見出し画像

いろいろな内容の観察会を毎月しているので、その過程ではその対象(主役)を何も知らない人に教えないといけない。

例えば、コムカデの観察会の時には、コムカデなんて見たこともない人にコムカデを実際に野外で見つけて、観察してもらわないといけないから、コムカデはこんな姿をしているんですよと講義室で説明してから、野外に出て探す。
そして、それを見つけたら、「ほら、これです。これがコムカデですよ。」と指差して見て貰えばいい。

また、ザトウムシの観察会の時には、ニホンアカザトウムシは触ると白い液体を体からだして、その匂いが正露丸とか絵具のような匂いがするんですよと講義室で説明してから、野外にでて探す。そして、それを見つけたら小さな瓶に入れて少し振ると、その匂いを出すから「ほら、これです。この匂いですよ。」と言って嗅いでもらえばいい。

さらに、川魚の観察会の時には、ドンコとカジカは一見すると似ているけど、カジカには鱗がないから触ると簡単にわかりますよと講義室で説明してから、野外に出て探す。そして、それを見つけたら、「ほら、これです。鱗がないですよ。」と言って、触ってもらえばいい。

ただ、厄介なのは、『音』の場合である。

鳴く虫の観察会の時などに、講義室で種類ごとの声を流して、これがアオマツムシで、これがエンマコオロギですよと説明して、何度か練習して覚えて貰って野外にでて探す。ただ、ここで難しいのが、見えるものであれば、「ほら、これです」と指差せばいい。匂いであれば、「ほら、この匂いです」と嗅がせればいい。触感であれば、「ほら、触ってみて」と触って貰えばいい。
でも、音というのは、「ほら、この音です」と伝えるのがとても難しい。それしか鳴いていなけばいいのだが、昆虫たちは思い思い鳴いているから、その中から特定の種類の音を指し示す必要があるのである。

だから、音を指し示す方法は、音で表現するしかない。だから、「ほら、このチンチロリン♪」と鳴いているのがマツムシですよ。とか、「ほら、あそこでガチャガチャガチャガチャ♪」鳴いているのがクツワムシですよと音を音で表現するしかない。

でも、「〇〇ですよ」といった直後に鳴いてくれないと確認してもらえないのだが、そんな時に限って鳴くのをやめてしまうことが多い(人が近づくと鳴かなくなる)。
「おいおい、、、鳴いてくれよ・・」と思ってしまう。

見えるものをレーザーポインターで指し示すように、音を何かで指差せたらと思うが、今のところ思いつかない。

やっぱり、私が彼らの鳴き声のモノマネが上手になるしかなさそうだ。