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英国におけるネットワークトレンドと現地パートナーから見た「SYNESIS」

2022年12月時点の内容です


はじめに

東陽テクニカは、自社開発製品を国内のみならず、海外にも販売しています。海外展開している代表的な製品の一つは大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」。日本国内では2015年に、海外向けには2016年に販売開始しました。現在は約20の国と地域に展開しており、東陽テクニカ米国子会社のTOYOTech LLC、中国子会社の東揚精測系統(上海)有限公司をはじめ、現地の代理店パートナーと共に販売を行っています。

今回は、英国で2021年から「SYNESIS」販売を手掛けるRed Helix社のプリセールス・マネージャー Hasan Birol氏に、英国市場におけるネットワークトレンド、「SYNESIS」販売への思いなど、お話しいただきました。

【インタビュアー】
中村達司
(株式会社東陽テクニカ ワン・テクノロジーズ・カンパニー SYNESISビジネスユニット シニアマネージャー)

Red Helix社について

今回はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。まずはRed Helix社についてお聞かせください。

Red Helix社は英国でネットワーク監視とサイバーセキュリティに関するソリューションを提供するプロバイダーです。お客様は、通信事業者、英国官公庁、金融など多岐にわたります。1984年にPhoenix Datacomとして設立されて以来、着実に成長してきましたが、さらなる成長に向けて、2022年7月に社名をRed Helixに変更しました。

東陽テクニカとの出会いについて教えてください。

以前から付き合いはあったのですが、英国市場で100Gなど高速パケットキャプチャの需要があまりなく、提携は叶いませんでした。しかし、2017年末に中村さん(本取材のインタビュアー)がオフィスを訪問してくれて再会したときには100Gなど高速ネットワークでもパケットを取りこぼすことなくキャプチャできる「SYNESIS」の需要が高まっているときでした。その再会がきっかけとなり、現在のようなパートナーになったのです。

英国のネットワーク事情 ―3つのキーワード

Red Helix社は英国における大手ソリューションプロバイダーですが、英国のネットワークのトレンドや最新のニュースを教えていただけますか。

英国のネットワーク市場では、大きく3つのキーワード、①400G普及に向けた動き、②電力問題、③5Gの展開があります。

①400Gの普及は、世界的にも共通の話題ですね。

英国でもネットワークの高速化が急激に進み、400ギガビットイーサネット(400GbE:伝送速度が最大400Gbpsのイーサネット規格)への問い合わせが急増しています。400G需要の高まりの背景には、クラウドの活用とそれに伴うデータセンターを経由するトラフィック(通信量)の増加があり、800Gも近い将来に登場すると思います。

②電力問題も非常に重要ですね。英国は現在どのような問題を抱えていますか。

先にお話ししたデータセンターの活用が増えていることに加え、天然ガスと石油の輸入問題に起因してエネルギー価格が高騰し、家庭はもちろん企業にも影響を与えています(註:英国政府は、家庭向けに加え、企業向けにもエネルギー価格高騰に対する支援を提供すると発表している)。既にデータセンターの設立計画も複数進んでおりますが電力の確保やいかに省エネを実現するかが大きな課題です。

③英国ではすでに複数の企業が5Gのネットワークを共同使用する協定を結んでいたり、新しいネットワークの構築にJVが設立されたり、通信ネットワークは公共インフラであるとの認識が強いように見えます。

英国では2、3年前から5Gスマートフォンがかなり普及しています。ネットワーク事業者も、5Gを迅速に普及させ、コストを削減しながら運用するために、ネットワークの共有を検討しています。例えば、大手モバイルキャリアであるEE(Everything Everywhere)とThree UK が、MBNL(Mobile Broadband Network Limited)というJVを設立し、共有ネットワークの設計や運用を共同で管理することになっています。

Red Helix社が機器を選定するポイント

Red Helix社はあらゆるベンダーや製品の中から機器を選択し、お客様にとって最適なソリューションを提供していますね。機器選定やベンダー選定のポイントを教えてください。

最も大切なのは「お客様が何を求めているか理解する」ことです。お客様にとって今何が必要なのか、将来的に何が必要になるのかを見定めて、これに合うソリューションやベンダーを探します。

お客様の要望を理解したら、その要望に合った機器を提供するベンダーを探します。機器がベンダーの提供するデータシートに記載されている通りの性能であることを私たちも確かめますし、ベンダーにも正確な数値を提供することを求めています。

Red Helix社取り扱い製品の一部

大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」について

ここからは少し具体的に「SYNESIS」のお話を伺いたいと思います。先日「SYNESIS 10Gポータブル」を採用していただきました。お客様からはどのようなご希望があったのですか。

従業員1,000名規模の大手企業が、データセンターで障害解析に使用できる25GbE対応のポータブル機器を探していました。「SYNESIS 10Gポータブル」は、十分なディスク容量と可搬性という点でお客様のニーズを満たしていたので、販売することになったのです。

大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」

お客様はどのように「SYNESIS」を活用されていますか。

続きは「東陽テクニカルマガジン」WEBサイトでお楽しみください。