妄想アマガエル日記(48)ヌマガエル小太郎編-1月27日(土)晴れ
遡ること1時間と少し前-------------------
「小太郎~~。小太郎~~。ちょっと出て来てくれよ~」
銀次郎が小太郎の部屋の前で声をかけた。
「いったい、どうしたんだよ。。。わかった、わかったよ。。」
小太郎がもう少し寝たいのに、、と思いながら部屋から出た。
部屋から出ると、少し先に与助と3人のトノサマガエルがなんかしゃべっているのが見えた。
ん?なんなんだ?あのトノサマガエルは。。。
そう思いながら銀次郎に言われるまま与助の方に近づいていった。
すると、そこにはどっかで見たことがあるような3人のトノサマガエルがいた。
与助が自分のことを紹介してくれたが、そのカエルたちは特に俺のことに気づいていないようだから、たぶん俺の勘違いだな。と思った。
この3人のトノサマガエルも一緒にここに住むことになって、部屋を作ることになった。その時、この3人の声や動きを見ながら気づいてしまっていた。
こいつらは、、、あのトノサマガエルたちだ!!
そう、あれは夏頃の話しだ。。。。
冒険の一環で水路に行った時のことだった。水路に行く手前に大きな石が落ちて来そうな崖があった。ただ、冒険家の俺からしたら、そんなもの何も怖くないと思って登っていたが、足を滑らせてしまって、その振動で大きな石が落ちてきた。転がる石から一生懸命逃げてヘロヘロになった時に、あのトノサマガエルたちがその石を抑えてくれて、無事に逃げることができた。あの時は口からよだれを流しまくって、ひどいあり様だったと思う。。。
また、それから少し後に、暗い洞窟を進んでいた。冒険家の俺からしたら洞窟なんて、何も怖くないと思っていたが、何も見えない暗黒で途中で怖くなってしまった。天井から小さな光が漏れているところがあったので、どうにかそこに口を差し入れて助けを呼んだ。その時に助けてくれたのもあのトノサマガエルたちだった。あの時は怖くて泣いていたので、無様な姿であったと思う。。。
そして、その少し後に、水路の近くで大きな岩を登っていた。冒険家の俺からしたら高いところなんて、何も怖くないと思っていた。実際、登っている時は何も怖くなかったのであった。しかし、いざ頂上まで登ってその高さを見ると降りれなくなってしまった。大きな岩の頂上からひたすら助けを呼んだ。でも、周囲には誰もいなかった。日も照り付け、2日目の夕方、もう干からびて死んでしまいそうだと思った時、ちょうど岩の下を3人のカエルが歩くのが見えた。そこで最後の力を振り絞って、助けを呼んだ。その時に助けてくれたのもあのトノサマガエルたちだった。あの時は体の水が抜けて干からびて死にそうだったので、見るも無残な姿であったと思う。
アイツらだ!!!何度も助けてくれたトノサマガエルたちだっ!!!
そして、俺のもっとも情けない姿を何度も見ているあのカエルたちだ!!!
小太郎は悩んでいた。
あの時の御礼は言いたい。。。でも、あのことを言うと与助や銀次郎にあの時の情けないことを知られてしまう。。。どうしたらいいものか~。。
そんなことを色々と考えている時に、トノサマガエルの1人が気づいてしまった。
どうしたらいいんだろうか~~???
ん~~???
「えっっ、、会ったことなんてないけど。。。」
と、つい言ってしまった。
ヤバっ、、、
″見た目は蛙、頭脳も蛙“で有名な「名探偵 与助」と「助手の銀次郎」がなんか察しやがったな。さて、どう切り抜けるか。。
つづく