企画展「蟲と草の糸」に関するツィート
2020年に開催した企画展「蟲と草の糸」を作る過程で気づいたことなどをツィートしたものです。この企画展では節足動物（昆虫、甲殻、鋏角、多足類）と植物の糸について紹介しました。
次回企画展『蟲と草の糸』
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 24, 2020
◎会期：12/11(金）～3/23（日）
◎場所：常設展示室内
◎内容：蟲（節足動物）と草の糸について実物主体で紹介。 https://t.co/hQzvQ1dmVG
当館の敷地の裏の木々にはヒモミノガの蓑が無数にあります。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 22, 2020
これまで、この紐みたいなのは木の中にいる何かの幼虫の糞か何かかと思ってましたけど、小さなミノムシの巣のようで、先端に体長3mmくらいの幼虫がいます。
この企画展では蟲の糸を通じて、これまで知らなかったことを色々知ります。 pic.twitter.com/dNr7tx09Lt
カニムシは落ち葉の下や樹皮の裏、海岸の岩の隙間などに生息している小さなサソリみたいな生き物です（写真①）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 27, 2020
この生き物は鋏角と呼ばれる一番前の付属肢の先端から糸を出して（③）、自分一人が入れる巣を作ります（②）。その中で脱皮したり、産卵したりします。 pic.twitter.com/B0GCkujsDr
トビケラは種によって巣の形が様々で、落ち葉を合わせたのもいれば、筒状に石をつけたのもいます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 27, 2020
そして、カタツムリみたいに螺旋に石をつけた巣のもいます。その名もカタツムリトビケラ（写真）。
案外どこにでもいるトビケラで、いつ見つけてもカタツムリみたいだな～と毎回嬉しくなります。 https://t.co/5GTrUZCdpF pic.twitter.com/4bH7wKNv17
カニムシの鋏角の先端にある糸を出す器官は種類によって違う形をしてて、種を区別する形質にもなります（写真①と②は別の種類）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 27, 2020
カニムシが糸で作った巣を拡大して見ると（③→④）、非常に繊細に編んでいるのがわかります。
カニムシの巣でマスクができたらいいのに、と思います。 https://t.co/2ZlArcIZKN pic.twitter.com/aFuAdvNeR9
アリジゴクは蛹になる時にお尻から糸を出して繭を作ります（写真①、②）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 29, 2020
糸はマルピーギ管という、どの昆虫も持っている主に尿を作る器官が変形した『絹糸腺』から肛門を通じて出糸されます（写真③、④のピンク色の突起）。
この繭には砂が付きます。 pic.twitter.com/pUDsSmehm6
アリジコクが糸を出すところはなかなか見れませんが、繭作りがうまくいかず、1か所だけ塞げなかったのがいて、その時に撮影されたのが下の映像です（松田真紀子さん撮影）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 29, 2020
お尻の肛門のところから絹糸腺が出て一生懸命糸出しているのがわかると思います。 https://t.co/nzrCSvPrIV pic.twitter.com/a1mgipnhyp
ジグモの巣を拡大して撮影すると非常に繊細な糸で作られていることがわかります（写真①→③巣の内側、④外側）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) November 29, 2020
同じように繊細なカニムシの巣に比べて糸がくねくねしているのが特徴です。
蟲の糸を調べないといけないけど、クモの口ってどんなだったけ？と気になりだしたので、口を調べてます。 https://t.co/90UMf7gw0M pic.twitter.com/nXrf5VR4yE
企画展のために蟲の糸が出るところや糸を作るところを調べてます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 2, 2020
昆虫は主に下唇とお尻、稀に前脚で、鋏角類は鋏角や触肢、腹部付属肢などと色々です。
他にも、貝類やナメクジ、コムカデと糸を出す生き物はいます。 pic.twitter.com/nJ5AgPCEL2
ガムシの雌は産卵の時に糸を出して卵を包みます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 3, 2020
糸を出す器官は生殖器の一部が変化したもので、2本の針のような形をしています。
でも、糸が出る先端部分を拡大しても糸が出る孔のようなのはないので、この先端の部分から染み出すように液を出して、それを伸ばして糸にするのかもしれません。 pic.twitter.com/6N16Z5u5Ob
鋏角類の糸を出す位置で憧れのクモであるヤマシログモが抜けてました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 4, 2020
ヤマシログモは口（正確には牙）から糸を放出して獲物を捕らえるクモとして知られています。
多くのクモが腹部で糸を作るのに、このクモは毒腺というふつう毒を作るところで糸を作るのだそうで、、
糸出すとこを見てみたい。 https://t.co/IGdSGUQX4O pic.twitter.com/armgjHonXa
クモの口は鋏角の根元の真ん中にあります（写真①）。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 4, 2020
鋏角の牙（②）から毒が出て獲物を殺しますが、鋏角類は顎が無いのでカマキリみたいに食べるわけでも、タガメみたいに体液を吸うわけでもありません。
