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来年の今日は何曜日?

来年の今日は何曜日か、気になったことはないだろうか。

結論から先にいうと、来年の今日は、今日の曜日の次の曜日になる。
(例えば今日が日曜日なら、来年の今日は月曜日)

ただし、今日から来年の今日までに2月29日があるときは、来年の今日は今日の曜日の2つ次の曜日になる。また、今日が2月29日の場合は考慮しない。

以下ではその証明をしていく。ここで次の事実は常識で既知であるものとする。

・曜日は7つあり、日月火水木金土を、順番が変わることなく繰り返している。
・1年は365日である。ただし、ある規則により1年の内に2月29日が加わり366日となる年もある。

1. 数学が苦手な人向けの説明

まず、1週間後の今日は何曜日だろうか。

当然、今日と同じ曜日である。

では次に、2週間後の今日は何曜日だろうか。

これも当然、今日と同じ曜日である。

これについて少し整理しよう。「1週間後の今日」というのは言い換えると「7日後」である。同様に「2週間後の今日」は「14日後」に言い換えれらる。このことから、次のようなことが考察できる。

今日から7の倍数日後の曜日は、今日と同じ曜日である。

実際、この考察は「曜日が7つありその順番は変わることはない」という事実から正しいとわかる。もしピンと来ていないようだったら、今日から21日後や70日後、700日後の曜日が今日と同じことを確認してほしい。

(余談だが、毎月22日がショートケーキの日であるのも「曜日が7つありその順番は変わることはない」という事実があるからこそ成り立っている)


さて、次に「今日から○日後の曜日」について考えていく。

たとえば今日から8日後は何曜日だろうか。答えは、今日の曜日の次の曜日である。なぜなら、今日から7日後は今日と同じ曜日であり、その次の日が今日から8日後だからである。

では、今日から20日後は何曜日だろうか。答えは今日の曜日の6つ次の曜日である。なぜなら、今日から14日後は今日と同じ曜日であり、その6日後が今日から20日後だからである。(ピンと来てない方は実際にカレンダーを見て、今日から20日後の曜日を確認してほしい)

このように今日から○日後の曜日を考えると、次のような法則がみえてくる。

○を7で割った余りを△とすると
今日から○日後の曜日は、今日の曜日の△つ次の曜日である

これも「曜日が7つありその順番は変わることはない」という事実により数学的に正しいことがわかる(が証明は省く)。

この法則が実際に成り立っていることを見ていく。

まず、今日から8日後に関しては、8を7で割った余りは1であり、今日から8日後の曜日は今日の曜日の次の曜日、すなわち1つ次の曜日である。

今日から20日後に関しては、20を7で割った余りは6であり、今日から20日後の曜日は今日の曜日の6つ次の曜日である。


ではこの法則を用いて来年の今日の曜日を考える。

(パターン1)今日から来年の今日までに2月29日を含まないとき
来年の今日は今日から365日後である。365を7で割ると1余るから、来年の今日の曜日は今日の曜日の1つ次の曜日である。

(パターン2)今日から来年の今日までに2月29日を含むとき
来年の今日は今日から366日後である。366を7で割ると2余るから、来年の今日の曜日は今日の曜日の2つ次の曜日である。


2. 数学に自信がある人向け

定義1
来年の今日
とは、来年のうち今日と同じ日付の日のことである。

命題1
nを自然数とする。n≡0 mod 7ならば今日からn日後の曜日は今日の曜日と同じである。

※modの定義がわからない、または忘れた人は昨日投稿したこの記事を参照

証明
n=7mとして、mに関する数学的帰納法で示す。
(i)m=1のとき、今日から7×1=7日後の曜日は今日と同じ曜日である。これは、「曜日が7つありその順番は変わることはない」という事実からわかる。
(ii)m=kのとき、今日から7k日後の曜日は今日の曜日と同じであると仮定する。m=k+1のとき、今日から7(k+1)日後というのは、「今日から7k日後」の7日後であり、「曜日が7つありその順番は変わることはない」という事実から今日から7(k+1)日後の曜日は、今日から7k日後の曜日と同じである。よって仮定から今日から7(k+1)日後の曜日は今日の曜日と一致する。
(i),(ii)から、任意の自然数mに対し今日から7m日後の曜日は今日の曜日と同じになる。すなわち、n=7m≡0 mod 7ならば、今日からn日後の曜日は今日の曜日と同じである。▢


命題2
nを自然数、n'を1から6までの整数とする。n≡n' mod 7ならば、今日からn日後の曜日は、今日の曜日のn'個次の曜日である。

証明
n≡n' mod 7ならば、n-n'≡0 mod 7である。これより命題1から、今日から(n-n')日後の曜日は今日と同じ曜日である。今日からn日後というのは、「今日から(n-n')日後」のn'日後である。以上から、今日からn日後の曜日は、「今日から(n-n')日後の曜日」のn'個次の曜日、すなわち今日の曜日のn'個次の曜日である。▢


定理1
今日が2月29日でないとする。今日と来年の今日の間に2月29日がない場合は、来年の今日の曜日は今日の曜日の1個次の曜日、2月29日がある場合は来年の今日の曜日は今日の曜日の2個次の曜日である。

証明
今日と来年の今日の間に2月29日がない場合、来年の今日は今日から365日後である。365≡1 mod 7であるから、来年の今日は今日の曜日の1個次の次の曜日である。今日と来年の今日の間に2月29日がある場合も同様に示される。▢

以上

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