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夫の借金29,035,436円と私⑪

第十一話  算数できますか?

司法書士に相談に行った私たちは債務整理をすることに決め、さっそくその月の月末から返済が始まりました。
任意整理とは、複数あるカードローンの債務の利息分をカットし、その代わり3年から5年の短期で返済するというもの。

夫の借金は11,351,393円あり、最低でも全部返済するのに5年はかかります。
まるで5年の懲役刑をくらったかのような心の重さです。

貸金法では年収の30パーセントしかキャッシングをできないと定められているそうです。
これは、消費者金融の利息があまりに高いため、これ以上のキャッシングは経済的に破綻をきたす恐れがあるため規制されたのだそうです。
ただ、リボ払いなどの商品購入は別で、これは限度額ギリギリまでショッピングできるのだそうです。

私の夫は、まさにギリギリまでショッピングした人間なのです。

夫は計6社からキャッシング、リボ払いなどの借金をしていましたが、そのうち消費者金融系のカードの年利は平均18パーセントです。

8社のうち銀行系の住信SBIも年利は5.5% 楽天銀行は8%です。
住信SBIの借金は460万円であり、年間の利息は23万です。
楽天銀行の借金は2,289,446円であり、年間の利息は役18万です。
残り6社の年間利息は、約80万です。

借金の元本+合計で年間121万もの利息・・・

その金額は、返済しない限り日割りで増えていくのです。
まるで体内に巣食うがん細胞のように、じわじわと広がっていき、やがては経済的破綻を招く・・

よくリボ払いやカードキャッシング地獄に陥ってしまった人の体験談で
「返しても返しても借金が減らない・・・」と嘆いていますが
あたりまえではないですか。
夫も含め、彼らは算数を習わなかったのでしょうか?

毎月払う額が定額で良いため、感覚が麻痺してしまう、などの言い訳は通用しません。
このべらぼうな利率を見た時点で、借金が雪だるま式に増え、返せなくなるのは目に見えています。

結局、借金の恐怖より、物欲が勝ってしまうのでしょうね。


積み立て型の保険約200万を解約し、その他の貯金と合わせて、まず楽天銀行の債務を完済しました。
債務が一つ減った事で少し心が軽くなりましたが、それにしても老後のためにとコツコツ積み立ててきた保険を、こんなことに使うなんて・・・
お金をドブに捨てたも同然ですね。
あまりの虚しさに、幽体離脱しそうになりました。

住信SBIの460万は、毎月4万、ボーナス時に50万繰り上げ返済することで、なんとか5年以内には返済できれば、と思っています。

こうして書いていても怒りと悔しさが湧きあがってきます。

50面下げて、借金の返済に奔走することになるなんて・・・

借金を返済し終わる頃には50も半ば過ぎ、体力のあるうちに、色々な所に二人で旅行したいと思っていたのに、当分それもできそうにありません。

5年と言う時間を奪われたようで、悔しいのです。

今回私は、1円たりとも肩代わりしたくありません。
でも、生活費などのしわ寄せは、結局私が負うことになるのです。

今年のお正月は、本当に寂しく簡素なものでした。
お正月のご馳走などはほとんど用意せず、まさに通常運転です。
外食もお出掛けもできません。

住宅ローンを払いながら、毎月14万もの返済・・・
5年間は借金と並走しなくてはなりません。








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