オクトパストラベラープレイ感想
Misskeyに投稿したノートの転載です。
ネタバレ配慮は特にしていないので未プレイの人は、やろう!
結構前に買って積んでたタイトル。
何となくサイラス編から始めたけどここから始めて正解だった。弱点突くことがとんでもないアドバンテージだから、個人スキルで弱点分かるのがたいへんでかい。
ブーストシステムの存在や、アトラスダムの街の音楽がブレイブリーデフォルトを想起させるなと思ってたら同じ方が制作に関わってらっしゃるようで。一章時点で普通に敵が強いのもブレイブリーデフォルトを思い出させる。
適当にうろついていたらリプルタイドに着いたのでトレサを仲間にしたら買取りが楽しくて楽しくて。しかし金が瞬時に枯渇するので「盗めばいいのでは?」という思考に至り、真反対のボルダーフォールまでテリオン回収しに行くことを決めたのはなかなか邪悪だなと思いました。
盗むコマンドが相当優秀でして、3%を潜り抜ければクソ強装備もタダで盗めてしまうんですよね。まあやりましたよね、3%マラソン。
物理的にストッパーを置いていないゲームが大体こうなるんですけど、行けるところまで探索したくなる性分なもので…。ポケモン剣盾もワイルドエリアから一生出られなかった人類なので、レベル差がストッパーにならないんですよ。
オクトラもうっかりサイラストレサテリオンの3人だけでメインストーリー一切進めないまま街を全部巡って、上級ジョブも全部回収してしまったという。
このゲームの楽しいところは、やはり各地を巡る旅感と地元民(NPC)との交流だと思います。
NPCそれぞれに事情があって、フィールドコマンドでそれを知るのがめちゃくちゃ楽しいんですよ…。個人が抱えていた物事が、サブストーリーなんかで別の街の人に繋がっていくのを辿るのがほんと面白い…。
リプルタイドにいるおばあさんの持ち物に「形見のモリ」があって、それだけは非売品だったり(盗むことはできる≒手放す気はない)、後ろめたい過去や事情を持つ人は(体感)探るコマンドの成功率が低かったり。
印象的だったのは流れ着いた死体のサブストーリーです。
手にほくろのある男性という特徴お出しされて、いなくなった旦那さん探してる女の人いたよなぁと思い至り、どっか街に着いたらファストトラベルして奥さんに教えてあげようと思って行ったのが果ての河岸だったんですよ…。
一通り探索して盗みもやって。もっかい話しかけたんですよね、発見者の男性に。
そしたら手帳渡す選択肢が出てきたのでああこれがクリアのトリガーだったのかと思い、建てられたお墓を奥さんに教えてあげようと思って心当たりある街いくつか周ってもそれらしき人が見つからない。
この人じゃなかったっけー??って人がどうも台詞が変わってるような気がして、気になってググったんですよ…。
私、奥さんを旦那さんに会わせてあげたかったです…。せめて…せめて墓を教えさせてくれ…頼む…。
いや奥さんずっと旦那さんを待ち続けることになるんですよね…?死んだ(おそらく殺された)ことも知らず…。あまりにも…あまりにも不憫じゃないか…。教えさせてくれよ…。
セーブしてしまったのでやり直すこともできないんですが、これがすごい心残りで。自身の選択の結果がダイレクトに返ってきて、やり直しもできないというのが個人的にすごい刺さったイベントでした。
死んでいるならまだ生きているかもしれないという希望を与えておいた方がいいのだろうか?もしかすると手帳ルートだと死んだのは旦那さんじゃなかったとかいうこともあるのだろうかとか色々考えてしまったんですが、奥さんの表示名が未亡人になっていることに気付いて無事に絶命しました。
メインストーリーをクリアした所感としては、個人的にはサイラス編というかサイラスが至った結論がめちゃくちゃ好きです。
サイラス編の本編自体は薄味で、4章ボスを倒した段階ではそないに刺さらなかったんですが、続きがね…ほんと刺さりまくったんですよね…。
サイラス編は人間模様よりも『究明』にスポットが当てられているのですが、4章における「探る」コマンドの使い方が非常に心地良い。
幼少期のアーフェンがグラムに「聞き出す」時もうまいなぁと思い、塞ぎ込むリアナを前にした時は「導く」んだな!今ここで…!と気付いて心地良かったのですが、知識を手に真相を「探る」のはもう本!「探る」していいのか!?壁画!「探る」していいのか!?とドキドキしましたよね。いやまさか探らせてくれると思ってなかったので…。
サイラスのフィールドコマンドが何故、『尋ねる』等ではなく「探る」なのか、ここに意味が現れている。そのことに思い至った瞬間の気持ち良さったらないですよね…。真実へと至ろうとする彼の隣で、プレイヤーもまた一つの気付きを得るんですよ…。
