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TLで話題になっていた「しゅかランド」に入園してみた。


こんばんは透明金魚です、夏休みの自由研究の時期ですね。私の今年の自由研究はこちらです。

はじめに

Aqoursなどで活躍中の女性声優、斉藤朱夏さんのファンクラブサービス「しゅかランド」が”開園”直後から話題になっていました。

主に
・入会金を払った後に課金要素がある。
・ファンレターを送るのに課金の必要がある。
・課金して使うサービス内通貨が30日間の有効期限付きである。
あたりが話題に。

確かにこの字面だけ見ると色んな意味で話題になるのもわからんでもないなあと思いましたが、これだけ話題になるのも珍しく感じたので試しに中をのぞいてみようと思い私も”入園”してみました。

本題に入る前に

まず重要な要素として私はいわゆるラブライブ!サンシャイン!!とAqours好きですが「斉藤さん推し」というわけではありません。

ですのでそもそもファンじゃない人がファンクラブに対して何かを述べてもなるほどと思う人もまたおそらくファンではなく、ファンはむしろ「そういうこまけえこたあええねん!ファンのためのファンクラブだ!」と思うような気もします。

書いていて恐縮な気持ちになってきて早くも心が折れそうです。

この時点でこの記事の存在意義の根幹が揺らいでますがそこは知的好奇心と、ラブライブ!サンシャイン!!とAqours好きである点がそうさせたということでご容赦願います。

その上で果たして話題になっていた要素がどういう形でファンクラブ内に存在していて我々に提供されているのかを見て行こうと思います。


入園

さて、まずは入会である。

斉藤さんのファンクラブは「しゅかランド」。ファンクラブの実質的実態であるウェブサイトもテーマパークを意識しておりランド感がある。

実はこの時点で1つ大事な要素を私はすっ飛ばしている。それは「なぜファンでもないのにファンクラブにわざわざ入ってまで確認しようとしてるのか」だ。それは勿論上記の知的好奇心もあるのだがそれ以上の要因がある。

このファンクラブは月額制なのだ。価格は540円税込、雑誌を一冊買ったと思えばそんなに痛くはない。年間にすると6000円を超えてくるがファンクラブなんてだいたいそんなもんだろう。

個人差はあるかもしれないが年間6000円と月額500円なら後者のほうがなんとなく入りやすいというか私も入った。ライトなファンでも入りやすい仕掛けとしては優秀な設定と感じる。

この時点で直感的に感じたのだが、しゅかランドを「月540円の入場マンスリーパスがある遊園地で中でのアトラクション代は別料金。好きな範囲であそんでね。」という場所ととらえるとそんなに色々言われるサービスには感じない。むしろライトファン的にはいきなり年間1万円とかとられるよりも月540円で入って好きなように遊べるのは悪くないと感じるのではないかとも思った。


540円で出来る事

さてまずは540円の月額で何が出来るかだ。

ざっくり見た感じ以下となる。

・ミュージアム
斉藤さんのオフショットや限定フォトが拝める。

・ブックスタンド
斉藤さんに関連するデジタルブックが読める。所謂「会報誌」にあたる。

・ファンクラブイベントに応募できる
らしい。この時点では特に募集はなさそう。

さてこのラインナップ、実際どうなのかというと個人的には540円の価値は十分にあるように感じた。繰り返すが私は斉藤さん推しではない、でもまあこれで540円ならファンは満足だろうと素直に感じた。

特に会報誌は写真も文字ページもしっかりしていて、何しろDL型で閲覧できる。試してないので確実ではないがおそらく退会しても読めるのではないか。

もちろん毎月発行はないだろうけどファンクラブなんてだいたいそんなもんである。1年に1回でそのまま終わるファンクラブもざらにある。しかもここは月額だ、そんなファンは少ないと思うがなんなら月ごとに辞める検討してもいいわけだ。

ライトユーザーに優しいしゅかランド

このシステムはとてもライトユーザーに優しい。斉藤さんが気になるなあ、ファンクラブで色々みたいなあというこれからガッツリファンになりそうな人へのアプローチはしやすいと思う。

