妄想アマガエル日記(42)-12月15日(金)雨
「まったく、、、お前はいつまでたっても子供だな、、、」
「いちいち、口とがらせてすねるなよ。。。」
与助がそう言いながら、銀次郎の部屋の扉を付けるのを手伝っていた。
「与助がいつも日出夫にばっかりいい顔するし、僕が言うことをいつだって否定するからさ。」
銀次郎が口をとがらせながら、モクレンの葉の下を持ちながら言った。
「いやいや、別に銀次郎のことを否定したり、日出夫にいい顔しているってわけじゃないんだ。ほんと!信じてくれよ。。」
「なんか嫌な思いをさせたんなら、謝るからさ~。」
与助は本当に誤解を払拭しようと丁寧に説明した。
「まぁ、、いいんだけどね。与助はいい奴だから、悪気がないのは知っているからさ。。」
「なら、よかったよ。これからは、少し気を遣うようにするよ。」
「いや、気を遣われるのは嫌だな~」
扉がつけ終わって、片づけをしながらつぶやいた。
「わかったよ、、、じゃ、気を遣わないでおくよ。」
「ん~~、、それもまた嫌な思いするかもしれないよ。。」
「じゃ、どうすればいいんだよ!!」
与助が困ってしまった。
「そうだね。。とりあえず、僕がいうことを1回受け入れてみるってのはどうだい?」
「ん?どういうこと?」
「だからね。僕が何かを提案してみるでしょ。やる前にそれを否定するんじゃなくてさ、、、1回やってみてから決めるってことだよ。」
「ん~~、、まぁ、よくわからないけど、とりあえず、今日だけはそうしてみようか。」
与助がしぶしぶ銀次郎の提案を受け入れてみた。
「そうそう、そんな感じでさぁ。1回受け入れてみて欲しいんだよ!!」
銀次郎がとても嬉しそうに与助を見た。
それぞれ部屋もできたので、また広い空間の中央にみんなで集まった。
「じゃ、とりあえず、みんなの部屋も完成したし、これからどうしようか?」
与助がみんなに相談した。
すると、小太郎が、
「じゃさ、まずは自分の部屋に冬を越すために落ち葉を敷いたりして居心地のいい部屋にするってのはどうだい?」
「そうだな。じゃ、そこに落ち葉とか石とかはいっぱい取ってきてあるから、それを自由に使って部屋を居心地いいように準備することにしよう。」
与助が小太郎の提案を受け入れて皆に促した。
一時間後----------------
「だいたいいい感じの部屋になったよ!!」
小太郎が自分の部屋から出てきて、既に出て来ていた与助に言った。
「そうかい。俺もいい感じにできたよ。」
「俺の部屋は上の隙間から光も入るから、なかなかいい感じだし。」
「へ~。光が入るってことは風も入って寒いんじゃないかい?」
小太郎が少し心配そうに聞いた。
「俺もそう思ってさ。さっき、そこを落ち葉で光だけ透けて、風が入らないようにしたんだよ。」
与助が嬉しそうに言った。
小太郎と話していると、銀次郎と日出夫も部屋から出てきた。
「2人とも案外時間かけて準備していたんだね。」
与助が2人に話しかけた。
「そうね~♡ 私の部屋は、ほらっ 広いから~」
日出夫が自分の部屋を指差しながら答えた。
「確かにね。。。。」
与助はその指差す方向を見ながら相槌をした。
「僕の部屋もなかなかいい感じになったよ。」
銀次郎が嬉しそうに言った。
「へ~。どんな風にしたんだい?」
与助がなんとなく聞いてみた。
「僕の部屋はね。。。与助がたまに遊びに来て一緒に寝れるように寝床を2つにしたんだよ!」
銀次郎が嬉しそうに部屋の間取りを地面に書きながら言った。
「ん????どういうことだい?」
「なんで、俺がお前の部屋で寝るんだい?」
与助は理解できずに聞いた。
「だって、寝る時はこの広いところではダメで自分の部屋で寝ろって言ったろ?」
「でも、一人で寝るのはつまらないでしょ。だから、与助の寝床も作って一緒に寝れるようにしたってわけさ!!」
自信満々に銀次郎が言った。
「いやいや、、、あんな狭い空間でお前と寝るなんて、、お前の寝相の悪さのせいで、俺が怪我してしまうだろ?」
「ぜったい、、、嫌だ!!」
与助が必死に否定した。
「ふ~~ん。。。さっきさ、、、与助はさ、、、、僕の提案をさ、、、1回は受け入れるってさ、、、言っていたじゃないか。。。」
「もう、約束を破るのかい?」
銀次郎が恨めしそうに言った。
「あっ」
全身青色の与助が、全身真っ白になった。
つづく。