妄想アマガエル日記(60)-6月11日(火)晴れ
ユサッ、、ユサッ、、
ほどよいゆれと柔らかい皮膚とコブの感触、そして大きな体からわずかに伝わる温かさ。越冬からあけてすぐに変な踊りを踊り続けて疲れていたため、揺り籠のようにとても気持ちよく、深く眠りについていた。
スピ~ スピ~、、、
ドスン!!
気持ちよく、深く眠りについていた与助はその音と振動で目を覚ました。
「ハッ!!!」
「なんだ?? あっ、、、寝ていたのか。。。」
あまりに深く寝ていたので、寝ていたことさえ気づいていなかった。
「いや~~、、日出夫ぉ~ごめんよ。。。俺はいつの間にか寝てしまっていたようだよ。。。」
そう言って、周囲を見渡した。
「えっ!!これはいったい???」
与助は目の前に広がる風景を見て、びっくりした。
遡ること1時間前-------------------------------------
「銀ちゃん、、、まだ着かないの~~??」
「私、、疲れたわよ、、、」
花子が先頭を歩く銀次郎に後ろから声をかけた。
「まぁまぁ、そろそろ着くと思うから、もう少し頑張ってよ。。」
銀次郎が申し訳なさそうに声をかけた。
「おい!銀次郎、、、さっきのところ、左だったんじゃないか??」
小太郎が先頭を歩く銀次郎に後ろから声をかけた。
「えっ??そう???」
「来た道はこっちだったと思うけどな~。。だって、ほら、木くずや落ち葉が落ちているでしょ。これは、花子ちゃんの部屋を作った時に僕らの穴からもって来た材料の残骸だと思うからさ~」
銀次郎が自信たっぷりに答えた。
「いやいや、こんなもんどこにでも落ちているだろ??」
「だって、木くず自体 穴の周囲で見つけて来たもんを取ってきただけじゃないか。」
小太郎が銀次郎を疑いながら言った。
「まぁまぁ、僕を信じてさ~。もう少しで着くような気がするんだよ!!」
銀次郎が自信たっぷりに答えた。
そのまま、トンネルを進んで行くと急な登り坂に差し掛かった。
「オイオイ!!銀次郎。坂なんて、こちら側になかったろ?」
「向うの出口の近くには緩やかな坂はあったけど。。」
小太郎が再び、銀次郎を疑って言った。
「まぁまぁ、、、ちょっと通らなかった間にモグラが穴を少し変えたんでしょ。」
「方向はこっちで合っているから、もう少しで着くよ!!」
銀次郎の自信はゆらがない。
「お前のその自信はいったいどこから出てくるんだよ。。いつものことだけど。。。」
小太郎が呆れて、呟いた。
しばらく歩いて行くと、トンネルの出口が見えて、光が射しこんでいた。
「おい!!銀次郎!!やっぱり、全然違う方向に来たじゃね~か~。」
「俺たちの穴じゃないところじゃね~かよ。。」
小太郎が出口の光を指差して言った。
「ほんとだね~。。。まぁ、とりあえず、出てみようよ。」
銀次郎が頭をポリポリ掻きながら進んだ。
銀次郎が穴の出口に差し掛かり、その黒い影が外に出て、続いてみんなも外に出た。
「えっ!!」
皆が驚いた。
「ここはいったい、、どこなんだ???見たことないぞ、、こんなところ。。。そして、あのカエルみたいな、カエルじゃないみたいなのは、なんなんだ??」
小太郎が呟いた。
つづく。
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