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妄想アマガエル日記(6)-7月19日(水)くもり

一昨日の夕方から昨日の明け方までの大冒険の影響で、脚が筋肉痛になってしまったので、昨日の朝から今日までずっとこの朽ち木の隙間でゆっくりしていた。

ただ、その間、私にとってとても大変なことがあった。

昨日の朝、大冒険の末にいつの間にかこの朽ち木に戻ってきてしまった私は、この隙間でじっとしていた。
ふと、右手を見ると手の甲が茶色になっているのに気づいた。

「ん?いつも手は緑色をしていたのに、なんで茶色になっているんだ?」
はじめてのことだったので驚いたが、大冒険のせいで少し疲れているからだろうと思った。そこで、少し寝ることにした。

どれくらい寝たことだろう。大冒険のせいもあって、昼過ぎまで寝てしまっていた。
「そういえば、寝る前に見た手の色はどうなっただろうか、、?」
「あれ?まだ茶色いままだ!」
「どうしてしまったんだ!」

そこで、首をよじって見える範囲の脚や肩を見てみた。
すると、見える範囲すべてが茶色くなっていた。
「なんてことだ!! あの綺麗な緑色はどうしてしまったんだ!」

それから、自暴自棄になった私は草むらを彷徨い歩いた。

「私は、なんか大変な病気になってしまったんだ!」
草むらの中にいるアマガエルは皆、緑色をしている。
「私だけが茶色だ。」
「たぶん、このまま黒くなって、死んでしまうんだ」

ふらふらと彷徨い歩き、疲れた果てた私はいつもの朽ち木の隙間に戻ることにした。

そして、ふと 朽ち木の傍のコンクリートブロックを見ると、茶色いアマガエルが張り付いているのが見えた。
「アイツも私と同じ病気で茶色くなっているんだな。。。」

朽ち木の隙間に戻った私は、うつ向いて下を見ると手の甲が緑になっているのに気づいた。
「あれ?戻ってる!!」

そして、さっき見たコンクリートブロックにいたアマガエルも今はクズの葉の上にとまっていて、よく見るとさっきより少し緑色に変化してるように見えた。

「ん?もしかして、体の色が変わるのか?」
「さっき草むらを歩き回ったから、周りの色に合わせて体の色が緑色になったのかもしれない」

・・・・

「なんてスゴイ体なんだーーーーーーーーー」
「まるで、魔法使いではないかーーーーーーーー!!」

・・・・

「もしかしたら、口から火を吹いたり、指先からレーザー光線が出せたりするのかもしれない!!」

それから、一晩中、火を吹いたり、レーザー光線を出そうとしたり、思いつく限りの可能性を試してみた。

けれど、さすがに色が変わる以外は、できそうになかった。

だが、まだわからない。もしかしたら、その内、空を飛んだりできるようになるかもしれない。。

自分の能力が恐ろしい。。

つづく