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何かの生物の発生や植物の花が咲く時期についてマスコミなどから問い合わせがあるときというのは、面白いものである1点をいつも聞かれる。

それは、「今年は例年に比べて早いですか?」である。

たぶん、早いと言って欲しいのかもしれないけど、長年見ていると少し早い年もあれば、遅い年もある、だから、なんとも答えに困る。

たぶん、気温が高い時期が続いたらホタルなどが発生が早くなると思うのかもしれないけど、ホタルやきのこなどを見ていると気温だけが彼らに影響をもたらすわけではない。

例えば、ゲンジボタルの幼虫が蛹になるために上陸するのはソメイヨシノが咲く頃である。だから、ソメイヨシノの開花が早かったら、ゲンジボタルの成虫が早く発生するかといえばそう簡単なことではない。なぜなら、彼らが上陸するためには雨が必要だからである。

いくら暑くて、積算温度が上陸に十分な温度を得られても、彼らは雨が降らないと上陸しない。しかも、昼に降ったのではダメなのである、夜に降らないといけない。
上陸しないと蛹になれない、蛹になれないと成虫にはなれないのである。

冬虫夏草などきのこを観察しても同じである。いくら暖かくても、雨が降らないと出て来ない。

そう考えると、生物やきのこなどを見ていると、気温ももちろん影響するけど、トリガーになる雨次第のような気がするのである。

また、元々南の方にいた生き物が北上するのはよく見聞きする。まぁ、それは季節風や海流の向きからもそうなる可能性は高いだろうと思う(暖かくてこれまでは生き残れなかったのが生き残れるようになったのもある)。ただ、いろいろな生き物を相手に調べていると、これまで北の方にしかいなかった生き物が南下している場合もある。ただ、そんな話しはあまり見聞きすることはない。

この世は不思議なことばかり。