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妄想アマガエル日記(18)-8月22日(火)晴れ

「まったく、変なもん見てしまったな~」
雨がやみ、雲も晴れ、月明かりの中、トボトボと隙間に戻ろうと歩いていた。

「カエルは第2形態までということなのだろうな~。。。」
「しっかし、あのヒキガエル、遠目から見ても皮を脱いだらツルツルの皮膚になっていたな~。あれを美肌って言うんだろうな~」
「どうやって自分で皮を剥ぐんだろうな~」
そんなことを考えながら、来た道を戻っていると、後ろから与助が声をかけてきた。

「おっ、銀次郎じゃないか、どこ行っていたんだい?」
いつも通り、明るく笑顔で聞いてきた。

「あっ、与助くんじゃないか~。さっき、雨が降って来たから一緒にこの雑木林の奥に行こうと誘うとしたんだけど、隙間にいなかったね。」
そして、ブロックの孔で雨宿りをしていた時に見たことを説明しながら一緒にテクテクと歩いていた。

「なるほどな~ヒキガエルの脱皮を見たんだな~。」
ふつうに答えながら、話しを聞いて、銀次郎がカエルに第3形態なんてものがないことにようやく気付いてくれたようだったから、内心ほっとしていた。

「そのヒキガエルとは何か話したりしたのかい?」
与助が話しを変えようと質問した。

「いや、、、少し遠いところにいたし。こっちのことはたぶん気づいていなさそうだったし、何より大きくて少し怖くてね。。。」

「そうか~。俺もはじめてヒキガエルを見た時は驚いたな~。なんて言ったって、大きいし、体が赤色していてイボイボしてゴツゴツしていたし、体からなんか白いベタベタする液体だしていたしな~」
思い出しながら、話しをした。

「白いベタベタする液体ってなに?」
銀次郎が不思議そうに質問した。

「あれ、見なかった?なんか体から白くてなんかベタベタする液体だすんだよヒキガエルって。。」

「へぇ~、、そうなんだ。。」
銀次郎が見たヒキガエルはツルツルした皮膚で、風呂上りようなすっきりした顔をしていた。

「でさ~ その白いベタベタが付くとなかなか取れないんだよ~」
与助がさらに詳しく説明した。

「へぇ~、、ヒキガエルって、皮膚を剥いて、白いベタベタする液体も出すんだ~」

「ん?もしかして、その白いベタベタって、美容パックなんじゃないの?」
「ヒキガエルって、、、皮膚を新しくしてツルツルにしたり、パックしたりして、、、美肌に熱心なカエルなんだな~」
銀次郎が真剣な顔で、つぶやいた。

「そうかな~」
与助がヒキガエルの姿を想像しながら、返事をした。

そして、また困ってしまっていた。
「コイツは何で、こんな変なことばっかり考えるんだろうな~。。。」
「第3形態が解決したと思ったら、今度はヒキガエルが美肌に熱心だなんて、、あんなイボイボでゴツゴツした皮膚のカエルが美肌に熱心なわけないだろう~。まったく、なんて答えてあげればいいのか。。」

2匹のカエルが真剣な顔をして、帰路についた。

つづく