まず、獲物を糸でグルグル巻いて消化酵素をかけてドロドロに溶かして、それを吸いこむのです pic.twitter.com/MpFmOx5Q2r
クモは網を作る時に各脚が調節します。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 4, 2020
第1脚は流し糸の位置の把握や粘着糸の間隔を測り、第2脚は放射糸の間隔を測り、粘着糸をかける時に体を支え、第3脚は網を張る時に体を支え、足場糸を切り、第4脚は放射糸・粘着糸の間隔を測り、糸を紡ぎ出し、糸を取り付けます。
それを踏まえて、ご覧ください pic.twitter.com/4ey6g1zY5b
クモが糸を紡ぎ、巣を作る時、脚の先の爪が重要な役割を果たします。この爪がないと巣を作ることはできないのです。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 4, 2020
爪は『上爪』、『下爪』、『副爪』とあって、糸は副爪の鋸歯に糸を引っ掛けて、下爪で抑えつけます。下爪の動かし方で糸を引っ張ったり、外したりできます。
＊ジョロウグモの第4脚 https://t.co/ysJ20TWixM pic.twitter.com/FRLuYqEviT
ジグモは袋状の巣を作って獲物が来るのを待ちます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 14, 2020
獲物が巣に触れると巣の中からガシッと掴んで、鋏角の牙で刺して毒で殺します。
その後、巣の中に獲物を引きずりこんでゆっくり食べます。
でも、巣に引きずりこむのは獲物の脚が引っかかったりして、なかなか大変なようです。 https://t.co/90UMf7gw0M pic.twitter.com/U1OjlQXi6Q
クモは瓶状腺など7種類の糸腺があって、それぞれが種類の違う糸を作ります。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 17, 2020
その中で個人的に一番好きなのは葡萄状腺です（写真②）。
葡萄状腺は中疣や後疣にあって卵嚢の外壁や餌を巻く捕帯、精液網、スタビリメンタムと多彩で異彩な役割があります。
切片で見ると束になっていて綺麗です。 https://t.co/Yia1h3c6Vi pic.twitter.com/BDfecLhbzM
スタビリメンタムというのは隠れ帯とか白帯とか呼ばれるクモが巣の真ん中あたりに作る装飾です。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 17, 2020
これの役割はよく知りませんが、自分を隠すためとか、紫外線で昆虫を集めるとか、色々とあるようです。成虫になると作らない種類もいます。 https://t.co/k1it3qI0gB pic.twitter.com/08Fu4ASBJZ
クモの糸は糸疣という付属肢にある7種類くらいの絹糸腺から出ます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 5, 2020
糸は、巣を作る枠糸や縦糸のような頑丈なものから、横糸のようにベタベタする糸、卵を包む繊細な糸、獲物を捕らえる大量の糸（写真）、糸を固定する接着剤のような糸まで多種多様で、使い分けます。
糸の太さも自在に変えれます。 pic.twitter.com/QtaEMMhV39
ガムシの糸がでる器官は雌の生殖器の基節が伸びたもので、普通は腹部に収納されてます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 6, 2020
この器官は生殖器の根元なので、そんなに動かないものだろうと思いながらなんとなく観察してたら、左右が別々に動かせるようで、、筋肉ついてるのか～
やっぱり、生殖器も付属肢の一部なんだな～と思いました。 https://t.co/lwwB29qohU pic.twitter.com/nUdO7DBTlU
バッタの仲間で糸出すのはコロギスだけで、木の上にいるので、あまり出会わないコオロギとキリギリスが合わさったような虫です。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 7, 2020
コロギスは下唇（写真②のピンク）から糸を出します。
同じように下唇から糸を出すガやトビケラは幼虫期しか出しませんが、コロギスは幼虫も成虫も糸を出します。 pic.twitter.com/VCNQT2jYnv
クモの糸の種類を説明するために模型を作っています。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 8, 2020
ジョロウグモの模様というのはプロレスラーのマスクみたいで奇抜なデザインなのが、改めてよくわかりました。 pic.twitter.com/zzYxvmdPJM
糸を調べるために、糸を集めないといけないので、糸巻き器を作って、糸を集めました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 9, 2020
とりあえず、100均で買ってきたカプチーノか何かを作るのを切って、木で枠を作って糸を集めてみました。
案外、効率よく集めることができました。 pic.twitter.com/kddUwGZlsn
ガの幼虫の口周りです。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 9, 2020
糸が出るのはどこでしょう？ pic.twitter.com/b0c2FpAUyH
生物の糸を調べるのには手こずりましたけど、どうにか、冬季企画展『蟲と草の糸』が出来ました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) December 9, 2020
この展示は、期間中に少しずつ改変していこうと思っていますので、もしよかったらご覧ください。
さて、次いこう。 https://t.co/eGXfllpK0f pic.twitter.com/Xzwb0mE2jx