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インタビュー02_刈谷農園・研究スタッフ 熊﨑 忠さん

今回は、インタビュー第5弾として、2023年から刈谷農園の研究スタッフ・熊﨑さんにお話を聞きました。最先端のトマト栽培を研究してきた熊﨑さんが、農園でのリアルな仕事や魅力を語ってくれました。

【プロフィール】
名前:熊﨑 忠(くまざき ただし)
所属:刈谷農園・研究スタッフ
出身:愛知県豊川市
趣味:音楽鑑賞
好きな野菜:トマト、イチゴ


――経歴を教えてください。

愛知県内の大学で15年ほど農作物の栽培技術に関する研究をしていました。具体的には、今でいうスマート農業技術を駆使したハウスで、ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素濃度といった環境条件を検討してトマトなどの増収に結びつける、といった内容です。そのため、植物の生育や反応を見ることや、情報通信技術(ICT)の扱いは得意分野です。農業にICTを活用できる農業者の育成にも携わってきました。

――宙炭とはどんな商品なのでしょう

通常のバイオ炭とは違い、酸性度が中性に近い特徴があるバイオ炭です。一般的なバイオ炭はアルカリ性のため、土壌改良の目的で投入しすぎると土壌がアルカリ性になり収量が減ってしまう原因になります。一方、宙炭の場合、バイオ炭のように土壌がアルカリ性にならずに植物が生育しやすい土壌酸性度を維持できます。土壌改良効果だけでなく、水田や畑に宙炭をまいた量を基に、カーボンクレジットの代理取得や販売などにもつながります。
また、宙炭の最大の特徴に、有機物の分解を早められることです。宙炭はバイオ炭に土壌微生物を培養しているので、有機物の窒素を植物が利用しやすい硝酸に1か月程度で変換できます。宙炭を使って有機農業のような地球にやさしい農業につながればと思います。

――具体的にどんな仕事でしょうか

1つは宙炭を混ぜた育苗培土の実証試験です。トマトやキュウリ、キャベツなど主要な野菜の種をまき、普通の培土と比べて生育にどのような影響を及ぼすかを調べています。まだ1年分しかデータがありませんが、手応えを感じる結果もありました。早速今年の春に園芸学会で発表したところ、関連する研究をしている先生に興味を持ってもらえました。さらに研究を進めていきたいと思っています。
育苗培土だけでなく、畑の土にも混ぜて試験しています。当社にはハウス3棟と露地圃場が計62アールほどあります。施設栽培ではトマトやキュウリ、ナスなど、露地栽培ではレタスやキャベツといった野菜を育てています。露地栽培は天気や、畑の水はけの違いで、ハウスよりも環境が変わりやすくなかなか大変ですが、考察しがいがあって面白いですね。

――1日のスケジュールは

朝8時頃に出勤して、遅くても午後6時頃には帰ります。出勤したら他の社員とその日の業務内容を確認してパートさんに作業の指示をした後に、私は農作物の生育調査や、データ分析、次の実験案の検討などをします。ハウスや畑にいるのが好きなので、デスクワークに疲れたら農作物の生育を見に行って癒やされていますね。大学での研究生活とほぼ変わりありません。
残業はほとんどしていません。いい仕事をするには、しっかり休むことも大事だと思うためです。

――ギャップを感じることはあったでしょうか

大きなギャップはありませんが、強いて言えばTOWINGの商品に愛着がわいてきたことです。大学で同じような研究をする場合、特定の企業の商品だけでなく、様々な企業の商品を比べて実験していました。中立な目線で物事を見る必要があったためです。そのため、特定の商品に思い入れをすることはありませんでしたが、今は宙炭のいいところを見つけたいと思っています。あまりひいき目に見過ぎると良くないので、そうした時は、しっかりデータを見直してきちんと客観視できるようにしています。
また、土壌中の微生物の活動をみる必要もあり、植物の生育のように目に見えてどうなっているかよく分からないこともあります、本当に微生物が働いているのかどうか、見極めが難しいですね。もし方法が違った場合に、実験の軌道修正をするのも楽しいです。

――どんな人と働きたいですか

どんな人でもウェルカムです。さまざまな専門の人が集まることで、農園がより充実していくと思います。

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