過去25回の「教養強化合宿」のデータ(のち過去32回まで情報更新)

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 2014年8月に〝第1回〟を開催した「教養強化合宿」は、当初は学生の長期休みに合わせて春と夏の年2回開催だったのが、2021年夏、コロナ状況下で大学が開店休業状態にあることに遅まきながら気づき、カサにかかってムヤミに開催し始めたこともあって、こないだの年末年始に開催したのがもう第25回、当然出身者もやたらと増えている。たぶん計300人近くいるんじゃないかと漠然と思っていたが、改めてちゃんと数え直してみると、たしかに計286名となっていることが分かった(正規カリキュラムでやらなかった2020年6月の〝コロナ合宿〟は含まず。含むと計296名)。うちおそらく20〜30名は、あまりにスパルタ式の詰め込みキョーイクに耐えきれなかったか途中離脱しているが、そのぶんを差し引いても計250名は超えており、「たぶん計300人近く」という感触もそれほど実際から遠く離れてはいなかった。党派じゃないけど党派だったら、青年学生層の数では群を抜いてトップの、日本最大の過激派勢力である。
 現在は春休み期間に2回、ゴールデン・ウィークあたりに1回、夏休み期間に2回、年末年始に1回の〝年に計6回開催〟をルーティン化しており、1回につき12〜13人が参加するのが普通だから、あと10年やれば出身者は1000人を超える。最近は幕末のナントカ塾のように〝門弟数千人〟を豪語することを目指しているのだが、長生きすればラクショーで実現できそうだ。
 すでに批評シーンなどで名前が出始めている者も何人かいるし(「ヒョーロンカばかり育てている」とカルト左翼方面からヒボーチューショーが飛んでくるが、運動シーンでも、例えば札幌で安倍ちゃんの街頭演説に野次を飛ばして警察に排除され、不当だと訴訟を起こして勝利した2人の当事者のうち若いほうは合宿出身者である)、300人もいれば何人かは、10年後20年後には押しも押されもせぬ著名論客となっていることだろう。〝門弟数千人〟となればなおさらである。半年ほど前、「参加無料である上に10宿30飯ぐらい恩を受け、しかも日本の全ポンコツ大ではとうてい得られない歴史と社会の見取り図、さらには人脈まで提供してもらったんだから、世間から〝外山派〟扱いされたり、ちょっと目立つと外山恒一に〝あれはワシが育てた〟に近いことを云われるぐらいは甘受すべきだ(笑)」とツイートしたが、今年か来年あたり、いよいよ〝あれはワシが育てた〟と本格的に自慢できる出身者も出てくるのではないかと期待に胸が膨らむ。無償でやってる100パーセントの〝善行企画〟なんだし、それぐらいの〝役得〟はあってよかろう。

 せっかく調べたんで、ついでにデータを示しておこう。
 2014年夏の第1回合宿の参加者は11名、けっこう集まるじゃんと増長して募集をあまりマジメにやらなかったせいで2015年春の第2回合宿は3名、以後はちゃんと募集に力を入れるようになり、第3回9名、第4回10名、第5回9名、第6回12名、第7回10名、第8回はどーんと18名も来て学級崩壊、第9回9名、第10回10名、第11回7名、第12回15名、第13回15名、第14回14名と推移、この少し前あたりから志願者の増加傾向により〝ほどよい人数〟を集めるためには募集告知をホドホドにしなきゃいけなくなってきていたのと、参加志願メールの文面から歓迎すべからざる人物であると容易に推測できるような奴まで受け入れるのはもうやめたくなり、ガンガン募集をかけた上で最大15名を選抜する方式に移行して、第15回15名、第16回15名、第17回14名、第18回15名、第19回11名、あんまり頻繁にやりすぎたか第20回は6名、少し持ち直して第21回10名、第22回12名、第23回12名、第24回13名、第25回11名となっている。近く開催する第26回合宿(2023年3月)には33名もの参加志願があって、もはや〝難関私塾〟の趣きである。
 〝コロナ合宿〟を除いた正規合宿の出身者286名のうち、放送大の2名を別にして、大学生(と院生)だけに絞って地域別に示すと、以下のようになる。これ以外に専門学校生1名、浪人生3名、高校生8名、中学生2名、無職の若者3名、特別に参加を了承した30代の大学非常勤講師1名、そして初期何回かぶんの、記録と記憶が散逸してしまって大学名が分からない大学生4名がいる。

