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㉝クラハ文化祭「恋かな〜桂浜の夜〜」本番@耳ビジ➕1

こおちゃんこおちゃん、こと、中尾淳さん。
中尾さんは某大手出版社の編集長というすごい人なのだが、熱苦しさと空回りが酷い個性豊かな人。でも憎めない。

クラハにどハマりしてからというもの、色んな人にメッセージを送りまくっているらしい。

そんな中尾さんが「恋かな」に立候補した。
理由は「都代子さんへの恩返し」

意味不明。

とはいえ、はじめての彼女との思い出を語ってくれた取材の朝は忘れられない。いわゆる神回。
大爆笑の渦で、リスナーみんながお腹をかかえて笑った。
カワテツさんと私は「知らんがな!」という言葉を100回言わされた。

脚本はサトジュンさんが担当。
かなり忠実に2人の初めての旅を描いてくれた。
ただ、難しいのはラスト。
実際の話は彼女が先に寝てしまったのだが、それではなかなか胸きゅんにならない。

みんなで相談した上、中尾さんが寝てしまった形に変えることに。
中尾さんの空回りキャラも出せるように1人相撲の雰囲気を重ね、それを優しく包み込む彼女という展開に決定した。

リハーサルの日は朝からビールを飲んで緊張を和らげようとしていた中尾さん。アドリブ連発で長くなってしまった。
これはきっと本番も飲んで暴走するに違いない。。。不安が募る一方、どこかで期待している自分がいたが。

ところが
拍子抜けするほど、本番では神妙な雰囲気でアドリブほぼ無しでやり切った中尾さん。
ナレーション部分はしっかりとわかりやすく読んいるところも立派!
中尾さんご指名で相手役を担当してくれた恵子ねぇも、脚本通り、しかも素敵な大人の女性を演じてくれた。

こおちゃんこおちゃんファンのリスナーからは「すごく良かった!」との声がたくさん寄せられた。

「桂浜の夜」 ​脚本:サトジュン&カワテツ
BGM テーマ曲
 
【あつしNA】19うんじゅううん年。当時、僕は、京都のとある大学の3回生だった。彼女無し。というか、それまで付き合った女性はゼロ。もちろん経験無しの高村光太郎。 にもかかわらず、2年半ずっーと片思いで振られ続けたいたケイコちゃんと、高知県の桂浜を見下ろすホテルの部屋にいた。
 
BGM テーマ曲FO
 
ケイコ「あっちゃん、先にお風呂入ったら」
あつし「じゃ、じゃあお先に」
 
SE (シャワーの音)
 
【あつし(モノローグ)】
ど、どどどしよう。落ち着け! 落ち着け! 何でこんなことになったんだ? 思い出せ。たしか・・・
 
SE (シャワーの音FO)
 
昨日の夜遅く、僕はいきなりケイコちゃんに無性に会いたくなった。京都の短大生だったケイコちゃんはひと足先に就職し、四国の松山に住んでいた。僕は愛用のギターを背負うとバイクにまたがり、松山に向かった。
 
ケイコ「こんな朝早く突然来るんだものびっくりしちゃった。じゃあ、私のクルマでドライブでもしようか?」
 
【あつし(モノローグ)】
クルマは知らない間に高知県に入っていた。 桂浜に着くと、俺はおもむろにギターを奏でた。
 
SE ギター

♪あなたにさよならって言えるのは今日だけ
 
ケイコ「あっちゃん。。。。なんで別れの曲?」
 
【あつし(モノローグ)】
しまった。セレクトを間違えた。

あつし「あ!アイスクリン売ってる。食べる?」
ケイコ「うん!」
 
ケイコ「これ美味しいね〜」
ケイコ「あっちゃん。遅くなっちゃったし、今日はここで泊まろっか」
 
 
【あつし(モノローグ)】
え? 今、何て言った?  泊まる? 泊まる?泊まる? 一緒に? まさか。 まさかね。だってまだ手も繋いでないし。もちろんチューもしてない。 あ、そっか別々の部屋ってことだよね。
 
ケイコ「じゃあ、私、チェックインしてくるね」  
 
【あつし(モノローグ)】
わ、さすが社会人。しばらく会わない間に、恵子ちゃん大人な感じ。
 
ケイコ「9015室だって」
 
【あつし(モノローグ)】
おーー。鍵ひとつしかないよ。まさか同じ部屋ってこと???  
 
ケイコ「じゃあ、あっちゃん、先にお風呂入ったら」
あつし「じゃ、じゃあお先に」
 
SE (シャワーの音)
 
【あつし(モノローグ)】
そ、そうだ。それで今、俺、シャワー浴びてたんだ。ど、ど、ど、どうする?
ひょっとして、このまま、高村光太郎とおさらば?  いや、まて。俺はケイコちゃんに一目会って、京都に戻るつもりだったから何の準備もしてない。ホットドッグプレスで予習もしてない。本当にできるか、俺?  大丈夫か? 高村光太郎 」
 
SE (シャワーの音)カットアウト
 
あつし「お先に」

ケイコ「あれ? また服着ちゃったの?」
あつし「ダメだったかな?」
ケイコ「うふふ。じゃあ、私、お風呂入ってくるね」
 
【あつし(モノローグ)】
おーーー。どうする?  どうする?
シャワーは先に浴びた。大丈夫。
身体もしっかり洗った。歯も磨いた。ヒゲも剃った。なんか良い匂いがするやつがあったからシュッと吹きかけた。
…あっ!そうだ、そうだ!照明!照明のスイッチはどこだ?全部チェックしておかないと!こういうのはスマートにやらないと。だめだだめだ。
そうだ。何かの時のために、ウイスキーを買っておいた。よし、お酒の力を借りよう。(飲む)うー、キク~。よし、もう一杯だけ。(飲む)う~。キク~。
 
あれ? ホテルの天井が妙に遠く見えて、更にゆっくりと暗くなって…身体中がふわふわして、なんか気持ちいい~
 
SE 浴室ドアの開閉音
 
ケイコ「お待たせ。あらあら、あっちゃん。こんなところで寝ちゃってる。疲れちゃったのかな。ほら風邪ひくぞ」
 
【あつし(モノローグ)】 
掛けられたブランケットの重みと甘い匂いが近付いてくる。
あー何ていい匂いなんだろう。
これは夢? 現実? 俺の妄想?
 
ケイコ「あっちゃんのこと大好きだよ。
       ・・・・・明日の朝、一緒になろうね」
 
 
BGM テーマ曲
 

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