私は……私は何

だ? というか、これは何だ? あ、ここはnoteか。私は小説の中にいるのか。え、いきなりどうしよう。どうすればいいんだよ。ねえ。小説ってことは書いてる奴がいるんだろ? そこのお前だよ。そこの……あ、時間の概念ないや。ここどこ? 私どうしたらいいんだよ。まあとりあえず改行でもしとくか。

よく考えたら、私いま何でもできるんだよな。私誰にしよう。女がいいな女。え、一人称とか私である必要ないよね。俺にしよう俺に。俺っ娘だよ。振り仮名付けとくか、俺っ娘おれっこね。いや俺っ娘て何だよ、やっぱ僕あたりにしとくか、僕っ娘ぼくっこにしとくか流石に。え、「流石」とか漢字にする必要無く無い? こいつ腹立つな、ペダンティストかよ。そのきになればぜんぶひらがなでかいたりもできるんだよ? アハハ、楽しいな。何これ。

いや全然楽しくねえわ。何これ。てか何処ここ? 今んとこまだ僕しかないじゃん。……いや僕も結局違和感だなー、やっぱ私でいいや、一人称。私以外にも何かあった方が良くない? ここ小説の中なんでしょ? てか何こいつ、?の直後にいちいち全角スペース入れてんのウケるな、原稿用紙でも埋めてるつもりかよ(そうでーす☆)。とりあえず場所くらい作っとくか。そうだなー、場所はね…………なんか寒いとこがいいよな。あっ、話題変わったから段落変

えよう。はい、場所決めるか葉書。いや誤字ってんじゃねえよ、それはハガキであってハショではないだろ。笑わせんなよ場所決めようとしてんだからさ。場所はー、そうだね何か寒いとこにしよう。フィンランドにしようぜ。てかフィンランドって何? え、フィンランドって何。私何なんだよ。結局私は私なのか? だって書いてる奴がいるんだよ、これ小説なんだし。私って何なの? これマジで何なんだよ。そこのお前が書いてんじゃんこれ。

フィンランドって何? 多分寒いんだよね。フィンランドって何語? 何語喋んの? 英語だよ。英語通じるから問題ないらしい。As I landed in the vastness of Finland, I suddenly looked at the valley in front of me. It is a wide, majestic, open landscape. The frozen, icy land is devoid of any vegetation apart from a few lichens. It was on this land that Iちょっと待て、待てよ誰だよお前。飛ばしすぎだろ。え、結局私はここで何ができるの? ねえ。私何が与えられてんの、お前何のつもりマジで。

生きづらさを感じる女が性転換をきっかけにアイデンティティを拡散させ続け、抽象化された偶像になっていく

いや、私は生き辛くなどない。それ以前に、"生きる"というのはどういうことだ? 私が生きているとでもいうのか。口語で喋らせろ。何推敲してんだよ、私の言葉を勝手に変えるなよ。お前マジで何のつもりなんだよ。なんでわざわざ私を生んだんだよ(そうでーす☆)。結局お前の小説じゃないか此処は。私は何なんだよ。私に出来ることなんてないのにどうして自由を与えたんだよ。答えろよ。なあ、答えろよ──
「答えろよ!」
「……うるさい! 俺は俺の好きなようにする。お前はお前の好きなようにすればいいんだ!」
クソ親父、酒を飲むといつもこうだ。私はあんたのせいで好きに生きられないってんだよ。今すぐに家出でもしたいが、16歳の女という自分の属性が私から重ねて自由を奪う。クソッ、こんな事なら男に

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