中に入ってから自分の感覚の範囲内で後述するアトラクション課金すればいいわけで、そこにバリエーションがあるのは割といい方式に感じる。

さらに540円なら「ファン以外」もうまくすれば囲えそうだ、他の声優とコラボレーションなどをすれば月単位で加入する人も出てきたりするのではないだろうか。

ここまではそこそこ良心的で悪くない仕様である、いいんじゃないか、しゅかランド。


課金とは

さてここからがある意味本題である。課金だ。

もう少し詳しく書くと、しゅかランドにはサービス内通貨「コイン」(有料)がありこれを消費する事で初めて享受できるコンテンツがいくつかある。だいたい1コインが65円くらいで一気に買うと少しお得になるよくあるシステムだ。

このコイン、有効期限付きとなっており30日間で無効になってしまう。「せっかく課金しても1ヶ月で消えるのかよ!ひどい!」と言われてしまうのはわからんでもない、私も恐縮ながらそう思った。

でもコンテンツの中身を見るとこれは割と受け入れられるような気もした。詳しくは後半で。


コインが使えるアトラクションその1「ポスト」

さてではそのコインで何が出来るのか。

1つは「ポスト」である。

これは斉藤さんにデジタルファンレターを送るシステムだ1コイン消費で100文字入力可能な「カード」で送ることができる。3コインにすると300文字入力可能な「Funレター」が使える。いずれも送ると20種ある限定写真をのいずれか1枚をゲットできる(重複当選あり、切ない)仕組みになっている。

このシステム、「ファンレター送るのに課金が必要とは何事だ!」とこれも話題になってしまっていた。

確かにそれはそうかもしれない。

しかしながらこれは見方を変えれば写真ガチャなのである。1回65円でファンメッセージを送りながらガチャを回すアトラクションと言えなくもない

もちろん人によっては「だったらガチャにせい!ファンレターという概念とセットにするのが腑におちん!」とお考えの方もいると思われるので何とも難しいとこだが私個人的にはまあガチャと割り切ればそういうものもあるだろうくらいには思えた。

ガチャと割り切ったら割り切ったで毎度メッセージを考える必要があるためそれはそれで煩雑なのですばらしいシステムかと言えば疑問が残るがファンビジネスにそういう類のものは付き物な気もする。

むしろ問題は300文字のレターを選ぶメリットがいまいち見えないことだ。単純に思いを沢山綴れるのだがその場合300文字で足りるのだろうか。そこまで行くと事務所にお手紙を送った方が早い気もする。(それはそれでガチャより高く付くけど)

今後300文字レターを斉藤さんがなんらか取り上げることなどがあるとレター人気に火がつくかもしれない、スケーラビリティがあるといえばある。

ちなみにコンプリートするためにはざっくり5000〜1万円くらいかかるような気がする。高いと直感的には思うがファンは気がつくと1万円くらい謎の課金をすることが多いのでこれも別に珍しい事ではないような気がした。

繰り返すが「ファンレター」というのはファンから推しへのメッセージであると考えると課金要素が絡む事でネガティブな意見が出るのは致し方ない気もする、ここに関しては今後もいろんな意見を目にする事になるかもしれない。


コインが使えるアトラクションその2「シアター」

もう一つが「シアター」である。

最初シアターで課金と聞いて「斉藤さんパンを焼く」みたいなファンクラブによくある撮りおろし動画を買うのかと思っていた。それは確かに追加課金はちと世知辛いなあと思ったが”入園”して中を見るとちょっと印象が違った。

シアターで閲覧可能なコンテンツはイラストレーターによるオリジナルイラストで彩られたオリジナル小説であり、それを斉藤さんが声優として読み上げている動画(静止画+文字+音声)なのだ。

これは見てみるとわかるのだが「CV斉藤さんの完全独立コンテンツ」なのだ。確かにこれが別課金なのは私は感覚的に許容できた。その上で買う買わないはこちらマターなので買いたければ買うがよしという範囲である。

次に値段と仕様だ。

今公開されている1話のスペックは、

12コイン≒780円 15分弱 有効期限15日間

である。

正直ここは色んな意見が出ると思った。課金まではいいんだけど有効期限付きが切ないというのは出てきていい意見だと思う

敢えて言うならば世の中には期限付き課金コンテンツは少なくないのでその方式を採用したということなのだろうか。もしかしたらDLより期限付きの配信の方が複数権利の処理でどうこうとかあるのかもしれない、謎だけど。でもあるにはある形式だ、大問題ではないような気もする。

