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当館には学芸員は私一人しかいない。
だから、いろいろな問い合わせに関しては私が対応することになる。

一人ではあるけど、これまでいろいろな分野を調べて企画展テキストを作って来たからか、いろいろな問い合わせや来客がある。

ただ、面白いことに、化石に関心がある人に対応する時は私は化石に関することしか答えないわけだから、その人から見たら私は化石の専門家と思われているようだし、岩石薄片の作り方を習いたい人などが来ても私が教えるわけだから、その人から見たら私は岩石の専門家と思うようだ。

同じようなことで藻類に関する問い合わせの時は私は藻類の専門家と思われているようだし、昆虫以外の生物に関する問い合わせの時は、その分類群ごとの専門家と思われているようである。

とても面白い。

まさに、鵺(ぬえ)のようだと思ってしまう。顔を見た人は鵺は猿だといい、尻尾を見た人は鵺はヘビだといい、、と言った、見る人によって見え方が違うのである。

ただ、この時期だけ、私はホタルの専門家だと、胸を張って見せることができるのである。

でも、最近、とある夢を持つようになった。

いつか、私が書いている小説「妄想アマガエル日記」だけを読んで私のことを知った人が現れて、私のことを小説家だと思っていたら、とても面白いなと。