見出し画像

この季節になると昼はセミが鳴き、夜はスズムシやマツムシが鳴いている。
そして、ジョロウグモが成長をはじめて次第に大きくなって、大きな巣を作るようになる。

そして、いつも思うことがある。
それは、いわゆる『本能』と呼ばれるものについてである。

というのは、セミにしてもスズムシにしても成虫になる頃には親はいないし、だれか教えてくれるわけでもないのに、種類によって同じメロディーで鳴く。また、クモは多くの種類が親が卵の保護・保育をするが、ジョロウグモは卵で越冬して春に孵化した時には既に親はいない。なのに、孵化するとどんなに小さなクモでも立派な巣を編みあげる。

どうして、そんなことができるのだろうか~?

例えば、自分に置き換えて考えてみると、「鼻くそがあって気になる→取りたい→人差し指で取る」ということは、教わらなくてもできるから本能と言われたらそうかもしれない。でも、鼻くそをほじるのと、「腹が減った→虫を食べたい→尻から糸が出る→よし複雑な巣を作ろう」となるだろうか?また、その巣が同じ種類は同じ形に作る。さらに、風が強い時と弱い時で巣の形を変えたり、バリアーをつけたりする。
いったい、どうやったらそんなことになるのだろうか?

例えば、ツクツクボウシしかいない森にアブラゼミの幼虫がいたとしよう。いつもツクツクボウシの鳴き声しか聞かずに育ったアブラゼミがツクツクボーシ♪と鳴くだろうか?いや、鳴かない。
では、どうやってこれらの生き物たちは、その種特有のメロディーであった巣であったり、生態をするのだろう?

それを考えれば、考えれるほどわけがわからなくなる。

親から何かの記憶が子に伝達されるのだろうか~?ミトコンドリアにでも記憶が入っていて、それが子に受け継がれるのか、、、別の次元に何か記憶のクラウドのようなものがあって、そこに記憶があるのだろうか?考えれば考えるほどわけがわからない。

特に、寄生バチの類の生態を知ると、なお一層わからなくなる。産卵するために、水に潜って水の中にいるトビケラの幼虫に卵を産む種類など、スゴイな~としか言いようがない。なぜ、そんなことができるのか?とか、なぜ、そんなことをするように成虫が記憶しているのか?まったくわからない。ふつうに生きていたら水の中のトビケラの幼虫なんて出会うことすらないのだから。。。

また、ヤゴから羽化したトンボが飛んで行く様をずっと観察していたことがあった。何を見ていたかというと、飛びはじめはまだ飛び方が下手なのかが気になったのだ。でも、すぐに巧みな飛び方をしていた。セミにしてもスズムシにしても、羽化直後は鳴き方が下手で次第に上手になるなんてことも観察している限りなさそうだ。なぜ、最初っから上手にできるのだろうか?

まぁ、そんなことを最近は朝夕涼しくなったので、散歩している時に考える。
そして、ツクツクボウシの幼虫は、成虫になったら鳴くであろうツクツクボーシ♪というメロディーを一人で土の中で口ずさんでいるのかもしれないな~、、などと、くだらないことを一人で妄想する。