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妄想アマガエル日記(61)-6月13日(木)晴れ

穴から出ると、そこには大きな湖が広がっていた。
とても綺麗な水で底まで透けて見えている。あまりに綺麗な水で湖全体はコバルトブルーに光り輝いていた。

「なんて!!!!!綺麗なんだ。。。!!」
銀次郎が口をあんぐりと開けて、感動していた。

そんな湖には中央に大きな岩がニョキリと突き出ていて、その上に何かが横たわっているように見えた。そして、その岩の根元付近の水の底には何やらカエルのようなカエルじゃないようなのが、遊んでいるようであった。

「おいおい!!ここはどこなんだ???」
小太郎が銀次郎に声をかけた。

「ほんとだね。。。こんな綺麗な光景は見たことがないし、あの水の底でユラユラと優雅に泳いでるのはいったいなんなんだろうな。。。??」
銀次郎も驚きを隠せないでいた。

「日出夫ちゃん↑はなんか知らないの??」
花子が見上げて日出夫に聞いた。

「そうね~~。。ここは来たことがないけど、、、あの人たちはどっかで見たことがあるような気がするのよね。。。♡」
日出夫が思い出そうと右上を見ながら考えた。

「とりあえず、聞いてみようよ。」
銀次郎がそう言って、その湖に近づいて行って岩の上に横たわっている人に近づいて行った。

岩の上には、下半身はオタマジャクシのような姿をして、上半身はカエルような姿をした人が、こちらを背にして艶(なま)めかしく横たわっていた。

「もしかしたら、、、あれが噂に聞く、、、、人魚って奴なんじゃないか??」
小太郎が唾を飲みこみながら呟いた。

「あの~~すみませ~ん。。」
銀次郎が大きな声で声をかけた。

皆が、唾を飲みこんだ。
「ゴク!」

すると、
「えっ、、な~に??」
体を動かさず、上半身を捻じってこちらを向いて返答した。

「えっ!!背中は真っ黒いのに、腹は赤色と黒色をしている!」
「ちょ⤴⤴ ちょ⤴⤴ おしゃれ~!!!」
花子はその姿を見て、テンションがあがった。

「あの~~、、ここはどこなのでしょうか??」
「あと、あなたたちは誰なんでしょうか???」
銀次郎が大きな声で質問した。

「え~、、どこって言われてもね~~。。」
「ここは湧き水の湖で、あたしたちの住処だし、、、誰って言われもね、、あたしはアカハライモリの真矢だけど~~」
そう言って、少し困ったように答えた。

「へぇ~~アカハライモリって初めて見たよ!!!」
銀次郎が嬉しそうに言った。

「そうそう!!アカハライモリよ♡ アカハライモリ♡」
「いつも冬を越す時に朽ち木の中で見るから、水の中にいるところなんて見たことないから、わからなかったわーー♡」
日出夫が手を打って、思い出してすっきりした感じで言った。

「ところで、、、あなたたちはどこから来たの?」
「で、、あなたたちは、どなたなのかしら??」
真矢がこちらに体を向けて、赤色と黒色の腹をこちらに向けて、横たわったまま質問した。

「あっ!!私たちは、カエルでありまして!!」
「あっしはツチガエルの花子と申します!!以後、お見知りおきをよろしく頼み申し上げまする!!」
花子が緊張して、ビシッとして返答した。

ん??
花子の緊張している様を横目で見ながら銀次郎が皆を簡単に紹介した。

「へ~~。あなたたちはあの黒い建物のところに住んでいるカエルなのね。」
「あたしたちも冬はあそこの朽ち木のところで冬を越すのよっ♡」
真矢がふつうに答えたが、皆にはその様がとても艶めかしく見えた。

「あの~~、、お姉さまは、、、どうしてそんなに艶っぽいのでありますでしょうか??」
花子が緊張した状態で質問した。

「えっ!!そう??あたし、、、艶っぽい??」
真矢が突然の質問に少し驚いた。

「へい!!艶っぽいであります!!」
「その艶っぽさを教えて欲しいであります!!」
花子が真面目な顔で質問した。

何でこんな変な言葉を使っているのだろう~?
銀次郎と小太郎が花子を両脇から横目でじっと見ながら思った。

「まぁ、よくわからないけど。。。」
「せっかく来たんだから、、あたしの友達にも紹介するから、ゆっくりしていきなさいな♪ なんかわかったら教えたげるから♪」
真矢が声をかけた。

そして、真矢に呼ばれたアカハライモリたちが続々と水の中から上がって来て、銀次郎と小太郎もその美しい水の中に入って、皆で楽しそうに遊んだ。

日出夫と花子は水には入らず、岸で真矢と美肌談義をしていた。

「そういえば、この時期だけ生えているこのカワモズクがね~。。越冬開けの美肌には一番効くのよ♪」
真矢が、湖の岸の水の中に生えているカワモズクを指差して言った。

「あら?そうなの♡」
日出夫が嬉しそうに、それを取ろうとした時に、カワモズクのヌメリで滑ってしまって、尻もちをついた。

ドスン!!

その音と振動で頭の上で寝ていた与助が目を覚ました。

「えっ!!これはいったい???」
与助は見たことがないとても綺麗な湖で、見たことない人魚みたいな生き物と銀次郎と小太郎が楽しそうに水を掛け合って遊んでいる様子を見て思った。

あっ、、、、ここは天国か。。
寝ている間に、俺は死んでしまったのか。。

つづく

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