妄想アマガエル日記(71)-8月8日(木)晴れ
「オイオイ!俺のどこが見栄っ張りなんだ??」
干乾びていたツチガエルが与助に言ってきた。
「まぁ、そう思ったんだからいいじゃない。あと、助かったんだしさ~」
「じゃ!」
そう言って、先を進もうとした。
「おい、ちょっと待てよ。なんなんだよ、、、その言いぐさは、、、」
「ところで、お前はここの出方を知っているのか?」
「まぁね。。。教えて貰ったからね。」
「それを早く言ってくれよ、、、」
「では、お供します!」
「・・・・まぁ、勝手にしてくれよ。」
与助は頭を掻いた。
与助を先頭に、銀次郎、小太郎、花子、日出夫、そして助けた変なカエル3人が後を付いて進んだ。
ペタペタ
穴の中はカエルの歩く音だけがこだました。穴の先には小さな光が漏れていて、出口が近いことがわかった。
ペタペタ
まったく、、、真矢さんはなんであんな変な奴ばっかり好きになったんだろうな~、、
ナルシストのトノサマガエル、偉そうな黄色いアマガエル、そして、見栄っ張りのツチガエルか~、、、
与助は一番後ろについてくる3人のカエルをちらっと見て思った。
まぁでも、外に出たらアイツらにもう会うこともないから、、まぁいっか。と思っていた。
ペタペタ
出口が見えてきた。
そこは、木の根がコンクリートを割っていて、木の根とコンクリートの間に日出夫が通れるくらいの隙間が出来ていた。
「やっと出られるぞーーーー」
そう言って、与助が嬉しそうに後ろを振り向いた。
タッタッタッ
一番後ろを歩いていた3人のカエルが与助を追い越して、その穴から我先に出ようと走っていった。
タッタッタッ
あらーーー、そんな走らなくても、出られるだろうに、、
与助はその3人の後ろ姿を見て思っていた。
穴から3人のカエルが勢いよく飛び出し、光の中に消えて行った。
「せっかちなもんだね~。。」
銀次郎が先頭を歩く与助に呟いた。
「ほんとだよな~。」
与助も頷いた。
その瞬間、穴の先から
「ギャーーーーー」
という声が聞こえた。
「え??アイツらどうしたんだ??」
みんなで急いで出口に近づき、穴の外を見た。
「えっ!!」
つづく