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秋晴れとはよく言ったもので、この時期は雨が降らず晴れの日が多い。
そして、この時期はハリガネムシがカマキリを水に落とす時期でもある。

過去何年もハリガネムシのことを調べているので、過去のカマキリが水に落とされた時期の写真を見返しても、この時期は雨が降っていない。

これはわざとなのか、偶然なのか、、、とてもよくできたことなのである。

つまり、ハリガネムシはカマキリの尻が濡れると出てくるから、もし、雨が多い時期に出ようとすると、カマキリが雨で濡れると出てしまうことになる。それが、川や水たまりでなくて、陸上でもである。

もし、陸上で出てしまったら、雨が止み、乾燥すると交尾することも子孫を残すこともできずに乾燥して死んでしまう。
一生に1回しか、ハリガネムシがカマキリから出るチャンスはないのである。

そう考えると、ハリガネムシというのは、慎重にカマキリから出る時期とタイミングを決断しないといけない。

ただ、彼らには目がないから、雨か水たまりかを認識することはできない。さらに、あまり慎重になり過ぎてカマキリから出なかったら、カマキリが食べられることもあるし、水辺に行く前に寿命で死んでしまうかもしれない(補足しておくと、この時期にハリガネムシは成体になっているからこの時期に出てくるというわけではなく、8月くらいにはカマキリやキリギリス、カマドウマの腹の中で成体になっている。だから、いつ水に誘導してもいいはずなのであるが、この時期に集中するのである)。

だから、ハリガネムシは、雨が降らない時期にカマキリを水辺に誘わせ、交尾相手がいるであろう水中に入らないといけない。そう考えると、この時期が最適なのである。

ハリガネムシというのは、カマキリの腹の中で、いつこのカマキリを水辺に誘うのかを決断する時がある。

そう考えると、私がハリガネムシだったら、「晴れた日が続いていて、これから数日間も晴れそうだな!」という時期にカマキリを水辺に誘うようにすると思う。

もし、ハリガネムシも同じことを考えているとしたら、カマキリの腹の中で彼らは、毎日天気のことを考えているのかもしれない。