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「選別主義」「普遍主義」の利点と欠点

 社会的な支援を必要とする人々に対し、資力調査のある「選別主義」と資力調査のない「普遍主義」がある。
 
 選別主義は、社会保障の恩恵が特定の人や条件に対してのみ提供されるべきという考え方である。
 例えば生活保護制度を挙げると、資力調査が行われることで、社会的な支援を必要とする困難な状況にある世帯に対してのみ支援が提供される。その中でのメリットとしては、生活保護費の受給に係る適用条件を満たさない場合には、生活保護としての支援は提供されないため、社会資源を有効に活用するという考え方からは、限りある社会資源が適切な配分がなされることで、本来必要とされる人々への支援として効果的な対応が可能となる。
 一方、選別主義のデメリットとしては、資力調査によって経済的な困難さが明らかにされることによって得られた情報により、差別的な扱いを受けるなど、不平等な待遇へと繋がってしまう可能性がある。
 例えば、教育の機会に関して言えば、個別のニーズや能力に応じた教育プログラムへの参加が制限されることがある。それによって、進学自体を断念せざるを得ない状況になるなど就労機会などの待遇を考えても、将来的な負の連鎖へと繋がってしまうことも懸念される。
 
 普遍主義は、社会保障の恩恵が全ての人に平等に提供されるべきという考え方であり、特定の条件や資格によって制限されるのではなく、誰もが必要な保障を受ける権利とされている。
 例えば、医療保険などがこの考えに基づいて提供されている。その内容としては、保険料の支払いによって集められた資金を活用しながら、すべての人々が病気や怪我の治療にかかった医療費負担を軽減し、必要な医療を受けることができる。このように、個人への経済的な負担が軽減され、健康な生活を維持するようにすべての人が公平に医療にアクセスできるようになるというメリットがある。
 一方で、医療保険制度でもデメリットが存在する。高齢化に伴う医療費の増大や、医療の進歩による治療にかかる費用の増加、生産年齢人口の減少から保険料や民生費など税収の減、その資源配分の難しさなどがある。これらの課題に対しては、持続可能な制度の運営や改革が求められており大きな課題がある。
 
 このように誰にでも支援として提供されるという点がメリットとしてあり、緊急性の高い人々や特別な状況にある人々も含め、幅広いニーズに応えることが可能となる。しかし、結果的には本来必要としない人々に対しても、ばらまき的な支援として行われてしまうというデメリットも考えられ、資源の有限性による配分の難しさが課題となっている。
 
 これらのことから、必要な人々に必要な支援を届け公平な社会保障の享受の実現に対し、選別主義と普遍主義を組み合わせながら、ニーズに応じた柔軟な支援を提供するたの仕組みづくりが求められる。
 
 適切なルールや制度は、公平性やニーズへの適合性、効率性といった観点から構築されるべきであるが、実際は目まぐるしい社会の変化からの新たな課題に対応するため、制度改革などの見直しが必要となる。
 
 資源の有限性を踏まえつつ、より公正で効果的なルールや制度を模索し続けることが重要となる。

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