“選挙に行こう!”運動を叩き潰すための作戦会議・その2

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 〈「その1」から続く〉
 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 2015年12月16日におこなわれた東野大地&西南大M氏との座談である(紙版『人民の敵』第17号に掲載された)。したがって基本的には古い話題ばかりであることはお断りしておく。しかし、“古くなっても面白い!”があらゆる外山コンテンツの自慢である。

 東野大地は我々団の党員、「M」君は、当時「西南学院大学アナキズム研究会」の“議長”で、外山が2014年夏以来、年2回のペースで開催している「教養強化合宿」の第1期生でもある。
 第2部は原稿用紙換算18枚分、うち冒頭5枚分は無料でも読める。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)はその5枚分も含む。

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  若者の痛々しい振る舞いには寛容!

外山 ともかくこのテのタイプの人たち(後註.“選挙に行こう!”的な人たち)を見ていていつも不思議なのが……“目的”が分からないんだ。

 そうそう! だから気持ち悪いんですよ(笑)。

外山 まだ民青の人たちとかなら、共産党の云うことを信じて、共産党を伸張させようと思って頑張ってるわけだから、単に我々は共産党の主張には賛同できないってだけで、共産党に賛同してる彼らが共産党のために頑張るのは当然だもんね。
 ところがこういう“投票先はどこでもいいから投票しましょう”とか“とにかく政治に関心を持ちましょう”みたいなのは意味不明だよ。

 青木さん(後註.第1部の冒頭無料公開部分でも名前が挙がった青木大和氏。2012年に高校生だった頃から、“政治に関心を持とう!”的な運動(?)で注目されていたらしい。以下に出てくる、“小4女子になりすまして安倍政権批判のサイトを作っていたことがバレて炎上”という2014年末の一件については、第1部の有料部分で説明されている)とか見てると、“政治”をカジュアルに消費したいんだろうな、って印象を受けます。

東野 ……ぼくが読んだ青木大和とテフ君の対談では、“意図的に炎上させる戦略もありうる”みたいなことを云い合ってたし、もしかしたら例の“小4なりすまし事件”にもそういう計算があったのかもしれませんね。

 その割にはガチでヘコんでる様子だったけど(笑)。

外山 ツイッターも更新停止しちゃうってのは、少なくとも“期待した炎上”とは違ってしまったってことでしょう。

東野 そうか……“ガチへこみ”だったのか……。

 いつか本格的に復活するとは思いますよ、青木さんは。

外山 信じてるんだ(笑)。

 うん。ちゃんと復活してくれたら、ちゃんと闘おうと思って(笑)。ぼくと青木さん、ちょうどタメなんです。

東野 94年生まれ?

 ぼくは95年ですけど、学年が同じ。

東野 ボクイチ創設が12年らしいです。

外山 それは何年生ってことになるの?

 大学に入ったのが13年なんで……高3ですね。

外山 じゃあ青木大和君は自分自身も高校生として、他の高校生たちを組織して、国会議員と交流する運動を展開してたんだな。

東野 そういうことになります。

外山 いやー、青木君の振る舞いを見てると、ぼくもはっきり左傾する以前はたしかにこういう感じだったと思って……痛々しいよ(笑)。「ほんとの自民党」(外山が高校2年生の後半に組織しようとした“ほんとに自由と民主主義を守るための”高校生政党)とか云ってさ、青木君のことをどうこう云える立場にないです、私は(笑)。うん、やっぱり青木君にあんまりキツいことは云えない。

東野 自分に返ってくる?

外山 「そういうお前はどうだったんだ?」と云われたら、「すいませんでした」って云うしかないもん(笑)。

 ぼくらは完全に“ゆとり世代”でしょ。青木さんには強烈に“ゆとり”性を感じますよ。だから青木さんには、ぼく自身にもある“ゆとり”性を見せつけられてる気もして、ちょっと憎めないところがある。

外山 ぼくも今日初めてこの青木君って人についていろいろ知ったけど、たしかにシールズの人たちよりは好感は持てる。

東野 えー、そうですかぁ?

外山 うん、逆に。もちろんこの先この人がどうなるか分かんないし、たぶんどうせ大したことにはならないとは思うけど、とりあえず“未定型”な感じはする。確固たるものがないまま、情熱だけで突っ走ってるような気がするじゃん(笑)。大化けする可能性があるとしたら、シールズじゃなくて青木君でしょう。

東野 化けるかなあ……。

外山 いや、化けないとは思うよ、9割方(笑)。

 顔つきもバカそうで良いですよ(笑)。

東野 ヒドいこと云ってるなあ。

 でもまあ、慶応なんだから実際は賢いんでしょうけど。

外山 でもAO入試じゃん(笑)。……とにかくシールズの方がかつての「新聞編集者会議」(後註.第1部の有料部分、もしくは『全共闘以後』参照)に近い印象だね。ああいうところからは何も生まれない。もちろん「高校生会議」(後註.上に同じ。簡単に云えば、80年代末、リベラル派の高校生が全国から結集していた合宿イベント「高校生新聞編集者会議」で孤立したごく一部のラジカル派の高校生が「全国高校生会議」を分裂開催するに至る。外山もその時のラジカル派の1人)が分裂したみたいに、シールズから分岐する形で何か出てくる可能性は否定しないけど。

東野 アイボート(後註.第1部の無料公開部分参照)は、シールズよりは青木大和の方に近くないですか?

外山 まあ、たしかに。

 衆愚化を推し進めているというより、アイボートは衆愚化の産物、衆愚そのものって気がします。

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