次に値段だ。これは斉藤さん限定コンテンツという強烈な付加価値があるため議論は意味をなさない気もするが念のため類似事例を探した。

DMMで課金視聴可能な声優が料理とトークで盛り上げる「ときめきレシピ」シリーズのスペックを見てみよう。

108円 30分前後 有効期限2日

となっている。無理矢理15日にすると800円強くらいの試算になる。かなり強引だがしゅかランドのシアターも目くじらを立てるような金額ではないだろう。

買い切り型の課金でない事は評価がわかれそうだが許容範囲の課金コンテンツなのではないだろうか。


コインの話に少し戻る

さてここでコインの有効期限30日の話に戻ろう。

そもそも課金対象が15日期限のものと即時発動のメッセージである。実はあまり貯金、というか貯コインのメリットが無い。

しゅかランドでの課金は基本刹那なのでその時にシアターをどこまで見るか、メッセージを使うかを考えて課金すれば30日リミットに悩まされる事はなさそうだ。

ありそうなパターンとしてはシアターでかかる金額を計算して端数をメッセージに使えば良い気がする。なんせレターは1コイン、最小単位なので余らないのだ。

そして会費も月額、使わない(表現として正しいか怪しいけど)月は気軽に解約できる。これが永続コインだとそれを理由に辞める事はおそらくしないだろう。実はしゅかランドは気軽に入園できて気軽にやめられる仕組みになっているのだ。まさにテーマパーク、行きたいときに行って遊べば良いのだ。しゅかランドなかなかよく出来ている


結局何で話題になったのか

とまあここまで割と素直にしゅかランドの中を回遊してみての感想をつらつら書いてみたが、そこまで大きな問題も無いような気がしてしまうむしろいくつかよく出来た仕組みも垣間見えた。

では何で話題になったのか。

1つはやはり2段階課金と言えてしまう仕様だろう。特にデジタル課金×複数はアレルギーが高いのだろう。

デジタルでない事例として例えば「ファンクラブ限定通販でキーホルダーが買える」は別に話題にならないモノが残ることは意外と重要なのかもしれない。

2つ目に上記は「外からいじりやすい」要素だったとも言える。それだけ斉藤さんが注目を浴びてる人気者なのかもしれない。

まあふたを開けてみれば前述の通りで、もっとえげつない課金システムはいくらでもあるので今回は象徴的になってしまった点は不運だった。逆に540円で得られるちゃんとしたファンクラブコンテンツがあまり広まらないのは気の毒である。

他にも色々言いたい事がある人がいることは理解できるが究極ここはファンクラブなのでコスパや金額の妥当性やコンテンツ配給システムの善し悪しは「斉藤さんだから≒私の推しだから」の一言ですっとぶ。ファンビジネスとはそういうものでこれ以上の分析はあまり意味が無いようにも感じる。

さて、今回凄く感じたのは「お金の価値って一定ではないなあ」ということだ。

今回の記事でお金に関する部分は自分の中の常識を信じて書いてみたがそれも結局主観である

しかもファンクラブは「俺は推しが好き」というもっとも強固な類いの主観による行動、推しのために消費する場なのである。こういった場ではお金の価値は強烈に変動するし比較論は野暮になる。逆に言えばだからこそ話題にもなる、主観のぶつけ合いの対象にもなるのだろう。

うまく言葉にはできないがそういった「なるほどなあ的な感覚」が得られたのはとても面白い自由研究だったと感じる。全ては月額540円にしてくれていたからである、しゅかランドに感謝である。

余談

退園をするにはインフォメーションの「よくある質問」内にある「解約について」の項を参考にするとわかりやすく案内してくれる。

その際、

・当園のアトラクションで遊べなくなります。
・所持しているコインが失効します。
・退園前の状態に戻ることはできません。

と想定内の注意書きがあるのだが最後にファンを強烈に踏みとどまらせる一言が添えられている。

気になる方は是非540円にて入園してみて頂きたい。

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