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怖がらずにおいで。きっと全部受け入れてくれるから。/【移住者】岡田 麻里さん


こんにちは、ライターのchiharuです。

今回は、福岡県から富山県に移住をして、現在は富山市でフラメンコ教室を経営しているダンサーの岡田麻里さんを取材しました。

地域性も気候も、これまでとは異なる富山での暮らし。富山の人々との関わりや豊かな環境の中で見つけた、新たな楽しみや挑戦したいことをざっくばらんに語っていただきました。


岡田 麻里さん

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福岡県出身。学生の頃から踊ることが好きでヒップホップやジャズダンスなどを経験。たまたま自宅の近くにフラメンコ教室があり、それがきっかけでフラメンコと出会い、その魅力にどんどんハマっていく。フラメンコを教わるために短期留学していたスペインでご主人と出会い、その後、結婚を機にご主人の実家がある富山に移住。現在は、富山市でフラメンコ教室を開きながら、ダンサーとしてライブ出演するなど幅広く活躍している。


┃ぶっちゃけ移住前の富山の印象ってどうでしたか?


《岡田さん》正直、移住する前は富山がどこにあるのかも知りませんでした(笑)生まれも育ちも九州の福岡県だったので、本州のことはあまり詳しくなくて……。だから移住が決まって、初めて富山の位置を日本地図で調べました(笑)

-----私も関西からのUターン移住者ですが、関西にいたときは、「富山って東北だよね?」とか「青森県の隣?」とか、よく間違った認識で聞かれることが多かったですね(笑)ご主人もフラメンコをされていて、スペインの学校で知り合い、結婚を機に富山に移住されたとのことですが、実際に住み始めて富山はどんな印象になりましたか?


《岡田さん》富山に移住してきたのがちょうど冬の時期だったのですが、初めての冬は家の中に引きこもっていましたね(笑)雪の扱いをどうしたらいいのか分からなくて……。九州では雪はほとんど降らないし、積もっても5cmほどで夕方には溶けちゃうくらい。その程度でも福岡では大渋滞になっちゃいます。もう仕事は遅刻してもしょうがないよねって感じで(笑)


-----確かに、雪の多さに驚いたという声は移住者の方からよく聞きますね。特に雪が降らない地域から移住される方にとっては、一番の難壁かもしれませんね。


《岡田さん》ちょうど賃貸アパートを借りていたのですけれど、駐車スペースに屋根も融雪(装置)もなかったので、車が完全に雪で埋まってしまって。雪かきも慣れていないので、ちょっと転んだら起き上がれなくなってしまって……本当にやばい!!って思いました(笑)富山の夏も、思っていたより暑いと感じましたが、九州も暑かったので平気でした。でも雪の扱いだけは、慣れなかったですね。

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-----富山での冬の過ごし方で、何か印象に残っている思い出はありますか?


《岡田さん》移住してすぐ、山登りが好きな主人とお義父さんがスキーに連れて行ってくれると言ってくださって。でも当日の朝、小雨が降っていたんです。それを見て主人が「雨だし、今日はやめようか」って。その言葉に私はとても衝撃を受けて……おそらく九州では、一度スキーに行くと決めた日には、たとえ天気が悪くても決行すると思います。なぜなら、雪山が近くにない九州の人からすれば、スキーは何時間もかけていく小旅行みたいなものだから。


-----確かに!富山ではスキーって身近なレジャーですが、九州ではスキーに行くこと自体が一大イベントのような感覚なのかもしれませんね。


《岡田さん》そうそう。富山の人は雪山が近くにあるから、当日朝の天気を見て、行く、行かないのスケジュールを変えられるんだ~って思ったのが、大きな驚きでしたね。スキー場に行こうと思えば気軽にすぐ行けるのが、富山の魅力だなと思います。我が家には今年6歳と2歳の子どもがいるのですが、少しずつアウトドアの遊びも楽しめる年齢になってきたので、ソリやスキーにもどんどん挑戦したいなって思います。

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┃休日の過ごし方で変化したことはありますか?

