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昨晩、NHKの「ダーウィンが来た!」という番組を見た。
大変素晴らしい内容だった。
だけど、あの内容だったら2時間は必要だった。たぶん、制作していた人たちが誰よりもそう悩んだのではないかと思った。テレビ番組を作る人たちは本当に色々なことに配慮して、大変な思いをして撮影して、編集して、素晴らしいと思う。だから、私はテレビ番組を敬意を持って拝見するようにしている。

この番組の予告編からある2点のことがとても気になっていた。

1点目は、高速で飛翔する昆虫の頭部の動きであった。

なぜ、それが気になっているのかと言えば、昔読んだ日高先生の本の中で「高速で飛翔するハエは周囲が見れるように高速で頭を前後に動かしている」と書いてあったから、ついにそれが見れると思っていたのだった。

自分でもスローカメラで飛んでいる昆虫の映像を撮ってみるけど、いくら撮影しても頭部を高速で前後に動かしてのは見たことがない。たぶん、私が使っている市販のカメラなんぞでは、その高速の頭の動きは捉えられないのかもしれないと諦めていたのであった。

だから、今回、世界最高のシステムで昆虫の飛翔のスローの映像が見れるというから楽しみにしていた。
でも、翅の動きはよく見れたけど、頭部の動きは見れなかった。

まぁ、そう都合よくはいかない。

2点目は、昆虫の蛹の中の気管の成長の仕方であった。

なぜ、これが知りたいのかと言えば、以前からどうにかしてカブトムシの蛹を透明にして、その中の成長の様子をリアルタイムで見たいと思っていたからであった。

蛹の皮を破ると体液に脂肪が混じって真っ白な液体として出てくるから、蛹をCTで撮って、3Dプリンターで蛹の透明なケース(皮膚)を作って、それにどうにかして蛹の液体を流し込んで、蛹が成虫になる過程をリアルタイムのCT写真じゃなくて、動画して見てみたいと思っていたのである。死なない程度に一瞬で凍らせてシャーベット状にしてさっと移してすぐ解凍したり、水の中などで浮遊させてさっと移したらどうにかなるのではないかと妄想していた。

ただ、そこで問題になるのが、蛹の体の中にある気管の配置である。
たぶん、神経や内臓などは体液の中にあるだろうから、移せると思うのだけど、気管だけはそうはいかない。

気管はこちら↓の映像のように蛹の体の中にあって、呼吸しないといけないのである。

気管さえ、ちゃんと移植できたら、皮膚は別に人工的なものでも問題ないだろうから、どうにかできるのではないかと思っていた。

でも、番組を見ていたけど、蛹の神経と筋肉と内臓はCTで見れたけど、気管の成長というのは見れなかった(幼虫の時とそんなに大きな変化がないのかもしれない)。

まぁ、そう都合よくはいかない。

蛹の体の中を標本として固定して、輪切りにする方法は自分で確立した↓

これを、成長の違う個体を何個体も標本にして観察したら、蛹の体の中の変化はなんとなく見ることができる(展示もできる)。
ただ、これは所詮、「死物」である。
どうにかして、躍動する蛹の体の中の変化をリアルタイムで映像として見てみたい(もちろん、クチクラを透明にする方法は今もいろいろと模索しているけど、未だにうまくいかない)。

いつか、高速で飛ぶハエの高速で前後に動く頭と蛹の変化を肉眼で見てみたいものである。

まぁ、そう都合よくはいかないだろうけど。