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妄想アマガエル日記(16)-8月16日(水)くもり~アマガエル与助編~

今日は雲で日が遮られて、とても涼しい。

こんな日は朝からゆっくり隙間を出て、朝のジョギングをするかのように餌を探して歩き回るのがいい。

運がいいことに、美味しそうなミミズが土の上を歩いていたので、それを少し追いかけて食べることができた。

「やっぱり、ミミズが一番美味しい!」

結構大きなミミズだったから、お腹がいっぱいになってしまった。
なので、あの居心地のいい隙間に戻ることにした。

「さて、お腹もいっぱいになったし、風も涼しい。こんな時は少し昼寝をするに限る!!」

ただ、我々カエルは寝る時は決まりがある。
まず、体の下に脚と手を縮める。そして、体をなるべく低くする。さらに、鼻を開いて、匂いをいつでも嗅げるようにする。くわえて、顎の下を常に動かして呼吸するのだが、その動きをなるべく小さく小刻みにする。
最後に、一番大事なのが「目を細くする」ことである。
目を完全に閉じることはしないのだ。でも、開けておくと寝れないから細くする。常に周りに敵がいるかもしれないから、いつ何時襲われるかもしれないから、目を細くは開けておくのだ。
これが、我らカエルが寝る時の決まりだ。

「さて、周りに敵がいないのかを少し確認してから、寝ることにしよう」
隙間から体を乗り出して、周りを見渡してみた。

すると、下の隙間からカエルの足がピーんと伸びて出ているのが見えた。

「おい、あれは何だ?」
「あそこは、銀次郎の隙間じゃないか!もしかしたら、アイツ食べられてしまって、脚だけ出ているんじゃないか!!」
心配になって、急いで下に降りて銀次郎の隙間を覗いてみた。

すると、、、
手足をピーんと伸ばしている銀次郎がいた。

「おい、お前そんなことして何してんだ?」
与助が隙間の上から頭を出して聞いた。

「おっ、与助くん。」
「いやね。。。もしかしたら手足がなくなって羽根が出るかもしれないから、今の内に手足をよく見たり、動かしておこうと思ってね。」
銀次郎が手足を伸ばしながら言った。

「ん?どういうこと?」
与助が不思議そうに聞いた。

「あ~。ちょうど君に聞こうと思っていたんだけどね。。。。オタマジャクシの時は水の中にいてヒレがあっただろ。そしてヒレがなくなって手足がでて陸にいるだろ。じゃ、次はさ、、、手足がなくなって羽根が出て空で暮らすんじゃないかと思うんだけど、、、合ってるよね?」
キラキラした目で与助を見ながら聞いてきた。

与助は困ってしまった。
羽根なんて生えるわけないし、、、これはもしかしたらまた俺を笑わそうとしているのかもしれない。。いや、でも今ここに来たのは偶然だ。
ん~いったい、俺は何て言ってあげたらいいのだろうか、、、?

「ね~、、、合ってるよね?」
銀次郎が再び聞いてきた。

「わかんない」
とだけ言って、自分の隙間に戻った。

「いったい、なんて言うのが正解だったんだろうか~」
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

目が覚めた。

つづく