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第21話 講義の仕方を模索する

学校や公民館、来館された団体などに対して、いろいろな講義をすることがあります。以前は、パソコンをプロジェクターや大型ディスプレイに繋いでパワーポイントで作ったスライドを予定通りスライドさせて写真や映像を主体で説明して、合間に実物を見せてまわるという方法をとっていました。

ただ、ここ数年、このやり方に飽きてきた、というか、しっくりこなくなってきました。それは、この方法でやれば無難にできるのですが、柔軟な説明ができないし、その場の空気に合わせることができないのです。

パワーポイントで作ったスライドは自在に順番を飛ばしたり、戻したりもできますが、どうにもその場の空気に合わせた、説明したいところの隅の隅に届かない。

そこで、少し前から学校などに出向いていくときは黒板やホワイトボードに絵を描きながら説明して、その都度実物を見せたり、触らせたりして話を進めることにしています。

ただ、このやり方は、対面の場合はいいのだけど、映像やオンラインの場合や人数が多い時はできないのです。

そこで、いろいろと試行錯誤することにしました。

当館はYouTubeをやっています(まぁ、見てくれる人は少ないけど、、)。これまでもずっとやっていて、現在300コンテンツくらい登録していますが、その大多数は限定公開といって、標本やテキストに配置したQRコードを読み取らないと見ることができないので、検索には引っかかりません。ただ、休館の期間があったので、せっかくだから一般向けの映像を作ることにしました。しかし、私自身が表に出るのは嫌なので、どうしたらいいのか考えました。また、撮影を手伝ってくれる人も編集を手伝ってくれる人もいないから、すべてを一人でやらないといけないし、他の作業もあるので、仕事の合間にあまり時間をかけずにやらないといけません。そう考えたら、手元だけを撮影する「目線」という方法だとできることに気づいたのです。

このやり方であれば、できるだろうと思って試しにいくつか撮影して、編集してみて、その時に気づいたことですが、この方法(目線を撮影する方法)を人数の多い時やオンラインの時の講義の際に応用できるのではないかと考えたのです。

そこで、また試行錯誤してみました。

まず、学校で講義するように絵を描きながら講義する方法を模索しました。
最初は、オンライン上のホワイトボードやタブレットのお絵描きソフトなどを試してみました。まぁ、絵は映像として出すことができました。ただ、ここで自分でも気づいていなかったことですが、私は説明する時に絵だけでなく、その絵の動きを手で説明していたのです(例えば、昆虫の歩き方や翅の動き方など)。

そのため、絵だけが映像やオンライン上で見せれても説明できないことがわかりました。

そこで、次にホワイトボードの前に立って、そのホワイトボードだけを撮影してみようと思いました。でも、どうやっても自分が映ります。これでは、意味がありません。

いろいろと考えた結果、手元だけが映る装置を作るしかないと気づき、すぐに作ってみました。そして、その装置にホワイトボードを置いて、描いた絵も 私の手も映るようにしたのです。その方法で作成したのが、『No. 10 ゲンジボタルの一生と体』です。

この映像↓

ただ、この映像を作って気づいたことですが、実物が見せれていないし、映像や写真などがないので、あまりよくありません。

そこで、次に映像と写真、そして実物と絵をどうにかして合体して説明してみようと思いました。そう考えて作った映像が、『No. 11 下関の自然史①』です。

この映像↓

この映像では、小型のプロジェクターで自在に映像などを投影しながら、イラストを描き、実物を見せて、私の手で身振り手振り説明することができました。(たぶん、この映像がそんな試行錯誤の試みをしているなんて、誰も思ってもくれないだろうけど)これで、ある程度やりたいことの下地ができたのです。

次に、いよいよ、人数の多い時の方法の模索することにしました。

そして、いろいろとやった結果、(結局、結構簡単な方法で)パソコンと手元を撮影するカメラを組み合わせて、それをスイッチで切り替えるだけで、私のやりたい映像や写真、イラスト、身振り手振り、実物を見せながら講義する方法が完成したのでした。

映像や写真、イラスト、身振り手振り、実物を見せながら講義する方法

これで、とりあえず、説明しやすくなりました。

ただ、飽きっぽい私は、すぐにこの方法に飽きて別な方法を模索するのでしょう。