顎を持たない鋏角類の口 22 豊田ホタルの里ミュージアム・下関市立自然史博物館 2021年11月18日 14:46 顎や触角を持たない鋏角類の口について書いたツィートです。最近は鋏角類の口を調べてます。写真は今日撮影したザトウムシの口です。どうやら3対に分けられ(②)、味を感じるであろう感覚器が1対(A)、そして正中に突起が1個(B)。カブトガニはこの突起の位置に『腹眼』という眼があるけど、ザトウムシのこれも同じ腹側の眼だったら、ロマンがある。 pic.twitter.com/1ZO0doAQnn— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 17, 2021 アゲハチョウはお尻の眼が交尾の際に使われるらしいから、ザトウムシのこの口の前にある突起も眼だとすると交尾(①)や産卵(②)の際に使われると思う。この突起が光や匂い、感触を得て産卵や交尾を判断していると考えると、ロマンがある。でも、切片見る限り何もない。https://t.co/AGhZfcpuKn https://t.co/lHoCBgqHyr pic.twitter.com/OeS1OW6RCl— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 昆虫や多足、甲殻類が付属肢を顎や触角に変えたのに対して、鋏角類はそれらの多くを歩脚に変えてしまったので、彼らには顎も触角もない。だから、脚の根元を顎に併用したりしてる。そして、筋肉もまた他の節足動物とは違う。ザトウムシは咽頭を広げる筋肉を背側から引っ張っていて、奇抜すぎる。 pic.twitter.com/Uul5sVk9f1— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 カニムシの口は触肢の基部にあります(①)。たぶん、触肢の基節が物をある程度噛んで口の奥に入れるのでしょう(②、③)。カニムシはトビムシなどを食べます。鋏角には兜状体(紡績腺)という糸を出す器官があります(④青い部分)。 pic.twitter.com/5BcnEYOXvg— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 カブトガニの口は脚の根元にあります(①、③)。脚の根元には歯みたいなのがあって、これで貝などを噛んで食べます(④)。たぶん、鋏角のハサミで獲物を捕まえて、それをこの脚の根元の歯で砕いて口の奥に入れていくのでしょう。顎はないけどこの歯はとても硬く、鋭く、奥へ奥へ入る構造です。 pic.twitter.com/6xLPQKHqoW— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 クモ(コガネグモ)の口も触肢の根元にあります(①)。クモは獲物を糸で固定して体外で消化して、それを吸胃というポンプで吸うのですけど、ある程度触肢の根元で噛むようです(②、④)。下唇は元々触肢の節片または腹板なのでしょうけど、動きます。 pic.twitter.com/ZNrxkflD6H— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 ちなみに、鋏角類というのは一番前の肢に「鋏角」というハサミがあるのが特徴です。でも、クモの多くはカギ型でハサミにはなってません(① 左が腹面、右が背面)。そのカギの先端には毒が出る孔が開いてます(②)。とはいえ、イエユウレイグモなど一部のクモもハサミ型なのもいます(③、④)。 https://t.co/fdJ3zQ9nIG pic.twitter.com/50bFTF9iT3— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 18, 2021 ダウンロード copy 22