 北海道(計9名)……北大9名
 東北(計7名)……東北大5名、東北学院大・弘前大各1名
 北関東(計9名)……高崎経済大・筑波大各3名、群馬女子大2名、茨城大1名
 北陸および長野(計4名)……金沢学院大・信州大・新潟大・福井県立大各1名
 東京を除く首都圏(計13名)……日本映画大3名、埼玉大・聖学院大・千葉大各2名、総合研究大学院大・千葉工業大・明海大・横国大各1名
 東京(計96名)……早大19名、東大9名、慶大7名、中大6名、国際基督教大5名、上智大・日大・一橋大・法大各4名、東工大・武蔵野美大各3名、亜細亜大・成蹊大・多摩美大・東京理科大・東洋大各2名、青山学院大・國學院・國士舘・実践女子大・聖心女子大・大東文化大・津田塾・東海大・東京音大・東京外語大・東京海洋大・東京経済大・東京芸大・東京造形大・東京都立大・東邦大・日本女子大・立教大各1名
 東海(計7名)……愛知大・愛知淑徳大・岐阜大・情報科学芸術大学院大・中部大・同朋大・名古屋芸大各1名
 関西(計86名)……京大31名、阪大13名、同志社12名、立命館9名、大阪芸大・京産大・京都市立芸大・神戸大各2名、関西大・関西学院大・京都外語短大・京都工芸繊維大・京都精華大・京都造形芸術大・京都府立大・近畿大・神戸外語大・滋賀大・摂南大・同志社女子大・龍谷大各1名 
 中国(計5名)……岡山大2名、呉工専・鳥取大・山口大各1名
 四国(0名)
 九州(計24名)……九州大8名、西南学院大4名、鹿児島大・熊本大・長崎県立大・福岡大各2名、北九州市立大・九州工業大・長崎大・福岡教育大各1名
 海外(計2名)……エジンバラ大・華中科技大各1名

 こうして改めて見ると、首都圏と関西圏に極端に偏っていることが歴然とする。九州は一見多いように感じられようが、私が一貫して九州を活動拠点としており、合宿の開催地も福岡であることからすれば、むしろ異常な少なさだ。先日、千坂恭二氏が「1968年の全国学園闘争の特徴は、全国の言葉に示されるように全国各地で展開されたことだ。ということは東京中心ではなく地方分散だった。マスメディアは東京中心の報道をするが、運動の現場は、九州、関西、中部、東北、北海道と各地で展開され、東京に行く必要はなく、文化は各地方にあった」とツイートしていたが、要するに首都圏と関西圏を除いては学生運動がほぼ完全に壊滅しており(首都圏と関西圏も大差ないが、まだ〝残り香〟ぐらいは濃厚に漂っている大学なら多少ある)、したがって〝学生〟が層として死んでいることの反映である。せめて学生運動やそれと連動していた〝学生文化〟の残り香ぐらいは漂っていないと、なかなか〝外山合宿〟の存在も視野に入ってこない。
 ちなみに「海外」の2名はいずれも海外に留学している日帝本国人の学生である。云うまでもなく、〝最も遠方からの参加〟は(ちょうど日本に帰省中なのではあったが)2位以下にオハナシにならんぐらいの圧倒的な差をつけて(2位は華中科技大ではなく北大だと思う)このエジンバラ大生だ(笑)。逆に、日本の大学への韓国からの留学生2名、中華帝国様からの留学生様1名様も上記の数字には含まれている。
 全国を合わせて、京大からの参加者数がブッチギリの31名でトップである。続いて早大の19名が目立つ。以下、第3位・阪大13名、第4位・同志社12名、第5位が東大・北大・立命館の各9名、第8位・九州大8名、第9位・慶大7名、第10位・中大6名となっている。歴代5名が参加しているのは国際基督教大・東北大の2校、4名が参加しているのが上智大・西南学院大・日大・一橋大・法大の5校である。明治大から1名の参加もないのがちょっと意外だ(〝コロナ合宿〟には1名参加している)。はっきり云って、総Fラン化している日本の大学で、それでも少しはマシな大学のランキングのように見えてくるし、まあ実際そういうものとして使えそうなデータだろう。
 そんなわけで、四国の学生は奮起しよう。中国や北陸、長野、東海、それから仙台以外の東北や福岡以外の九州の学生も同様である。留学生にももっと来てほしい。

     ※

 たまに最新情報に更新しよう。
 第26回合宿には16名、第27回には15名、第28回には11名、第29回には15名の計57名が参加(途中脱落者も2名含む)。つまり第29回合宿を終えた2023年8月17日時点で学生は計319名、他に本文中にあるように非・大学生および放送大の学生が計24名いて、総計で343名ということになる。
 内訳は下記のとおりである。

