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妄想アマガエル日記(58)-5月29日(水)晴れ
「じゃぁ、またな~」
八助と六助と七助が大きく手を振って見送ってくれた。
「また会おうな~」
与助が振り向いて、3人に声をかけて手を振った。
他の皆もそれに合わせて、手を振った。
そのまま、暗い穴の奥に進んでいった。穴は下り坂になっていたので、穴に入って少し進むと穴の外の八助たちの姿は見えなくなってしまった。
「いや~~、別れは寂しいものだな~⤵」
小太郎がしみじみ言った。
「確かにな、、、特に小太郎はあの3人には特別な想いがあるようだしな。。。」
与助が振り返りながら一番後ろを歩く小太郎に声をかけた。
小太郎は一番最後まで手を振っていた。
「まぁ、確かにな、、、彼らがいなかったら、俺はとうの昔に死んでいただろうからな。。。。」
小太郎が少し遠くを見るように言った。
「まぁまぁ、、、小太郎ちゃんはそんなに寂しいのなら、、、あまり歩くのも嫌なんじゃないの?私の頭に乗って帰る?♡」
日出夫が寂しそうにトボトボ歩く小太郎に声をかけた。
「そうだな。。いいかい?」
小太郎が申し訳なさそうに、返事をした。
「もちろん♡ いいわよ♡」
日出夫が嬉しそうに返事をして、背中を向けた。
小太郎が慣れたように日出夫の背中のコブを足場にスルスルと登っていき、いつもの頭の上に腹をくっつけて座った。
そのまましばらく穴の奥に進んでいた。
一番先頭の歩く銀次郎に、後ろから花子が小声で声をかけた。
「あのさ~~。なんで小太郎ちゃんはさ~ 日出夫ちゃん↑の頭の上に乗っているの??」
「あ~。。それはね、、、あの大きな黒い建物に登る練習をしていた時に小太郎が高い所が怖くなっちゃってね。それで、日出夫の頭の上は高いでしょ。」
「だから、高い所に慣れるために、あそこに乗って、高いところに慣れる練習をしているんだよ!」
銀次郎が嬉しそうに教えてあげた。
「へ~~。。でもさぁ、日出夫ちゃん↑はさ~、なんか小太郎ちゃんの腹が頭にくっついていると気持ちよさそうな顔していない?」
「あれはなんでなの?」
花子がチラチラと後ろを振り返りながら小声で銀次郎に聞いた。
「あ~。。あれはね、、、、日出夫は小太郎の腹の柔らかさとか美肌な感じがとても好きでね。あ~やって自分の体のどこかに小太郎の腹が当たると気持ちいいみたいで喜ぶんだよ!」
またまた聞かれて嬉しそうに銀次郎が振り返りながら教えてあげた。
「へ~~。。。小太郎ちゃんのお腹って、、そんなに気持ちがいいんだ~」
花子がチラチラと小太郎の腹を見ながら独り言を言った。
しばらく進むと、花子が歩く速度を落とし、与助に抜かされ、日出夫の前まで下がった。
「日出夫ちゃん↑、、あのさ~私も頭の上に乗ってもいい?小太郎ちゃんの横あたりに。。」
後ろを振り返りながら、そして上を見上げながら花子が日出夫に聞いた。
「えっ!!どうしてあなたも乗りたいのよ?」
日出夫がびっくりして質問した。
「どんな高さなのか見てみたいしさ~。小太郎ちゃんの話し相手になってあげようかと思ってね。」
花子が小太郎の腹をちらっと見ながら言った。
その視線を日出夫は見逃さなかった。
この小娘、、、小太郎ちゃんの気持ちのいい腹を狙っているんじゃないの??
日出夫は花子がチラチラと視線を自分より上に逸らすのが気になってしまった。
「あなたも乗りたいのなら、まず小太郎ちゃんに降りて貰って、あなただけを乗せてあげるわ♡」
それを聞いた花子は
「いや、、、それはなんか小太郎ちゃんに悪いからさ~。2人くらい乗せれるでしょ?」
「私はピチピチのギャルだし、痩せてるしさぁ~」
花子が少し甘えた感じで答えてきた。
ん??この小娘、何を考えている?
やっぱり、小太郎ちゃんの腹ね。
「まぁ、2人乗せてもいいけどさ~。。あなたは鼻の上ね、小太郎ちゃんはいつも眼と眼の間の窪みに腹をくっつけて乗らないといけないから。」
日出夫が小太郎の腹に近づけまいと提案した。
ん??このでかガエル、なんか察しやがったな。
花子は瞬時に感じとった。
「オホホ、じゃ、それでいいですわよ♡」
花子がそう言って背中から登って日出夫の鼻の上に乗った。
「オホホ、どうかしら?高さはわかったかしら?」
「わかったんなら、もう降りてくださる?」
日出夫が鼻の上に乗った花子に声をかけた。
「もう少し、ここからの景色をみたいわ。オホホ」
花子はそう言って、少しずつ後ろに下がって、小太郎の腹を触ろうとした。
それに気づいた日出夫は、
ヘックショーーーーーーーーーーーン
大きなくしゃみをして、頭を下げて花子を地面になすりつけるようにして地面に置いた。
「あら??もういいのかしら??オホホ」
日出夫がわざとらしく、地面にいる花子に声をかけた。
「あら?まだまだこれからよ♡」
花子が悔しそうな顔がバレないように、笑顔を引きつらせて答えた。
「オイオイ!あの2人なんかバチバチじゃないか?」
与助が前を歩く銀次郎に声をかけた。
「そう??花子ちゃんは日出夫の頭に乗りたいのでしょ。」
銀次郎が呑気に答えた。
「いや、あれは″女と女の闘い“という奴だぞ!!」
与助がキリっとした顔で銀次郎に言った。
つづく。
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