妄想アマガエル日記(37)-11月11日(土)晴れ
「蛙第3形態計画(秘)」????
皆が顔を見合わせた。
「おい、、これは一体なんなんだ?」
「ちょっと、中を見てみようじゃないか!!」
与助が小太郎の手から取って言った。
「でも、これさっき中を見ようとめくってみたんだけどな、、ページの端が貼りついていて開くことができなかったんだ。」
小太郎が与助が持っている報告書の小口(背表紙の反対側)の部分を指差して言った。
「あっ、ほんとだ!!貼りついているね。。」
与助が試してから言った。
「じゃ、この貼りついていない上か下から見てみたらいいんじゃない?」
銀次郎が提案した。
「そうだな!」
与助がそう言って上の隙間から最初のページを覗くとそこには、文字やイラストが書いてあるのが見えたが、ちゃんと読むことはできなかった。しかし、かろうじて読める部分が見えた。
・・・アマガエルを食べやすい大きさに切って・・・
「え!!!!アマガエルを食べやすい大きさに切ってって書いてあるぞ!!!」
与助が怯えながら言った。
「え!!どういうことだい?日出夫は僕らを食べようとしているっていうのかい?」
銀次郎もビックリして与助を見て言った。
「これは、大変なことになったな、、、だから、俺は最初っからアイツはヤバい奴だって言ったんだ!!」
小太郎が大きな声で言った。
すると、その時入り口からの日差しを覆うように黒い影がヌッとでて日差しを遮った。そして、黒くて大きな大きな影が日差しを遮って、穴の中は暗くなった。
「・・・・・・」
3人は振り返り、その黒い大きな大きな影を見て声が出なくなってしまった。
日出夫が帰ってきた。
でも、まだ穴の奥にいるこちらの存在には気づいていない。
どうにか、ここから逃げなくていけない。。。
3人はアイコンタクトをした。
少しずつ、少しずつ、、音を立てずに暗い暗いトンネルの奥に進んだ。
少し進んだところで、銀次郎の体はナメクジの粘液が固まってきて次第に動けなくなってしまった。
「もうダメだ!!僕は歩けない。。。せめて君たちだけでも逃げてくれ。。。」
銀次郎が小さな声で言った。
「いやいや、何言っているんだ!!」
「俺がおぶっていくから大丈夫だ!」
与助が銀次郎を背に載せようとしたが、銀次郎の体が固まって背に載せることができなくなっていた。
「じゃ、2人で持っていこう!」
小太郎がそういうと銀次郎のぴ~んと伸びた脚を持った。
そして、与助が頭を持ち与助を先頭に1列になってトンネルを進むことにした。
「すまない。。。」
銀次郎が申し訳なさそうに小さな声で言った。
ようやくトンネルの奥に石の上に繋がる隙間が見えてきて、そこから光がトンネルの先を照らしていた。
「あの隙間から外に出られるぞ!!」
先頭を行く与助が嬉しそうに先を指差して言った。
その時、後ろの少し離れたところからノシッノシッと大きな生き物が歩く音が聞こえてきた。それは次第に近づいて来ていた。
「おいおい、、、日出夫が気づいて追ってきているんじゃないか??後ろの遠くからなんかでかい生き物の歩く音が聞こえてくるぞ!!!」
小太郎がその音に気付いて小さな声で言った。
「!!!大変だ、、あの隙間からの光に照らされると、ここにいることがバレてしまうぞ。。。。」
与助がそう言ってトンネルの脇の窪みを指差して
「ひとまず、あそこに隠れよう。」
小さな声で小太郎に言った。
3人はどうにかトンネルの脇の窪みに隠れた。
次第に大きな生き物の足音が大きくなってきた。
ノシッ ノシッ ノシッ
つづく。