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10年前に「下関の自然」という本を作りました。
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この本を作った時に表紙のイラスト描かないといけなかったので、いろいろと考えて絵を描きました。

描き始めの時は、すべての自然を1枚のイラストにするために地層から化石、生物とすべてを載せて、しかもそれぞれの分類群ごとの目や中心点を線で繋げると、誰も気づかないけど、あるイラストが浮かびあがるようにしようと描いていました。

ただ、他にも誰も気づかないギミックを色々と入れていたらゴチャゴチャしたので、色々な部分を省略して結局、そんなイラストが浮かび上がらないただの絵になりました。

下関の自然の表紙(これは下関の自然2ですが表紙は同じです)

ただ、1つだけ省略しなかったのが、カニと猿に柿を持たせるということでした。この絵を見た人の多くは猿蟹合戦を思い出すのでしょうけど、それはただの偶然で、これには一応意味を込めました。

まず、柿というのは、学名(種小名)がkakiと柿(カキ)がそのまま使われている身近な植物であるということ、さらに、柿の花言葉が「自然美」、「優しさ」、「恩恵」であるということです。そんな植物をまずは表紙に入れることを最初に考えました。

そして、それを誰に持たせるかを考えた時に、生物には大きく2つに大別できます。すなわち、ナメクジウオからホヤ、魚類を経て哺乳類に至る「新口動物類」、そして、もう一つがミミズやカタツムリ、節足動物に至る「旧口動物類」です。この2大生物群の頂点に位置する新口動物類の「」、そして旧口動物類の「カニ」に、「自然美」の花言葉を持つ「」を持ってもらうことにしました。ですから、この表紙には猿とカニが柿を持っているのです。これを描いた後に猿蟹合戦みたいだと気づきましたけど、それはただの偶然というわけです。

この絵をその後に描き替えたり、付け加えたりしようと思ってもあまりできなくて、この絵自体をロゴのように使おうと思いました。
そのため、当館の看板やチケットの半券にもこれを使うことにしました。

チケットの半券
看板

この絵を描いてだいぶ経ちますが、案外見飽きない絵のように自分では思っています。たぶん、下書きもせずにマウスでチョイチョイ描くから線が歪んでいるのが、その理由なように自分では思っています。

まぁ、絵が上手い人から見たらひどい絵でしょうけど、実際の自然というのは歪んでいますから、その辺りは優しい目がご覧頂けましたら幸いです。そして、よく見ると他にも何かしらのギミックが仕込まれているかもしれませんよ。