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toyoca。

39歳。NFT creator toyoca。

派遣で医薬品分析の会社で見積もり作ったり請求書作ったりの事務をしながら、夜と休日はだいたい絵を描く。

39歳。今年7月半ばにNFTを始めた。来年6月で、40歳。40歳を目前に、なんという人生の転機なんだろうと、常々思う。

幼少期。

京都に生まれ育つ。アトピーがひどくイライラしていたのか、大変扱いづらい、よく癇癪を起こす子どもだったそう。育児ノイローゼだった母に京都伏見に流れる山科川の河川敷でベビーカーごと捨てられそうになり、姉に「とよかちゃんも連れて帰ってあげて!」と助けられたそう。なんてこった。山科川という名前は若干トラウマ。幼稚園で「11匹のねこ」の絵を描いて、なんかのコンテストで賞をもらった。当然、てんぐになった。

てんぐのとよか

小学生。

ずっと絵を描いていた。「かわいい女の子の絵」ばかり描いていた。ショートヘアで、負けず嫌いで、泣くのも女の子らしいと思われるのも恥ずかしくて、とっても気が強かった。でも描くものはずっと変わらず「かわいい女の子の絵」だった。

中学生。

ずっと絵を描いていた。「かわいい女の子の絵」ばかり描いていた。アトピーが1番キツい時期で、見られたくないしおしゃれも恥ずかしい、ストレスに弱い虚弱。暗くて他校との交流会でも覚えてもらえていない、地味な子。クラスの文集のさまざまなランキングで、「将来趣味に生きてそうな人」ランキングにのみ3位入賞。みんな、見る目あるね!正解!

高校生。

ずっと絵を描いてた。「かわいい女の子の絵」ばかり描いていた。入学前にガッツリ治療してピカピカの肌で知り合いがいない高校に入学。無事高校デビュー。おしゃれにも目覚めた。ロングヘアにもしたし、突然バッサリ切って隣のクラスにまで噂になったりした。でもずっと目立たない生き方をしてきたから、人見知りだった。美術部に入るも、年1回しか行かず。

短大。

美大だったのでずっと絵を描いてた。現代アートを学ぶ学科で油絵描いたり写真撮ったり。アートについて深く語れる人たちがたくさんいて、毎日楽しかった。「かわいい女の子の絵」も描いていたけれど、隠すようになっていた。沢山すごいアートを見たせいで「かわいい女の子の絵」はアートとして消化できないでいたし、恥ずかしさを感じていた。卒業制作の合評で先生に「君の絵は写真に撮るとカッコいいのに生で見ると大したことないね」と言われ、なけなしの自己肯定感粉砕。

100号縦3枚の油絵

20歳。絵は描かなくなった。

おしゃれが好きでヘアモデルもした。素敵な服が着たい。映画たくさん観たい。ライブに行きたい。海外旅行したい。美味しいもの食べたい。興味の先に「かわいい女の子の絵」は消えていった。フリーターで古着屋でも働き、交友関係は華やかになった。女社長、人気古着屋の店員、フリーカメラマン、おしゃれ職業、etc……な、自己肯定感つよつよな方達に囲まれ、反比例するように自己肯定感は下がっていった。

ガラケー時代の画質激悪、売れない販売員とよか

20代中盤から30代中盤。

絵は描かない。印刷会社やデザイン会社で働いているのに隠していた。どこでも全力で働いて評価がピークの時にパッタリ倒れるを繰り返してデザイン業界から足を洗った。向いてない……!

旅先で絵を買うのは好きだった

37歳。

2021年2月にiPad ProとApple Pencilを買った。ずっと絵を描いていないのに。インスタで見かけた美しい絵の制作動画に心を動かされた。あのラインをわたしも引きたい、と。なのに、しばらく「かわいい女の子の絵」は描かなかったし、夫にも描けることを隠していた。多分自分の芯になるのが絵で、それを否定や茶化されるのが怖かったのだと思う。自己肯定感が空っぽだったから、外見や軽い趣味で取り繕うのが簡単なもので、否定されてもダメージが軽いもので満たしていた。

しばらくは資格の勉強に使ったり、キャラもの描けないくせにLINEスタンプを作ってみてiPadである意味を見つけようとしたりしていたけれど、徐々にスケッチやファッション雑誌を参考に「かわいい女の子の絵」を再開。

38歳。

2021年8月になってすぐ夫がコロナになり、看病の傍ら自分の隔離生活も始まった。いよいよすることがなくなり、toyocaとしてイラスト掲載用Instagramを開始。当時は濃厚接触者の隔離期間も2週間と長く、自宅待機中の1ヶ月はほぼ毎日絵を描いていた。

記念すべき一枚目

39歳。

2022年7月。Instagramのフォロワーも増え、安定して評価をもらえるようになった頃、弟にマネタイズを考えた方がいいと意見をもらい、自分に何が出来るか考えた時にずっと気になっていたNFTを始めた。

今、39歳。

NFTを始めてからの約4ヶ月が濃厚で、時間の進み方がなんとゆっくりなことか。すきあらば寝ていた時間をフルで制作に費やしているし、苦にならない。立派なアラフォー。自己肯定感を上げている最中。描いたものに対して自虐なんて、ホルダーさんがいる今では絶対に出来ない。遅い再スタートだけれど、全力で楽しんでいる。

20代半ばに、短大時代の友人が個展を開いた。

「凄いね、わたし、全然描いてないや……」。面白くもなんともない、返事もしづらい卑屈で最悪なコメントに対して友人は「そうなんや!じゃあ今とよかちゃんが描きたい時じゃないんやね!わたしは急に描きたくなって描いただけなんだ!」と。その言葉が、今になって蘇る。間違いなく、今がその時。

40歳。

怖くもなんともない。ずっと怖かった「かわいい女の子の絵」をさらけ出した今、何も遅くもないし、怖くもない事を知った。40代を迎える準備は出来ている。迷わず前を見るだけだ。

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