最近は、山奥にある一軒家レストランのランチを食べに行ったり、田園の中にポツンとあるカフェに行ったりすることが増えましたね。九州では街中に住んでいたので、繁華街のカフェやデパートのお店に行くことが多かったのですが、富山に移住してからは、一軒家のレストランや景色の良い郊外のカフェなど、そういうお店を好んで行くようになりました。


-----お洒落ですね~!!都会のカフェも素敵ですが、田舎ならではの楽しみを満喫されているのですね。


《岡田さん》そうですね。あと、富山に住んで最近感じているのが、富山にはお洒落なセレクトショップやすごい技術を持つ職人が実は多いということ。そういうお店や人を発掘していくのが面白いですね。ただ、いつもアンテナを張っていないと知らないお店も多いので、フラメンコ教室の生徒さんに「これ、どこで買ったの?」とお店を教えてもらっています。


-----富山って意外とセレクトショップが多いらしいですね。私も長く住んでいながら知らない素敵なお店がまだまだあるのだろうな……。


《岡田さん》公共施設やカフェでの展示会も多い気がします。ものづくり作品の販売会とか、アートなイベントとか。若い個人の作家さんを発掘できるような場が多いので、とても面白いなと思いますね。

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┃富山の魅力って何だと思いますか?

自然が多いことと、やっぱり人が誠実で優しいところですね。フラメンコ教室でも、生徒さんがよく畑の野菜をおすそ分けしてくれるんです。富山では畑を持っている人も多く、おすそ分け文化みたいなものが根付いているので、「これ、食べて~」っていつも声をかけてくれるので、とても助かっています。


-----おすそ分け文化、確かにあるかもしれません!(笑)


《岡田さん》それに、日本酒が美味しいところですね。もともと私は焼酎派で、日本酒はそれほど美味しいとは思わなかったのですが、富山に移住して、地で採れた魚と一緒に日本酒を飲むとすごく美味しいって感じて。たぶん食べ合わせが大きいのかも。富山の食べ物と日本酒が合うから、より美味しさを実感しますね。

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《関連リンク》
私にとって「ちょうどいい」まち、富山/【移住者】菊池 由佳さん

┃移住前の自分へのメッセージをお願いします。

《岡田さん》思ったよりやりたいことをやれるので、怖がらずにおいで。住んだことのない富山では、フラメンコや自分を受け入れてもらえないのではないかと不安でしたが、移住してみると周りの人はみんな優しいし、いつも助けてくれるし、おすそ分けももらえるし、富山での暮らしをとても楽しむことができています。


-----知らない土地での暮らしは不安ですもんね。その不安が解消されて本当に良かったです。これから富山で挑戦したい夢はありますか?


《岡田さん》もっと富山や北陸で、フラメンコを広めていけたらいいなと思います。まだまだフラメンコを知らない人も多いので。だからといって、みんなにフラメンコをやってほしいというわけじゃなくて、ライブを鑑賞したり、イベントを観に行ったりとかでも良くて。フラメンコを通して、みんなの暮らしに彩りを与えたり、非日常空間をお届けしたり、フラメンコを観ている時は悩みを忘れられたり……。そういう存在にしたいなと思うので、少しずつ発信をしていけたらいいなって思います。

-----お話を伺って、私もフラメンコのライブを観に行きたくなりました!これからもっと北陸でフラメンコを楽しむ人が増えるといいですね。富山での冬の慣れない暮らしに苦戦しながらも、富山ならではの楽しみを見つけて、新たな目標に向けて挑戦を続ける岡田さんの姿がとても印象的でした。岡田さんの富山ライフをこれからも応援しています。本日はありがとうございました。

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【ライタープロフィール】

Chiharu
1985年生まれ。富山県出身。18歳で関西に上京し、大阪・京都・奈良にて12年間を過ごす。30歳のときにUターンで富山に移住。現在、小学生の男の子1人を育てるシングルマザー。北陸の女性を応援するwebメディア「ワタシゴト」のママライターとして、北陸のよいモノ・コト・ヒトを発信する活動を行っている。

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