ていても思いますし、それらを解剖して気管や神経の長さなどを見るとさらに思います。生物の体というのは、その生物が生活しやすい長さでできているのです。

 今でこそ、そんなことを考えるけど、大学生の時に特に深い考えもなく自分の体の長さを測って自分の体の地図というのを作ったことがありました。今 考えると一人で部屋で何していたのだろう?と思うけど、たぶんとても暇だったのでしょう。けど、その時に測った自分の体の長さが色々なところで役に立っています。例えば、中指と親指を最大に広げた時の長さは、私の場合20㎝になります。だから、長さを測らないといけない時はこれを使ってある程度正確な長さを測ることできます。フィールドで調査する時は、これを使ってどんな状態の時でもすぐに長さが測れます。また、人指し指と親指で軽く摘まんだところから肘までの長さは丁度、胴の長さになります。だから、ズボンを買う時は試着しなくてもこれで測れば、だいたい丁度よいズボンを買うことができるのです。他にも、色々な長さがありますけど、ここでは関係ないので割愛することにして、本題に戻します。 

大きさの基準が入っていない写真(大きさがわからないと想像できない)
足先を入れることで大きさがわかる

大きさの基準がない写真(大きさがわからないと想像できない)
手で持つことで大きさがわかる

スケールがないので、大きさがわからない
スケールがあるだけで大きさがわかるし、写真見た人がスケールで体の各部位を測ることもできる

 生物を調べる時にもっとも基礎的なデータが「長さ」です。
 昆虫の体長やカタツムリの殻長、カエルの全長など、体のもっとも長い部分の長さというのは、その種類を区別するときにもっとも最初に使うデータだし、頭の幅や皮膚の厚み、翅の長さなども色々なことを知る時に必要なデータです。自然物を調べる時は、この「長さ」というのがとても大事です。だから、展示の中やSNSなどで掲載する写真には可能な限り「長さ」がわかるように、スケールを付けるようにしています。スケールがあるとその写真からさまざまな部位の長さを測ることもできます。 

 また、長さがわからないと、写真の中の自然物を頭の中で想像できないような気がします。想像してもらえないと、その写真を見ている人に私が伝えたいことが伝わりません。でも、写真の中にスケールがあるだけで、または長さがわかる基準となる物があるだけで、人はその写真の対象となる「」を想像できます。あとは文章を読んで想像して貰ったら、アニメーションのようにその人の頭の中で勝手にその対象が動き出し、私が書いた文章の通りに動いてくれるような気がするのです。だから、今後も少し手間がかかりますが、なるべく写真にはスケールや長さの基準となる物を入れていこうと思っています。
 
 うまいこと、あなたの頭の中で、私が示した自然物が踊ってくれることを願います。