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孤独な温泉

妻が都会に逃げて、僕ひとり
寒い田舎に残っている。

左遷されて仕事もない僕は、夕方から、近くの旅館へいく
ここは日帰り温泉があるからだ……

洒落た露天ぶろやサウナもない内風呂だけの温泉

落ちぶれ妻に逃げられたおっさんには相応しい

でも、内風呂とはいえ、ガラス越しにみる山々の光景とかすかに咲き始める桜は、風情があった。

夕刻、少しずつ翳る景色

誰もいないからこそ、静かに、諸行無常を感じてしまう。

熱めの湯につかりながら、ただ孤独と静寂を楽しむ

左遷され寒い土地へ行き、妻もいない

でも、こんな風情を楽しめるのは悪くないのかもしれない

そんなことをぼんやり考えていた。





それはそれとして、湯上りのビールは最高だな

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