妄想アマガエル日記(54)-4月20日(土)雨~ツチガエル花子編~
遡ること、数日前 @水路近くの花壇ーーーーー
「いやーーーー、今年も寒かったぁ~~」
「でも、まぁ、他のカエルほどは寝ずに、水の中で過ごしたり、落ち葉の下で過ごしたりと、今年も寒い冬をそれなりにエンジョイできたわ⤴⤴今年で冬は2回目だけど、去年はまだオタマジャクシだったからね!!」
いつもの水路近くの花壇から外を見ながら独り言を言った。
花壇の上から水路の方を見下ろしながら。
ようやく暖かくなってきてから、アマガエルやヌマガエルなんかが出て来たわね~。
あっ、あそこにいるアマガエルは腹が大きいから、もう少しして田に水が入ったらすぐに産卵するのかしらね。。?
あっ、あのヌマガエルは体にまだ土が付いているから、穴から出てきたばっかりかしらね、、、?
あっ、あのトノサマガエルは体が大きいから、3年目くらいかしらね。。?
行き交うカエルたちを見ながら、いろいろと想像していた。
そういえば、あのお方は、今はどこにいるのかしら???
以前見た、まだ熱いレンガの大地を堂々と、力強く進んでいた1匹のアマガエルのことを考えていた。
あのお方も、そろそろ出て来ているのかしら、、??
そう思うと、じっとしていられなくなってしまった。
「なまった体をほぐすために、少し散歩でもしようかしらね⤴⤴♡」
花壇から降りて、水路の方に行こうとした。
すると、目の前に大きな石があって、それと地面との隙間の窪みに何やら″きな粉餅“みたいなのが、挟まっているのが見えた。
「あれ?あんなところに何で″きな粉餅“が挟まっているのかしら???」
首を傾げながら、少し距離を置いて眺めていた。
ただ、その″きな粉餅“を眺めていると、時折ゆっくりと上下に動いているように見えた。
「あれ??私の目の錯覚かしら、、、なんかあの″きな粉餅“みたいのは動いているように見えるわね??」
少し気になってしまった。
恐る恐る、近づいて行くと、それは長い棒が付いた、″きな粉餅“
であった。
「あら~~?やっぱり、″きな粉餅“だわね???」
そう言って、足でつんつんと餅の部分を触ってみた。
すると、その餅が、
ぶるん、ぶるんと左右に動き始めた。
「え!!!なんなのこれ??動くの???」
今度は触るのは気持ち悪いので、落ちていた棒を拾って、その物体をツンツンしてみた。
すると、その物体が、
ぐるん、ぐるんと転がり始めた。
「え~~!!!なんなの??」
「でも、そっちは水路よ!!!」
そう言った直後、その物体が、「ボッチャ~~ン」と水路に落ちてしまった。
「大変!!!大丈夫かしら。。。?」
少し心配になって、その物体が落ちたところに近づいていくと、それが水底からゆ~くりと浮いてきた。
「あら?カエルだったのね!」
そこには、緑色をしたアマガエルの姿があった。
泥や砂が付いていて、カエルには見えなかったが、それは紛れもなくアマガエルであったのである。
「あら~???このカエル死んだのかしら??」
手に持っていた棒で岸から浮いているそのカエルの腹をツンツンしてみた。
すると、そのカエルから
すぴー⤴、すぴー⤴と寝息が聞こえてきた。
「え!!!このカエル、、、まだ寝ているの??」
長い脚を引っ張って、陸に上げた。
「まったく、、、なんなの??このカエルは!!」
そう言って、ほっぺたをピシ、ピシと叩いて起こすことにした。
「ほぉら~~、、もう春よ~。。。起きなさいよ~~」
ようやく、そのカエルが大きなあくびと共に目を覚ました。
「は~~、よく寝たーーーーーーー!!!!!」
「えっ、あなたは!!!」
つづく。