見出し画像

連勤日記 68日目 出口戦略 

連勤生活が終わる日のことを夢想する。さぞ晴れ晴れするだろう。関西に旅行したい。これはホームシックなのだろうか。アルバイトなのだから辞めるといえば済みそうだが、少し手順を踏む必要がある。

まずメインの自動化工場を辞めてしまうと派遣会社の寮を追い出されるのでその前に引っ越さなくてはならない。だが現状、不動産屋に足を運ぶ時間がない。よってサブの酒屋を先に辞めなければならない。

連勤生活を始めたときは趣味のことなど考えもしなかった。むしろ将来の身の振り方を考えるのも息が詰まる思いだった。この2ヶ月間、毎日少しずつ残りの人生を考えてきて、結論は出ていないが気分は落ち着いた。

9月で酒屋を辞めたい。趣味に時間を取りたいのだ。それに加えて自動車工場でも動きがあった。販売好調につき増産のため10月から土曜も稼働する日が出るらしい。どのみち酒屋側には何らかの申し入れをすることになる。

自動車工場の土曜稼働のことだけ話すと、その日シフトを空けることは了承してもらい辞める話にはならないだろう。疲れたと言おうか、別に嘘ではない。正社員の仕事を探す時間が欲しい、これも嘘ではない。

29歳で初めてフリーターになったとき、人の気持ちが解っていなかった。ファミマで働き始めて2日後に福山通運からも採用連絡があり、やっぱり向いてなかったですと言って辞めた。

女性店長のやるせない顔を今も思い出せる。面接と採用はオーナーがしている手前、立場がなくなってしまうと今なら想像できる。オーナーに報告するうえで都合の良い言い訳をするべきだった。最大限努力して。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?