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京助くんは今日も考える(4)虫と痛み

僕の家は坂の上にある。
亮太の家に遊びに行くため、自転車でその坂を勢いよく下っていた。

「風が~~あぁ~   気持ちいーーーー♪」
大きく口を開けて、口いっぱいに空気を貯めるように下った。
口が風でめいっぱいに膨らみ、一気に乾燥した。

あぶない、、あぶない。。。こんなバカなことしてたら、口に虫が入るぞ!!、と我に返った。

ビッターーーー!!!

「いってぇ~~」
額に何かが勢いよくぶつかった。

「いってぇ~!!なんなんだ、、」
急ブレーキで自転車をとめて、つま先で自転車をバックさせて額に当たったものを確かめた。

すると、そこには、裏返ったカナブンが脚をばたつかせて暴れていた。

「カナブンかい!!いってぇ~なぁ~!!!」

カナブンを拾い上げ、暴れる様子を見ながら、
ふと、考えた。

ところで、虫ってのは、痛みを感じるのだろうか~??

虫には表情がないから、痛いとか、平気とか顔を見てもわからない。
かといって、しゃべれるわけでもないから、痛い!とかも言わないからわからない。虫語でなんかしゃべっているようでもないしな~。。

でも、、、脚が取れても、、痛がってしばらくじっとしているということもないし、壁とかに勢いよくぶつかっても、何事もなかったように飛んで行く。

ん~~~いったい、虫というは、痛みというのがないのだろうか~~??

でもまてよ。。。
虫を掴むと、嫌そうに暴れるし、セミとかはギ~ギ~鳴くから、嫌なのは嫌なんだろう~??
けど、死んだふりしたり、ダンゴムシみたいに丸まって動かなくなるのもいるからな~。。。

ん~~わからないな~。。

手に持ったカナブンの体の硬さに感心しながら思った。

虫は硬い体をしているから、人の肌みたいに柔らかくないから痛さを感じないのかもしれないな~。。。

でも、幼虫はぷにぷにしてて、人の肌みたいに柔らかいから、今度見つけたら、ちょっとつまんでみよう!!!

「今度は君の幼虫を僕のとこによこしておくれ。」
そうカナブンに言って、草むらに投げて、勢いよく自転車を漕いだ。

つづく。