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妄想アマガエル日記(59)-6月6日(木)晴れ

「まぁまぁ、、、二人とも、、落ち着いて・・」
与助が花子と日出夫の間に割り込んで仲裁をした。

すると、花子が
「えっ!!私は落ち着いているわよ!」
少し怒った感じで与助に言った。

そして、日出夫も
「そうよ♡、私もとっても落ち着いているわよ♡」
少し怒った感じで与助に言った。

「そうなのね。。」
与助が少し困ったようにオロオロしてしまった。

その様子を日出夫の頭の上から小太郎が見下ろして見ていた。
「まったく、花子も日出夫もどうしたんだい??」
「花子はさ~、、日出夫の頭に乗りたいんだろ??さっきみたいに鼻の先だとまた落ちるかもしれないから、代わってあげるからここに来なよ?」
花子に自分のいるところ指差して言った。

そして、日出夫に対して、
「いいだろ?日出夫。。。ダメなのかい??」
日出夫の左の耳に向けて聞いた。

「そりゃ、、小太郎ちゃんがそう言うんなら、私はそれでいいわよ、、♡」
日出夫が小太郎の言うことをしぶしぶ受け入れた。

一方、それを聞いた花子は、
「私は別にさぁ、、日出夫ちゃん↑の頭の上にそんなに乗りたいわけではないのよね。。。」と小太郎の腹をチラッと見ながらボソッと呟いた。

まったく、、、この小娘はやっぱり小太郎ちゃんの腹を狙っているのね。小太郎ちゃんの優しい申し出を断るなんて、、、まったく困った子だわね。
日出夫が花子を見ながら思った。

まったく、、、このでかガエルも他のカエルたちも、女心がわからないものね。。まったく困ったカエルたちだわね。
花子が日出夫とその上の小太郎を見ながら思った。

その皆の様子を先頭にいる銀次郎はニコニコしながら見ていた。
「まぁ、よくわからないけどさ~。日出夫の頭には与助が乗ってさ~、花子も小太郎も一緒に歩こうよ!」
突然、変な提案をしてきた。

「えっ!!なんで俺が日出夫の頭に乗るんだよ??別に俺は乗りたいなんて言ってないだろ??」
与助が突然の提案に驚いた。

「まぁまぁ、与助が日出夫の頭に乗れば、すべてが丸く収まるんだよ。あと、さっき筋肉痛が痛いってしきりに言っていたろ?」
銀次郎がニコニコしながら与助に言った。

「そうだな。じゃ、俺が降りるから、ここに来てみろよ!!」
小太郎が嬉しそうに言って、降り始めた。

「そうね。まだ与助ちゃんは乗ったことなかったわね?乗ってごらん?」
日出夫が小太郎が降りたのを確認してから、与助に背を向けて言った。

「ん~~、、まぁ、なんだかよくわからないけど、じゃ乗ってみるか。」
そう言って、日出夫の背中を登り始めた。

へ~~、、、ほんと、日出夫の背中って小さな山みたいなんだな~。。ゴツゴツしているし、デカいし、、、
少しずつ背中を登って頭の上までよじ登った。

「はーーーー、こりゃ高いもんだな!!」
「日出夫はいっつもこんな視点の景色を見ていたのか!!!」
与助が日出夫の頭の高さからの風景を見て感嘆した。

「スゴイだろ??」
小太郎が嬉しそうに言った。

「あ~~、こりゃスゴイ!!」
与助が嬉しそうに返事した。

そして、日出夫の頭に与助が乗った状態で、銀次郎、花子、日出夫、小太郎の順に穴の中を進んだ。

日出夫の頭に乗っている与助の目の先には自分の手のひらほどの大きさの一対の穴が、開いたり、閉じたりを繰り返していた。時折、そこから透明な風船の玉みたいなのができては弾けてを繰り返していた。それは、日出夫の鼻の穴だった。
それが気になった与助はずっと見ていた。

ヒクっヒクっ、ヒクっヒクっ、ピ~~パンっ!
ヒクっヒクっ、ヒクっヒクっ、ピ~~パンっ!

同じタイミングで開いたり、閉じたりを繰り返すその穴をずっと見ていると眠たくなってしまった。

そして、いつの間にか眠ってしまっていた。

いつも理知的に皆を先導していた与助が眠ってしまって、先頭を歩くのは銀次郎である。穴の中は暗く、通り慣れた穴でもない。

与助は寝てしまった。
スヤスヤ。。。

つづく。

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