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《pHとは?》

pHってなんでしょう?身近なものでよく酸性、中性、アルカリ性などの表示が目に止まります。作られた瞬間の蒸留水は中性ですが、直ぐに空気中の炭酸ガスが溶け込んで炭酸イオンが飽和状態となりpH5.6くらいの酸性になります(5.6は酸性雨の定義ですが、実際の酸性雨はpH5以下くらいが妥当でしょうか)。灰汁などのアルカリで固めた「こんにゃく」の苦味を取るのに酸を加えますが、どのくらいで入れると酸性になるかわかりません。そこで、pHという単位を決めて使っています。pHは「ピーエッチ」と呼びます。昔の呼び方ペーハーでも通じます。表記で注意するのは、pは小文字でHが大文字です。この点を間違う方がいますのでご注意ください。
 


水溶液のpHを知るには、手っ取り早い簡単な方法は、リトマス溶液を染み込ませてた試験紙、青色と赤色の二種のリトマス試験紙を用い色の変化でpHを調べます。酸性の場合は青色試験紙が赤色に、アルカリ性の場合赤色試験紙が青色に変わります。
リトマス試験紙を用いる方法は、どうしても個人差がでてきますので、読み取り誤差がなく簡便にpHを求めるために様々なpH自動測定器が開発されています。特にISFETCOMのpH計「S2K222」および「S2K333」は、最新のマイクロエレクトロンクス技術により開発されたISFET-pHセンサ方式ですので、従来の割れやすいガラス電極方式のような問題点がなく、堅牢で超小型を特徴とするpH計で、だれでも、どこでも、簡単に、安心して取り扱えるpH計となっております。
pHの定義は、水溶液中の水素イオン(H+)の濃度(活量ともいう)を表わす単位で、次の式で表します。
pH=-log 10(水素イオン濃度) (1)
例えば実際の水素イオン濃度は、【中性において10^ー7mol/L】、【0.1NのHClでは10^-1mol/L】、【1NのNaOHでは10^-14mol/L】というような表記となり、取扱いが煩雑になります。そこで簡便に扱うため、濃度の対数をとりマイナスの符号をつけpHの単位とします。この例ではそれぞれを【中性においてpH=7】、【0.1NのHClではp=1】、【1NのNaOHではpH=14】と表記します。ですからpHとは水溶液の酸性、アルカリ性の度合いを表す単位です。
pH計は、この水素イオン濃度を化学ポテンシャルとして電位差で測定するものです。JIS(日本工業規格)「JIS Z 8802-1986」のpH定義は、ガラス電極を用いた場合だけの「電位差測定法」なので時代遅れといえますが、ISFETセンサ方式も、この電位差測定法を用いています。
電位差測定法でpHを測定する場合、水素イオン濃度をpHセンサ単独で絶対値を測定することは出来ません。なんらかの比較電極との間で電気回路を構成して、はじめてその電位を測定できます。ISFETセンサは、水溶液と接するゲート絶縁膜上の界面での電気二重層でのポテンシャルを直接検知しています。ガラス電極の場合は、このような電気二重層ではなく、もっとブロードな親水膜層が複雑な反応機構で電位(電圧降下?)を測っています。このような違いが、ガラス電極での応答の遅さ、ISFETセンサの高速応答という差異になっているのです。ガラス電極は、応答が遅い、乾燥に弱い、さらにガラスが割れやすいなどの問題点としてありまして、誰でも簡単に使えるというものにはなっていません。 ISFETセンサと比較電極との組み合わせによる電位差測定法は、超小型で堅牢で、その上高速応答、乾燥に強いなどの特徴があり、だれでも、どこでも、安 心して取り扱うことができます。
ISFETのゲート絶縁膜上の界面で発生する起電力EとpHの関係は、次のネルンスト応答式で表されます。
E=-0.000198 T・pH (2)
ここでは絶対温度で(t℃+273.15)です。
上式(2)の0.0001983Tの値はNernst factorと呼ばれ、ゲート膜/溶液界面での発生電位とpHの直線関係の傾斜を表しています。この式を基本に温度センサで溶液の温度を測り温度補償を行って正確なpH値を算出します。ISFET-pH計「S2K222」および「S2K333」は、pHセンサと温度センサを同一チップ上に集積化しています。両方のセンサが同時に素早く温度に応答しますので、温度サーミスタを別に設けた他社のpH計と比べ誤動作や操作ミスを無くし快適なpH測定を提供しています。
最新のpH計S2K222で身近な溶液を測ってみましょう。代表的なサンプルのpH値を紹介します。


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