見出し画像

妄想アマガエル日記(12)-8月3日(木)晴れ~アマガエル与助編~

「まったく、なんて汚い字なんだ!」
「どうやったらこんな汚い字が書けるんだ!」
あまりの汚い字で書かれた日記に、見るのを躊躇していた自分が馬鹿らしく思えてしまって、怒りに変わっていた。

「いや待てよ。。。」
「これは日記なのは間違いない。人に見られないために特殊な訓練をしたカエルが暗号で書いたものなのかもしれない」
あまりの汚い字にその意味がある可能性を感じてしまった。

そこで、改めてその日記を見ることにした。次は、暗号を解読する気持ちで読んでみようと思ったのだ。

「まず、この数字みたいなのはもしかしたら、、、何かを表す記号なのかもしれないな、、、」
数字ですら汚い字過ぎて、その形は何かに見えなくもなかったのである。

「数字の「7」に見えるけど、、、、もしかしたらこれは何か武器でも表しているかもしれない。。」
「いやまてよ。。その次の「月」のようにも見えるが、、、これは武器を持つ人を表しているのかもしれない」
見ればみるほど、文字と認識するよりも記号やイラストとして見えてくるのである。

「いやいや、これは日記帳なのは間違いない。やっぱり、これは文字なのかもしれないな。。」
さすがに自分でも考えが突飛すぎたと反省して文字の解読に取り組むことにした。

「やっぱり、7みたいに見えるのは数字の「7」でいいだろうし、その次のは「月」でいいだろうから、ここは「7月」でいいのだろう、、」

「でも、その次がまったく読めない。。数字にすら見えない」
7月ときたら次も数字が来て日にちを表すだろうけど、数字に見えないのである。

「なかなか難解だな~。やっぱり、これは特殊な訓練をしたカエルの暗号のような気もしてきたな、、」

「もしかしたら、逆さにして読むのかもしれない」
逆さにして読んでみたが、どうやら違うらしい。

「もしかしたら、あぶり出しのように下から火を当てたら何かが浮き上がって、この汚い文字のようなのが何かに見えるのかもしれない」
「ただ、こんなところに火なんてない。。。」

「難しい。。。いったいどうやったらこれを解読できるのだろうか~?」
疲れてゴロンと寝転んで天井を見上げていた。

すると、顔を覆うように入り口の方から、ぬっとアマガエルが顔を出してこの隙間を返して欲しいといったきた。

ただ、その時は大変驚いたが、どうやらあの日記の持ち主らしいこと、そして、なんだかいい奴っぽいことがわかったので、友達になることにした。

いろいろと話をしたが、この隙間は返さずには済んだし、日記を見たこともバレてなさそうだし、とりあえず、よかった。

「今度あったら、日記になんて書いてあったのか聞いてみよう。」
「あれはどんな特殊な訓練をして書いた暗号なのか、とても気になる。。」

つづく