「物語」の完成

高岡市長選は角田氏の勝利となった。米谷氏を応援していた小生にとって非常に残念なことであった。角田氏はコミュニティバスの復活や各種の無料化などを公約と掲げていたが、実現のため財源の確保などに市民に負担をかけず努力して頂きたい。

さて、前回の記事では(意図的に)米谷氏を「悪」の権化、傀儡であるかのように位置づけ、その「圧力」に対抗する「善」が角田陣営だとする、作り出された物語が拡散されていることを指摘したが、角田氏の当選の際のツイートは、そうした物語の総仕上げであった。

圧力とやらが、どこから来たのか。前回の記事で警鐘を鳴らした根拠のない風評の流布に対してこうして新市長本人がお墨付きを与えてしまった形となった。わかりやすい虚偽の対立構造の図式は、今後も市民の間に浸透していくのだろう。

高岡でご当地カルタを製作しているという人物の投稿であるが、情報発信アカウント「とやまさん」もリツイートするなど、拡散が進んでいる。

本来ならば「しがらみ」というのは、もう一人の候補者、出町氏の盛んに主張していた言葉で、もはや選挙が終わると、米谷氏が「しがらみ」であり、角田氏がそれと戦ったかのような偽りの記憶が定着し始めているようだ。ウケ狙いなのか風刺のつもりなのかわからないが、そもそもの市長選の論点を把握してすらいないではないか。表現の自由は尊ぶべきものであるが、こうした根拠のない印象に根ざした戯画化は大変失礼なものだろう。人を傷つけるポンチ絵が高岡の一般人の手によって描かれ、拡散される時代になったという事実についていけない。



自民党最大会派では、造反した議員らに融和的な姿勢を取り始めたという記事も出回りはじめた。それが会派内の統一見解か否かはわからない。

このところ、県内の自民党には逆風が吹いている。しかしながら、富山には熱狂や混乱に流されず、しっかりと保守本流の道を示す政党が必要である。

高岡の自民党には、変わりやすい民意に振り回されず、信念を持って角田市政と向き合ってほしい。

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