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放課後アトリエ体験クラスレポート③ 街をアトリエに

とをがは、「街のアトリエ」であると同時に、「街をアトリエ」にしていきたいと思っています。
こどもたちの様々な好奇心と興味をもとに、試行錯誤したり探求したりする、遊びや学びの場を、広い意味で「アトリエ」と捉え、街の中でどんなことができるだろうかと考えています。
今回の体験クラスでは、最終日の午後3時からの「おやつの時間」を手づくりしていきました。その過程にも、街とのつながりがありました。

器をつくって、焼こう

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私たちは以前から、粘土でつくったものを七輪で野焼きするというワークショップを野川公園や小金井神社で開催された「はけのおいしい朝市」(hakeichi.org)で行ってきた。
粘土は、自然材料の中でも、特にこどもたちが大好きな材料の一つ。土を掘り起こし、粘土を発掘するのも、こどもたちの好奇心を刺激するとても楽しい活動だ。
また、実際に火を起こしたり、焚き火を囲んで、薪をくべながら土が焼けるのをじっくり眺める野焼きも、とてもおもしろい。
粘土掘りも野焼きも、いずれアトリエの中で挑戦していきたいテーマではあるが、今回は体験クラスということで、以前のワークショップでも使用した陶土を使って、器づくりをすることにした。

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時間に限りがあったため、基本的なつくり方として、タタラを使って板をつくり、板を筒に巻きつけてカップをつくる方法を提案した。
ところが、半分以上の子が、自己流でつくろうと試行錯誤し始めた。
つくっては壊し、つくり直しを繰り返しながら、それぞれに違った表情の器を完成させた。

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できた器は、焼かなければいけない。
でも、とをがには窯がない。今回は、野焼きをするのも難しい。

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小金井市在住の陶磁器デザイナー「pottery design CHEESE WORKS」さん(https://cheese-works.amebaownd.com)にご協力いただくことができた。約800度で素焼きした後、釉薬をかけ、約1250度で本焼き。おやつの時間が始まる3時間前に、窯から取り出したばかりだ。

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つくってから約2週間後・・・自分がつくった器と再会する。
釉薬は自分たちで選んだが、焼き上がってみるまではどんな色になるのかわからない。さあ、どんなふうにできたかな。

おやつを買いに出かけよう

丸田ストアーの1階には、八百屋さんやお肉屋さんなどいろいろなお店がある(http://marutastore.org/index.html)。八百屋さんのPARITALY(パリタリー)さん(https://paritaly.kitchen)には、こどもたちが大好きな駄菓子も売っている。ということで、全会一致でおやつを買いに行くことに。

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「一人100円かな?」「いや、でも駄菓子は一個10円とか30円くらいだよ!」「じゃあ50円くらいじゃない?」と、みんなで話し合った。
3人ずつのチームで、1チーム150円の中で、みんながおやつを食べられるように考えて買い物するということに決まった。

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「この3つ入りのを買えば、3人で分けられる!」「でもこれ40円もする!」「これ4個入り。みんなで分けられる?」

「全部合わせると・・・」
「これで100円!あと50円分買えるよ!」「じゃあ、お肉屋さんで焼き鳥買えるかな?」「行ってみよう!」「あー、50円じゃ買えないのかぁ!」

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そして、ドキドキしながらレジでお会計。
「うん!ちょうど150円です!」「やったぁ!」
買い物を終えると、2階へ戻りおやつを食べた。

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自分たちの手づくりの器にお茶をいれ、自分たちで買ってきた駄菓子を食べる、手づくりのお茶会。みんなとっても嬉しそう。

こんなふうに、暮らしの中の身近なところにも、興味や好奇心の種はたくさんある。街の中で、いろいろなものやいろいろな場、そしていろいろな人と、出会い、こどもたちの興味や好奇心を耕していけたらと思う。
ここは、小さなアトリエだけど、街をアトリエにしていくようなことが、たくさんできたらいいな。

4月からの放課後アトリエでは、「とをが」を拠点としながら、丸田ストアー1階をはじめ、街を舞台にしながらの活動も考えています。(執筆者 渡邉)

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