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ヴィンデミアトリックス

胸に刺さる恋の影
あなたを独り占めしたい
自由なあなたの片腕くらいは
私の両手で掴みたい

輝くあなたの横顔に そんなこと言えるはずもなく

ぶどうを摘もうか
一房、一粒、一滴
富める豊かさに乙女は喜びを巡らす
風に乗る蠱惑の歌声に
人々は心奪われる

熟したワインと踊り踊って
さよならも忘れて愛らしく
大勢じゃなくてあなたがいい
のぼせた恋心を私にください


喉にかかる恋の闇
あなたと二人で居たい
自由に貴女と翼を広げて
空の彼方へ飛んで行きたい

ときめくあなたの笑顔に そんなこと言えたら良いのにな

果汁に濡れたあなたの唇で
そっと私に触れて欲しい なんて
デーツよりも甘い口づけを求めてしまう

惑う心に乙女は困り果てて
それでも隣にいることを止められず
彼が傍に居てくれる答えには目もくれず

ぶどうを摘もうか
一房、一粒、一滴
富める豊かさに乙女は喜びを巡らす
風に乗る蠱惑の歌声に
人々は心奪われる

酔いしれたワインにまだ踊らされ
さよならに怯えてまた呑んで
沢山じゃなくて一度でいい
あなたの愛してるを私にください

やっぱり、もう一度


信じて欲しい あなたは私の春


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