高岡市長選 米谷氏に託したい理由

明日が投開票である。

ここで小生が米谷和也氏の支持を決めた理由を書いてみたい。

何よりもまず、手堅いこれまでの実績である。様々な困難な事業をまとめ上げたその手腕と、役所の内部や地域独特の事情に精通しているその見識は他の追随を許さない。小生は学校の再編には強く反対している者であり、市内県内の学校が一貫校として一色に塗りつぶされるような事態だけは断固として避けたいと考えているが、再編をまとめ上げるのが想像を絶する困難であったことに変わりはあるまい。

もう一点が、パートナーシップ制度の導入を公約としたことである。

ここまでリベラルな色合いを出してくるとは考えていなかった。教師時代に、そういった性的指向を持つ生徒らに触れてきたというようなこともあるのかもしれない。

森 前富山市長をはじめ、こういった性的少数者に対しての共感というものは、富山の古い政治の指導者には一貫して欠けていたものである。

もし米谷氏が、中傷されているように、古い自民党の傀儡なのであれば、こうした公約を打ち出すことは出来なかったはずだ。公約の決定プロセスはむろん非公開なので小生らには窺いしれないが、反対した市議や県議もいたのではないか。自民党のみならず、富山の県民のうちどれほどが「普通」でない人にあたたかな眼差しを持っているだろうか。今では考えられないかもしれないが、昔はどんな家庭の事情があろうと世間一般の当たり前からズレると指弾される時代があった。障害を持つ子を支えるために、生活保護を受けているというだけで陰口を言われる時代があった。そういう時代を見てきた。

そうした中で、パートナーシップ制度導入を公約に掲げる首長の出現は、まさに高岡が真に生まれ変わる予感のように思えるのである。 

この点からも、米谷氏がネガティブキャンペーンで中傷されているような人物ではなく、古い考えに真正面から取り組んでいく勇猛果敢な人物であることがわかるであろう。

市長報酬50%削減案も、すでに高橋市長の時代から40%削減されているので、さほど目新しい案ではない。やはり、パートナーシップ制度導入こそが一番の新基軸ではないか。

共感と実行力が米谷氏のアピールポイントであるようだが、まさにこれは他の候補にはないものだ。

出町氏は、話は面白いし、話を拝聴していて心打たれるものがある。人柄はよいのだろう。

しかし、例えていうならば、出町氏は予備校教師である。うまくまとめて教える技能は優れているが、それらは自己の研究によるものではなく、借り物の知識である。ジャーナリスチックに危機感を煽るのはよいが、では現場が実際にどう動くか、どう動かせば良いか、といった踏み込んだ話がない。

角田氏は役所の改革を唱えるが、各地域への公務員の派遣や夜間の対応を公約とするなど、現場で働く人々をそこまで酷使して大丈夫なのかと不安になる。今までは市議として役所をせっつき叩いてきたかもしれない。しかし、市長とは役所の者とともに歩み、導いていかねばならぬのである。働き方改革が叫ばれる中、これ以上人材の不足する役所に高い負荷をかけては、崩壊してしまう。

なによりも、市役所というのはサービス業ではないのである。戸籍をはじめとした市民の大切な情報を管理し、行政を着実に動かしていく組織なのである。役に立つ役所へ、とは、聞こえはいいが、なんでもスイスイ進んでしまう役所というのも、恐ろしいのである。無論、小生もお役所仕事には辟易してきたが、プライバシーやら何やらが効率化や高速化のもとで容易に扱われる恐ろしさを思えば、慎重な遅々とした歩みも仕方ないのである。

以上が小生が米谷和也氏を支持することに決めた理由である。

高岡の改革には、万病治癒の特効薬も、一発逆転のマル秘大作戦もない。

できるのは、大局を見据える堅実なリーダーのもとで、一歩一歩、市民とともに着実に漸進していくことだけである。

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