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メイキング・オブ・モータウンを観てきた

ネタバレしちゃいますので、まだ見てない人は気をつけて下さい。

『メイキング・オブ・モータウン』、梅田の映画館で観てきました。
9月18日から上映が始まったみたいで、私が観たのがど平日のお昼。
平日だしお昼だし、まずそもそもコロナだしそんなに来場者多くないかなとか思ってましたが、意外に幅広い年齢層の人たちが入ってました。



映画の内容的には『モータウンという会社はこんなことをしてきたよ!』っていう感じの映画。
公式パンフレットには、『2004年に公開(日本)された「永遠のモータウン」とは少し違う視点、運営サイドからモータウンを掘り下げてた最初で最後のドキュメンタリー映画だよ』みたいなことが書いてありました。
「永遠のモータウン」スタジオアーティストに焦点が当てられた映画みたいですね。機会があれば観てみたいですね。

【発掘、契約、養成】
ある程度想定内と言いますか、インターネットの恩恵を受けて調べたらいろんな話を見たり聞いたりできるので、アーティストが楽曲をリリースするまでの行程みたいなものは薄らと情報として入ってきてはいましたし、モータウンで踏まれていた行程もそこから大きく外れるような、奇を衒うようなものではないのかなと感じました。
ただその当時、モータウンでの品質管理会議で行われていた実際の音声議事録が聞けたり、裏でどういった動きがあったのか、関わっていた人たちの持ってた熱量みたいなものの一部が垣間見れたのは貴重だなぁと思いました。
それにマナー講師がいたことや、マーヴィン・ゲイのStubborn Kind Of Fellowは元々ジャズ調だったそうで、それを聴いたゴーディは「歌詞はいいがそれじゃあ売れない、もっとこうするべきだ。」とアドバイス、マーヴィン本人は「こんなのウケるわけない」と思いながらもゴーディの言う通りにしたものが今聞き馴染みのあるあの曲らしいです。

劇中でスティービー・ワンダーは、「ゴーディはポップを理解している。楽曲がポップだって言う意味じゃない。大衆に好まれる音楽、たくさんの人に愛されるものは何かをゴーディは理解しているんだ。」みたいなことを言ってました。
ちょっとニュアンス違うかもなんでその辺は映画見て下さい。


【音楽でお金を稼ぐということ】
お金に関してはそこまで詳細に触れられてないと思います。最初に親族から融資として800ドルを受けたという話は出てましたが。
ゴーディは商売として音楽を売るということに情熱を燃やしていたように見受けられました。
アーティストやプロデューサーは妥協のない良い楽曲の制作、それらの問題点や不安点を品質管理会議で洗い出し、ライブパフォーマンスやダンス、立ち振る舞いまでの徹底した育成、そしてライブやツアーを行い仲間内での競走を生み出していく。
このような組み立てラインで大きくなったと。

良いものを作れば売れる、お金はついてくるというところでしょうか。
当時の宣伝方法として、ラジオとテレビが有力だったとのことで、そこへの売り込みに力を注いでいたそうで、なんの役職だったか忘れましたがロシアンマフィア風の白人男性が役に立ったみたいな話してましたね。

ここでいうモータウン黄金期と今の時代とでは全くと言っていいほど環境が変わっていて、今では誰でもアーティストになれる時代ですから、全てが参考になるとは限りませんが、ゴーディの言っていることや実際に行ってきた行動に関しては、今の時代に応用が効くんじゃないかなぁと思ってます。

今は、アーティストもプロデューサーも何もかも兼任で、一家に一台どころか個人がPCを所有して、YouTubeで優秀なエンジニアのTipsを無料で見ることができてある程度高いクオリティの楽曲を制作することができますし、レーベルを通さなくてもTuneCoreのようなサービスを使用すれば、誰でも簡単に曲をリリースできてしまいますので、自分の判断で全て思いのままに出来る時代といいますか。

劇中にドクター・ドレーは「モータウンは、誰に縛られるわけでもなく、自由にやりたいことがやれたからここまで大きくなれたんだ。」みたいなことを言ってて、そういう意味では今の時代はすごくクリエイティブな時代なのかなと。

ただみんなのレベルが同じぐらいの基準にまで底上げされてるので、他と差別化を図るのが難しいというか、曲は良くて当たり前の時代でもあるのかなみたいな。

音楽はいろんなものが複雑に入り組んでるので、売れることを目標にすると少し大変そうですが、『メイキング・オブ・モータウン』を観て少し背筋を正されたような気がします。


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