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連休にアニメ一気見「PSYCHO-PASS」感想文

※内容はwikiより薄めたのでほとんどネタバレを含みません。ちょっとでもネタバレは嫌!という方は「考えさせられたこと」という見出し以降は作品を見てからにしてください。

一気見したアニメ

・シーズン1全22
・シーズン2全11話
・シーズン3全8話
・シーズン3 FIRST INSPECTOR全3話(劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』の配信向け編集版)
*今回見てないですが他に劇場版が2作あります。(内1つは3部構成)

PSYCHO-PASSとは

魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。
変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。2012年にスタートしたオリジナルTVアニメーション作品『PSYCHO-PASS サイコパス』の第三期TVシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』で描かれたふたりの新人監視官の物語が、最新作『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』としてついに完結する。変わりゆく世界で真実を追い求める慎導灼、炯・ミハイル・イグナトフが辿り着く先にあるものとは—。
(公式サイトより引用)

簡単に言うと、政府が管理する中央システムが個人の適正職種や犯罪を起こす可能性までも評価し、市民はそれに従って生きているんだけど、平和なのでみんな幸せな日本ですって感じのSFアニメです。ちなみにシステムは日本独自のものなので鎖国してます。そこに疑念を抱く人たちが事件を起こし始めて、主人公の所属する組織と1シーズンやり合います。そんな国の統治と事件を巡り、登場人物の精神的な葛藤とか在り方みたいなのをあれこれしながらシステムの真相に迫り...
小難しいことはよくわからんってなったらwikiとか解説記事で補完しましょう。エヴァよりは理解しやすいと思います。

作画とか

キャラクター原案が天野明さんなので家庭教師ヒットマンREBORN!感があります。シーズン1の18話で作画崩壊がありますが、シーズン2、シーズン3と作画のクオリティは上がっていったように感じました。メカもデザインや動きが良くてそこはさすがProduction I.Gとタツノコプロ。
シーズン3でキャラデザが変わります。なんかシュッとする。

全シリーズ通してのストーリー

説明がなく謎のままの要素もまあまあありますが、脚本上の本筋に伏線がたくさんある感じではなく、世界観の割りに素直に見ていられました。
冲方丁さんが参加してるのはSF好きとして嬉しい。
登場人物の性格はわかりやすく、人間関係が深く行動に影響してくるというよりは、それぞれの主観がそのまま描かれているようでした。言葉遣いとか声色は結構注意深く見ておくと面白いかも。

※ここから下は、ほんの少しネタバレと思われる内容が無いとも言い切れないのでご注意ください。

考えさせられたこと

シーズン1はシンプルにレジスタンス的な適役が現れます。異分子やその主張を認めるべきか否か、自分たちを安定させるルールが揺らいだときどのような心理に陥るのか、そしてそれらの言動の矛盾などが考えさせられるポイントです。
ルールに守られている者達の守られていることに依存しているからこそ避けられないリスクっていうのを、普段どれだけ考えられているだろうと見ながら思いました。
仕事に例えると、安定して業務(シビュラシステムに従う)と給料(平和)を与えられて雇用(自由に暮らす生活)を守られる会社員(市民)にリスクがないわけじゃない。もし業務をしない(シビュラシステムに従わない)のに業務を全うする(シビュラシステムに従う)自分たち以上の給料(平和、さらには私欲が満たされる何か)を得ているチートみたいなやつがいて、それを既存の会社(国)のルール(シビュラシステム)では捌けないとなったときどうするか。自らがその略奪とも取れる異分子たちを粛正することで、反って不利な立場に追い込まれたりルールそのものを崩壊させかねない状況になってしまうかもしれない。この場合の解決方法として何が正しいのか。みたいな想像はふくらみます。
また、ルールを逸脱する者や壊そうとする(あるいはそれを問う)者はそれ相応の覚悟が必要だよなあと思いました。ルールを変えたり新たに作ろうするときも、ルールの外で生きようとする場合も。起業するのも似たような感じだなと思います。

シーズン2はもっと複雑なアンチテーゼを突き付ける適役が現れます。前シーズンはルールはそのままなんだけどチートな(一応想定はされていた)やつが混乱させるケースでしたが、今回はルールが想定していない対象が出てきちゃいます。
大筋は同じで、異分子やその主張を認めるべきか否か、自分たちを安定させるルールをどのようにアップデートすべきか、そしてまた矛盾(作中では全能者のパラドクスとして描かれる)などが考えさせられるポイントです。
集合体を固体と同じように扱うのか、これまさにバーチャルキャラの中の人が複数の場合のやつ!と思いながら見ていました。同じように既存の評価方法が適用されなかったり、理解を得にくいんだろうけど、認めてもらえるようになるといいなあなんて思いながら。あれ、なんか思いふけっているけど、アニメ見てただけだよね?

シーズン3は主要キャラもほとんど入れ替わり、初期メンがちょいちょい出てきて嬉し懐かしな中で、都市伝説のような陰謀が見え隠れする謎の権力者達が暗躍します。これは今までの対シビュラというより登場人物それぞれが己の目的のためにやり合う感じです。何を信じ何のために戦うのか系のテーマでした。前シーズンまでより政治や宗教が入ってますが、舞台として使われている程度であまり深く言及はされていないように感じました。
主役の慎導灼(しんどう あらた)が色々チート能力を持っていて、特に「メンタルトレース」と呼ばれる人の心理に潜って推理するスキルを使うことで事件解決に向かいます。これは共感から始まるデザイン思考にとって最強の武器では!?と思ったり。
今回は適役も自分の私欲重視だったので僕の色相は曇りませんでした。

シリーズを通して、中央集権型の管理体制のメリデメを考えるきっかけになって、仕事では従業員の評価などシビュラのような絶対的システムを作るとどうなるのかなど考えたくなったので、いつかまたnoteに書いてみようと思います。

まとめ

普通に人気アニメだし、小難しい話やSF好きにはおすすめです。
エヴァンゲリオンほど観念的でなく、攻殻機動隊ほど政治宗教の描写はない感じですが、ちょっとずつ似た要素はあるので両作ファンは好きがちだと思います。
そして、唐之杜志恩(からのもり しおん)役の沢城みゆきさんはこの作品でも素敵でした。スピンオフ小説の『About a Girl』もアニメ化してほしい。

#休日のすごし方  #アニメ #PSYCHOPASS

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