 北海道(計9名)……北大9名
 東北(計7名)……東北大5名、東北学院大・弘前大各1名
 北関東(計13名)……筑波大6名、高崎経済大3名、群馬女子大3名、茨城大1名
 北陸および長野(計4名)……金沢学院大・信州大・新潟大・福井県立大各1名
 東京を除く首都圏(計15名)……埼玉大・日本映画大・千葉大各3名、聖学院大2名、総合研究大学院大・千葉工業大・明海大・横国大各1名
 東京(計123名)……早大23名、東大14名、慶大・中大各9名、上智大・法大各6名、国際基督教大5名、日大・一橋大各4名、東工大・東洋大・武蔵野美大各3名、青山学院大・亜細亜大・成蹊大・多摩美大・津田塾・東京外語大・東京都立大・東京理科大各2名、学習院・國學院・國士舘・実践女子大・昭和女子大・聖心女子大・大東文化大・東海大・東京音大・東京海洋大・東京経済大・東京芸大・東京造形大・東邦大・日本女子大・明大・明治学院大・立教大各1名
 東海(計10名)……岐阜大・中部大2名、愛知大・愛知県立芸大・愛知淑徳大・情報科学芸術大学院大・同朋大・名古屋芸大各1名
 関西(計102名)……京大37名、同志社・阪大各14名、立命館9名、京都精華大・神戸大各3名、大阪芸大・京産大・京都市立芸大・神戸外語大各2名、大阪公立大・関西大・関西学院大・京都外語短大・京都工芸繊維大・京都女子大・京都造形芸術大・京都府立大・京都府立医大・近畿大・滋賀大・摂南大・同志社女子大・龍谷大各1名 
 中国(計5名)……岡山大2名、呉工専・鳥取大・山口大各1名
 四国(0名)
 九州(計28名)……九州大11名、西南学院大4名、福岡大3名、鹿児島大・熊本大・長崎県立大各2名、北九州市立大・九州工業大・長崎大・福岡教育大各1名
 海外(計3名)……エジンバラ大・華中科技大・北京語言大各1名

 大学別参加者数は、京大が引き続きブッちぎりのトップで累計37名、早大が23名、東大・同志社大・阪大が各14名で京大・早大を追い、最近急に参加志願者が増えてきた九州大が累計11名となって6位につけた。北大・慶大・中大・立命館がそれぞれ9名で、以上で上位10大学となっている。

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 さらに情報更新
 第30回合宿には11名、第31回には11名、第32回には14名の計36名が参加。うち非・大学生および放送大の学生が4名で、したがって第32回合宿を終えた2024年1月4日時点で学生は計351名、非・大学生および放送大の学生は計28名となって、総計で379名ということになる。
 内訳は下記のとおりである。

 北海道(計9名)……北大9名
 東北(計7名)……東北大5名、東北学院大・弘前大各1名
 北関東(計13名)……筑波大6名、高崎経済大3名、群馬女子大3名、茨城大1名
 北陸および長野(計4名)……金沢学院大・信州大・新潟大・福井県立大各1名
 東京を除く首都圏(計15名)……埼玉大・日本映画大・千葉大各3名、聖学院大2名、総合研究大学院大・千葉工業大・明海大・横国大各1名
 東京(計143名)……早大28名、東大16名、中大12名、慶大11名、上智大7名、法大6名、国際基督教大・日大5名、一橋大4名、東工大・東洋大・武蔵野美大・明大・東京都立大各3名、青山学院大・亜細亜大・成蹊大・多摩美大・津田塾・東京外語大・東京理科大・学習院・東海大各2名、國學院・國士舘・実践女子大・昭和女子大・聖心女子大・大東文化大・東京音大・東京海洋大・東京経済大・東京芸大・東京造形大・東邦大・日本女子大・明治学院大・立教大・成城大各1名
 東海(計12名)……岐阜大・中部大・名古屋大2名、愛知大・愛知県立芸大・愛知淑徳大・情報科学芸術大学院大・同朋大・名古屋芸大各1名
 関西(計107名)……京大39名、同志社・阪大各14名、立命館9名、京都精華大・神戸大各4名、神戸外語大3名、大阪芸大・京産大・京都市立芸大各2名、大阪公立大・関西大・関西学院大・京都外語短大・京都工芸繊維大・京都女子大・京都造形芸術大・京都府立大・京都府立医大・近畿大・滋賀大・摂南大・同志社女子大・龍谷大各1名 
 中国(計5名)……岡山大2名、呉工専・鳥取大・山口大各1名
 四国(1名)……徳島文理大1名
 九州(計32名)……九州大12名、福岡大5名、西南学院大4名、熊本大3名、鹿児島大・長崎県立大各2名、北九州市立大・九州工業大・長崎大・福岡教育大各1名
 海外(計3名)……エジンバラ大・華中科技大・北京語言大各1名

 大学別参加者数は、京大が引き続きブッちぎりのトップで累計39名、早大が28名、東大16名と同志社大・阪大の各14名が京大・早大を追い、九州大と中大が12名となって同数で6位につけている。慶大が11名で8位、北大・立命館がそれぞれ9名で、以上で上位10大学となっている。ずっとゼロだった四国からも第32回合宿についに徳島文理大から1名が参加したし、実は同じく第32回合宿には他に四国の中学生も参加している。


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