そうして至った真実。人類の手に余る危険な知識を記した本を「燃やそう」と考えてすぐさま「いずれ誰かがこの知識に至る」と思い直し、「この知識が厄災を齎した際に抑止できる方法を見つけ、後生に残そう」と自らが礎となることを躊躇うことなく選べることが凄いんですよ。もうこの瞬間に脳から汁が溢れて死ぬかと思った。
彼自身、知識を収集し探求することに貪欲で、謎を解き明かさずにはいられない人物なのですが、それでも生涯を捧げても見付かるか分からないものを後生の人類のために「探る」ことを即決するのって人間が好きじゃなきゃできないんですよ。
私自身、プレイしながらサイラスって人間好きだよなぁと感じていたんですよね。そこでルシアとの会話で「貴女ほど人間に絶望していない」といった言葉が出てきて驚いたんですよ。
彼自身、少なからず人間に失望していたのだろうかと思いまして。学長のような思想の異が積み重なったのか、それとも己と他者の思考の次元か。うわーーー知りてーーー!!!と思ったけどここは掘り下げられないのだろうな。
そんな中でお出しされたこの結論で、「お前人間めちゃくちゃ大好きやないかーーーーー!!!!!」ってなったんですよね…。
人間に対して失望は少なからずある、だが人間は好きだ。これ、成り立つんですよ。
個人的な考えですが、サイラスって「人類の営み、延いては人間という生き物」が好きだと思っているんですよね。
彼は知識を媒体として『未知を知り、後世に受け継ぐ』という人類の営みに触れ、人間という生き物の歴史と可能性を好ましく思っているのではと。
だからこそ彼もまた、その営みに加わることを即断できたのではないかなぁと。
本当に先生の学者であり教師という立場は天職なのだろうなぁ。
メインストーリーをクリアした後にもまだイベントは用意されていて。関係者達の「その後」イベントってめっちゃ良いですよね…。「その後」がお出しされるの、メインディッシュを平らげた後にそっとお出しされるデザートって感じですごい好きなんですよ。世界をもう少しだけ広げてもらえる望外の幸せというか。まだ…まだこのゲームしゃぶっても許されるのか!!???みたいな…。
そして始まる終わりのサブイベ。
クリア後のボスって基本的にやりこみ要素になると思うんですが、サブイベのタイトルの時点で良いんですよ。「旅の果て」というタイトルが示す通り、おまけではなくこのサブイベ含めてオクトラというか、このサブイベを終えてようやくこのオクトラという旅が一つの終着点へと辿り着くんですよね。
黒き魂を倒すことで閲覧できる手記を読み進めていくごとに、事件の背景や人物関係、そして赤目の正体が読み取れるようになっていくことにゾクゾクとしました。
メインストーリークリアした段階で、あらすじを一通り読み返してうわアーフェン編とトレサ編にこんな繋がりがあったんか!と思っていたんですが、まさかこの人物がここまで深く関わってくるとは思っていませんでした。
とんでもない重要人物であり、そして悲劇の人でもあるのだろうな…。ハンイット編でハンイットが覚えた違和感が、どんどん生々しくなっていくという…。
フィニスの門を閉じてようやくこの長い旅路の果てへと辿り着くのですが、旅は終わりではなくそれぞれの旅はこれからも続いていく。あくまでオクトラとしての旅の終着点に辿り着いただけである。
そうして貰える物がシャットアウトリボンっていうのがすげぇ味わい深くていいですよね…。
ラスボス倒した後の状況では、エンカしなくなるという効果はもう完全におまけ要素なんですよね。トロフィー的なアイテムにあたるのでしょうが、このエンカしないという効果が個人的に凄くいいなぁと思いまして。
私自身、景色を見て回るのが楽しくて、あまりファストトラベルを使わずに歩いて各地を巡っていたので余計に思うんでしょうけど、このゲーム「旅」の部分がとても面白いんですよ。
だからこそ、エンカ気にせずじっくり各地を旅して回ってね!っていうメッセージというか心遣いなのかなぁと感じたんですよね。
このオクトラというゲームのクリア後に渡されるおまけとしてはもうこの上ないものだと思いました。
何というかこのオクトラというゲーム、そういう「語られない思惑」のようなものが随所に感じられて、私の感性にズバズバ刺さるんですよね。
NPCそれぞれに設けられた設定や持ち物、盗賊を倒すと寂しい財布を落としたり。気付くと楽しい要素がすげぇ散りばめられていて、とても大事に作られた感じがしてすげぇ好きなんですよ…。
鈍器本の設定資料集が大好きな人類としてはとても楽しくプレイできたゲームでした。とても面白かったです。
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