見出し画像

【体験談】公務員の転職対象は公務員を第一に考えるべきと思う理由

こんにちは。
国家公務員20年→民間中小企業3年→民間大企業9年目のとよぞうです。

公務員を辞めて民間企業へ転職し10年以上が経ちました。
20年も公務員として過ごしていた自分が40歳を過ぎて転職してやっていけるだろうかと悩んだ時期もありましたが、今は自分らしく楽しく過ごすことができています。
新卒で社会保険庁(以下、社保庁)に採用されて何かがおかしいなと思いながらも自分から動きだすことができなかった。
きっかけは組織の解体でしたけど、今は転職して良かったなと思っています。

公務員は転職経験の無さから自分をアップデートできずに残念な人生を過ごしがち

いま真剣に転職を考えているという方は、公務員が…というよりも職種や職場が自分に合っていないという方が多いのではないでしょうか。
転職経験が無いと比較対象を持てないので、いま居るところが自分に適合しているのかがよくわかりません。
かといって一度配属されれば自分の意志で職種を変える事もできないし、何より公務員になるまでの苦労を考えたら二度と同じ苦労はしたくないと思っている人も多いでしょう。
勤務中、何回も喫煙所に足を運び「次の仕事が決まったら今すぐ辞めてーよ」と愚痴る毎日。
それでも現状を変えたいと思っている人は一歩踏み出してみるべきです。
まずは公務員から公務員に転職する事を視野に入れてみてはどうでしょう。

新卒で入った組織にいつまでもいること自体が異常なことだと早めに気付くべきだった

私の場合、公務員が自分に合ってなかったというよりは社保庁という組織しか知らず、その業種との相性も悪かったのにもかかわらず薄汚い組織幹部をたくさん見てきたことで公務員自体を否定してしまいました。できればもう少し早い段階で中途採用枠から他省庁にチャレンジしとけばよかったと思うこともありました。
公務員の職業選択にこそマッチングは重要ですよね。
長くやっていく仕事だからこそ自分に合っていなければただ辛いだけでムダな時間の浪費に繋がる。
「やりたい仕事に就いている人などいない」という人もいるけれどやっぱりそれは違うと思う。
人にはそれぞれ向き不向き、相性や好み、価値観の違いというものがあるのです。
せっかく公務員になったのに自分に適さない業種に就いてしまう事は実に不幸なことです。

入ってみなければわからない組織に依存していく辛さ

公務員組織の職場事情は入庁してから何年か経験してみないとわかりませんよね。
入る前に事細かく忖度なくすべてを教えてもらえたなら絶対に入らなかった…
転職してキャリアアップできないのが公務員。
そして民間じゃあ使い物にならないと言われる。
気づいた時にはすでに身動きが取れず、辞めることもできないという方もたくさんいると思います。
そもそも新卒で配属されたまま同じ組織に居続けることは世の中から置き去りにされるようなものです。

公務員組織は公務員を歓迎してくれる

私は公務員を辞めたことがきっかけで自分に合った仕事に巡り会うことができました。
それでもしばらくは公務員に未練もあり、何回か公務員の中途採用や技能労務職の求人に書類を送ったりしましたが案外手応えは悪くなかったです。

5年ほど前に参議院事務局へ応募したときは書類選考を通過した50人くらいの中から最終選考まで進めました。あまりにも公務員色が強すぎて、やはり公務員はもういいやと思いつつ進んだ面接で社保庁時代組織に逆らった話を披露して見事に落ちはしましたが、そのなかでも公務員組織は元公務員を歓迎してくれている雰囲気は感じられました。
他にも某県庁の求人に応募して同じような経験をしましたがお互いの印象はかなり良かったように思います。

元公務員は懲戒解雇にでもなっていない限り公務員組織での再就職が有利と言われるのもわかる気がします。偏見に満ち溢れた民間人よりも組織に対する理解度は高いはずですから。
私の知り合いにも元公務員が経験者枠で再就職できたという方が何人かいますがやはり有利さは感じられたようです。

公務員がキャリアを活かせるのは公務員しかない

ますます先の見えない世の中で公務員を辞めることなどできないけど現状を変えたいと思うかたはぜひ公務員を辞めない転職を考える事をオススメします。
30歳前後なら経験者枠で希望する他省庁の募集にチャレンジする価値は大いにあります。経験者の中途採用であれば給与的にも悪くありません。定年までまだ30年ほどありますから充分キャリアは積むことができます。
45歳を超えてある程度老後の資金に目処が立っていれば技能労務職がオススメです。
こうした事を考えて準備しておくことは最低限の自己防衛にもなります。

省庁再編や組織の民営化に備えよう

公務員にとって考えておくべき事のひとつに公務員改革があります。
将来的に行政改革の中で起きる省庁再編や組織の民営化が実施されたとき公務員という身分が保証されない事態が起こります。
組織が民営化した時に公務員であり続けられる事が確約されているのは幹部だけです。
省庁間配転や民間移行した組織へ配属されるためには面接を受ける場面が出てきますから、今から転職に備え準備している人にはチャンスになるでしょう。
なにも考えていないと大ピンチになってしまいますが。

転職というイベントに取り組むことで公務員も人としてランクアップできる

さまざまな経験や苦労が人を成長させますが同じ場所に居続けることはその妨げになってしまう。
公務員組織とはそのような集団ですからどこまでも成長できないマウントの取りあいと縄張りの張り合いを繰り返しているだけなのです。
公務員から公務員へ転職を試みることはその努力過程が視野を広げてくれるし万が一の民営化への備えにもなる。
これは国家公務員だった私が社保庁解体というレアな経験の中で感じてきたひとつの提案です。

公務員が転職するために必要なことは、自分がやって来たことを簡潔に説明できる事とそれを証明できる国家資格などを取得しておくことです。
そうすることで自分のストーリーを繋げることができる。
そしてそれを受け入れてくれるのは公務員組織なのです。

災害は突然理不尽に降りかかってくるものです。
備えあればなんとやらです。

それでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?